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奥むさし駅伝

奥武蔵
埼玉県南西部の山岳・丘陵地帯の総称。 (wiki調べ)
そんな界隈を自らのフィールドとし、その奥武蔵に愛と尊敬の念を持ち、そこで躍動する者たち
Okumu boys! Okumu girls!
そんな奴等がいる

その主将が奥武蔵で行われる駅伝に参加するという書き込みをある日、目にする
奥武蔵には僕自身なんの縁もゆかりも関わりも持って来なかった訳だけど、個人競技であるランニングにおいてチーム戦を楽しめる格好の場
リレー競技は何れしても絶対的な興奮を禁じ得ない
そんな思いと勢いだけで、参戦希望をと無謀にも挙手をした
思いのほかすんなりと快くチームに受け入れてもらえた
その喜びは今でも覚えている

補欠・サポートメンバー無しの選手のみの人数6人
僕以外のメンバーはトレランの猛者猛者猛者
ロードでもとてつもなくレベルの高い人もいる

レース当日、自分の担当区間へ到着すると学生や一般ランナーの熱気で包まれていた
強豪校のゼッケンもたくさん目にする
実際、かなり真剣に闘いに来ていたそうだ

そんなこんなもあり、自分も陸上部魂が湧き立ち、否応なく本気モードのスイッチが入る
ウォーミングアップにも身が入る
襷を待つ間、全身にビンタを入れて、更に自分自身への闘魂注入
そして!
4区の仲間が軽快に颯爽と現れる
流石の走り
ラストファイトー!と檄を飛ばす
襷の受け渡しの時に背中を押してくれた
これがチーム戦の醍醐味

ところが気持ちとは裏腹に、思ったよりスピードが出ない
最低でも4min/kmのペースをと指示されていたけど、下り基調のコースだからもっと速いペースで押せるはずと思ってた
だけど3'50min/kmが限界…
落胆してるヒマは一瞬もない
今出せる最大限のチカラで走り切る以外に出来ることはないと考え、とにかく今の全力を出し切るのみ
とにかく中継点が現れない
時計ばかりを見て、残りの距離を確認する
まだ来ない
息はもうすでに荒い
普通の息遣いでは間に合わないので、吐く息をハッハッとうるさく声に出した
やっと中継点らしき箇所が来る
次走の仲間はいない
タイムオーバーによる繰り上げスタート
襷を渡せない悔しさよりも、襷をかけて持って走らせられなかったことに申し訳なさを感じた
すぐに1区を走った仲間が駆け寄ってくれ、良い走りだった、惜しかったと労ってくれた
嬉しかった
あと、1分半削れていれば襷は繋げられたようだった

結果はと言えば、自分から襷を繋ぐ区間で敢えなく制限時間を超えてしまい繰り上げ

悔しさは当然あった
今までであれば、落ち込んだり涙したりしただろう
だけども、それ以上にこのチームの一員として仲間に加えてもらったこと
その仲間の為に真剣に懸命に走ったこと
とにかくチームの全員が楽しそうにしてたこと
チームの全員が真剣に懸命に走ってたこと
それがとても嬉しくて、楽しくて、泣き虫の僕は嬉しい涙で結局泣きそうになった

これで、一秒を削り出していく一年が始まったんだとチームの皆んなは言ったし、自分も思う
それだけ楽しんで、充実したんだと感じた
自分もそうだから

最後に。
チームに加えてくれたことに感謝します
とても楽しかったです
ありがとうございました

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