”トランプ大統領”って?

 物議をかもしたアメリカの大統領選挙について。政策面でみるトランプについての評価や、経済の動向など、ニュースや新聞で取り扱われているトランプについてのお話というのは、なかなか全体像が見えず、こいつは一体どういうことなんだと感じる人も多いはずです。

 僕たちがニュースや新聞を見たり読んだりして感じる、よくわからない疑問というのはその大体は多くの人と共有できる疑問であるし、それについてわかりやすく解説してくれているものもあります。納得のいく解説を見つけていくのが少し難しいのですが、ここではかいつまんで僕なりにまとめ、僕がわかりやすいと感じた解説も紹介していきたいと思います。

どこから議論を始めるか

 僕はここでは、「〜を考慮して客観的に見ようとすると、〜のような状況が見えてくるのではないか」というような、できるだけ客観的な立場で状況を写実していくことを心がけようと思います。

 もちろん、その客観には僕の主観が滲んでしまうとは思いますが、僕がここで書いていきたいのは、主張ではなく、議論だということを強調しておきます。

 議論を進めていく中で、最初に大切となるのがこの、”どこから議論を始めるか”、だと思います。これをすっ飛ばしてしまうと、お互いに勘違いをしたまま議論してしまうこともあるし、結局議論の終着点をどこへ持っていけば良いのか、途中で分からなくなってしまうのです...

 例えば、トランプ氏のホームページを見てみましょう。

https://www.donaldjtrump.com/about/

政策についてはこのページ。

https://www.donaldjtrump.com/policies/

すごいですよ。何がすごいかって、わかりやすすぎる。検索キーワードは「Donald Trump policies(ドナルド トランプ 政策)」  これを     「安倍晋三 政策」で検索しても、同じような情報は手に入らないです。

 トランプ氏の徹底振りが伺えますね。アメリカのエリートの凄いところは(トランプ氏はエリート,教養人,ではなく実業家ですが)、このわかりやすいプレゼンテーションの能力です。のちに議論しますが、「わかりやすさ」はある種危険でもありますが、トランプ氏のホームページは議題が一目瞭然です。

 アメリカ中間層が、メディアだけでは分からない政策内容について疑問に思い、「具体的な政策はどうなんだ?」という疑問を持ってこのHPを訪れたら、トランプ氏に対して好感を持つかもしれませんね。トランプ氏はメディアを上手く使っています。

 少し話が逸れていますが、トランプ作戦のポイントとしては、全体像を見せる前に個別の政策の具体案を見せつけ、政策に対する不安を一つずつ払拭していく、ということでしょう。

「外交政策はどうなんだ」「貿易は」「国内の雇用は」「税金政策は」 「教育は」...など、僕らが思いつく政策に対する解決策を、このHPで提示しようとしています。

 この時点ではっきりと予想できることは、次のものです。

「個々の政策を個別に見れば、確かに解決策を提示できているが、それぞれの政策を同時進行することができない」

というものです。つまり、政策を同時進行していくときに矛盾をはらんでしまうということですね。

 一例を出すなら、「大企業の減税」は「雇用増大」を打ち消す要素を含みます。すごく極端に言えば、

...大企業は減税措置によって大幅に利益を増大させ、中小企業は倒産に追いやられます。中小企業の倒産は多くの失業者を出してしまいますが、それは利益を出した大企業が、新たに雇用する数を上回るでしょう。

ということです。これは大変に極端な一例ですが、政策の細かな点を見ていけば、お互いの政策を打ち消しあうものが数多く見つかるはずです。政策とは本来そういうものだから、仕方がないことなんです。しかし、その時代ごとに優先すべき政策があって、それをベストタイミングで実行することができるのが、優秀な政治家なわけですね。トランプ氏はあえてそこを曖昧にすることで、個々の政策に関心を向けさせ、分かりやすい解説で指示を得たのでしょう。

 だからこそ僕は、個々の政策に焦点を当てる前に、もっと大きな視野でトランプ氏、もっと言えば、トランプ氏を当選させたアメリカという国の現在を見ていこうと思っているわけなんです。

では、どこから議論を始めるか

 話が逸れてしまってすみません。結局どこから議論を進めるかを書いていきたいと思います。

重要なのは、政策じゃない!のではないか?

 そうなんです。政策以前に、議論すべきことがたくさんあるのです。日本の選挙だってそうです。マニュフェストと言われる政策具体案が提出されますが、そんなものは当選してから実際に行うかどうか、わかったもんじゃありません。一つひとつ比べようとしてたら時間がいくらあっても足りないですよ。でも、僕はトランプ氏の政策についても後に議論したいと思いますので、興味のある方は見てくださいね!(多分矛盾点がたくさんあるので、ちょっと探してやりたいのです。)

 政策以外に、どんなことが議論できるのか?ということですが、個別具体的な政策についての議論が、なんと多いことか、ですよ。新聞を見ても、ニュースを見ても。トランプ氏の発言を見て聞いて、「こいつやばいじゃん」って誰もが思うところですが、政策具体案を見たときに、

「政策はまともそうだな...ただ発言が極端なだけなのかもしれない、パフォーマンスなのかな、なんならアメリカドル高円安じゃん、米大企業の株も上がるかな。」

と、なってしまいますよね。

発想の原点を探そう!

 小手先の政策、なんていうのはちょっと失礼かもしれませんが、言ってしまいます。小手先の政策ではごまかせないもの、それは何かと言えば、その人の”考え方”です。トランプ氏の政策など、それらの原点になっているのはどんなものなのか。そこが大事なわけですね。そういったものは言動によく表れているわけなんですけれども。彼の言動の”原点”を浮き彫りにすることで、彼がどんな人物であり、考え方の元となっているのはどんなものなのかを、見ていってやりましょう。


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