Last of Us part2のアレコレ

初めまして、ジョナと言います。ただのゲーム好きの大学生です。

今回はちょうど先週発売されたLast of us part2(以下ラスアス2)がストーリーが酷いやらなんやで炎上しているらしいので、自分なりにストーリーを考察してみて実際どうなん?ってのをつらつらと書いていきたいと思います。

読む前に2点注意があるんですが、まず僕はこれが初めてのnote投稿なので温かい目で読んでもらえると嬉しいです。次に当然ガッツリとストーリーの考察をしていく都合上びっくりするくらいネタバレがあるので、まだクリアしてない人etcは瞬でブラウザバックしてください。

以下はネタバレ防止用に設けた隙間を埋めるアヒルの顔文字です。

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  (   つ)     
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それでは本題に入っていきたいと思います。

ラスアス2のストーリーに関してされている批判の中でも今回は「そもそもキャラクターたちがなんでこの行動をとったんかが分からんすぎてモヤモヤする」というのがあると思います。実際何の気なしにゆるゆるプレイしていると「何しとんねんワレ」と思う箇所が多々あります。僕もクリアしてすぐはそうでした。でも実は細かく見ていけば意外とそうでもない気がしたので、今回はエリーとアビーの感情がなんだったのか実際にゲームにあった描写と僕の推測を交えながら書いていきます。


ではではエリーの感情(特に今作のテーマである”復讐”についての感情)を出来事ベースで見ていきたいと思います。

①最初〜テレビ局襲撃あたりまで

まず最初ですね、アビーにジョエルが殺された段階で当然アビーとその仲間たちに対して強い復讐心を抱きます。いわゆる「100%怒り!もう復讐しか無いさ」状態ですね。これは当然シアトルに向かいWLFをぶっ殺しまくってる最中もエリーの心算は変わっていないと思います。ここで重要なのがエリーはジョエルは誰に何故殺されたのかはわかっていないということです。ここあとで使いますんで覚えといてください。(予備校講師風)

②病院でのノラ殺害

順調に復讐を進めてWLFの連中をぶっ殺しまくってきたエリーですが、ここで大きなターニングポイントを迎えます。それがノラの殺害です。ノラ殺害そのものは別に大したことでは無いんですが、ノラを殺す際にノラが言ったことが重要なんですね。そう、ジョエルを殺したのがソルトレイク病院大虐殺の関係者であるファイアフライであり、その復讐としてジョエルを殺したということがエリーに伝わったわけです。ここでちょっとゲーム内時系列が前後しますが回想シーンでエリーはジョエルに「私はあの病院で死ぬはずだった」とか「病院でジョエルがやったことを許すことはできない」的な内容のことを言っていたことを思い出して欲しいんです。そうすると必然的にエリーはジョエルが病院でしたことについてネガティブな印象を持っているということになります。ここであくまで僕の推測ですが、エリーの中で「あの病院の件でジョエルに復讐したんやったら分からんくもないかなぁ…」という感情が芽生えている可能性はこの段階であるんじゃないでしょうか?

③ディーナ妊娠発覚

②の事件と時系列ごっちゃになってる気が書いていく中でどんどんしてきたんですけど、②と③は並列で扱う要素なのであまり気にせんといてください。さて、ディーナ妊娠が発覚したわけですが、ここで着々と復讐を進めてきたエリーに迷いが生じます。(クレイジーファイティング妊婦であるメルという例外もいますが)一般的に妊婦は戦いに巻き込まれるべきではないという道徳をエリーが兼ね備えていることがここからわかりますね。というわけで「ディーナが妊娠しとるのに自分の都合で復讐を進めていって良いのか?」という迷いが生じるわけです。この②と③の要素によって復讐100%だったエリーの心は60〜70%程度になってるような気がします。

④水族館

水族館といえばメルとオーウェンが死んでしまった場所です。個人的にオーウェンをぶっ殺したことはエリーにとってなんてことはないと思うんですが、メルを死なせてしまったことがかなりエリーの精神に来てしまったと思います。実際ジェシーとトミーに助けられた時かなり狼狽えていた様子でしたし。ではなんでメルの死がエリーの中で大きな意味を持つかというと③で言った”道徳”をエリーが兼ね備えており、尚且つパートナーであるディーナがちょうど妊娠したばっかりだったのでその”道徳”がエリーの中で強く意識されていたからだと思います。つまり妊婦を殺してしまったことに対するショックがエリーの中で大きかったんだと思います。これ個人的にかなり重要要素だと思うので覚えといてください。

⑤映画館(vsアビー)

②③④の影響で「復讐もう良いかな…」ってエリーがなっている中でアビーが映画館に乗り込んできます。ここでジェシーがあっけなく殺されてしまいます。ゾンビ系のやつのアジア人キャラ、意外としぶとそうであっけなく殺されがち、これ、ありますねぇ(ウォーキングデッドのグレンとか)。それはさておき目の前でジェシーを殺されて復讐心に陰りが見えてきていたエリーも復讐心が再燃します。しかしクソゴリマッチョウーマンであるアビーの前には奮闘虚しく絶体絶命のピンチになります。ディーナの奇襲も失敗し二人とも殺されるのかと思った矢先「ディーナは妊婦だから助けてくれい!」というエリーの一言でアビーは殺しをやめてしまうんですね。ここで重要な対比が浮かび上がってきます。それが妊婦を殺してしまったエリーvs妊婦を殺さなかったアビーという対比です。これが後々にめちゃくちゃ効いてきます。

⑥再出発まで

ここでみんな大好き”おいもちゃん”ことJJが初登場します。非常に可愛いですね。そんなJJとディーナに囲まれて幸せそうな生活を送っています。しかしここでトミーがアビーの居場所を発見したぞ!と乗り込んできてエリーに復讐を頼み込みます。この段階ではシアトルでの諸々で復讐心が失せてしまったエリーにはいく気がありません。ところがどっこい夜明けになると急に出発します。何故なのかと言いますとヤギ小屋でジョエルの辛い思い出がフラッシュバックしてパニクってしまったことがトリガーになってると思います。つまりエリーはジョエルの辛い思い出と決別できていなくて、これができていないと真の意味での平穏はエリーにとって訪れないとエリーは思ったわけです。だからこそ決別するためにアビーへの復讐を終わらせにいくわけです。ここで重要なのは再出発の理由はアビーに復讐するためではなく、アビーの復讐によってジョエルの辛い思い出と決別するためということです。つまり1回目の出発と理由が違っているわけですね。

⑦2回目のvsアビー

アビー殺しへ向かう道中、エリーの日記では「私こんなところで何してますのん…ディーナ&JJのところに早く戻りたい…」と書かれていて、アビー殺しに対する気持ちの揺らぎが見て取れますね。そんなこんなで杭の場所までエリーがたどり着きます。ここでアビーを一旦助けます。なんで助けたのかは正直よくわかんないんですけど、多分さっき言ったそもそもアビー殺しに対して気持ちが揺らいでいたから殺さんで良いかってなって助けたor一回助けてしっかり自分の手で殺そうとしたかのどっちかだとは思います。なんにせよ助かったアビーは大急ぎでレブを助けて、3人は船の方へと向かい最終決戦へといくわけです。

ここで最終決戦の話をする前にアビーとレブの関係性について言及したいんですけど、アビー編の後半って実はミニチュア版ラスアス1みたいな感じじゃなかったですか?どういうことかというとアビーとレブの関係性や潜り抜けてきた修羅場がラスアス1におけるジョエルとエリーのそれに酷似してると思うんです。そしてさらにエリーは二人が一緒に住んでた事実だったり、杭エリアで必死にレブを助けるアビーを見たりしてこの二人の関係性をなんとなく把握してますよね。この2つを頭に入れてもらって最終決戦のところへ行くと…

オチから言ってしまえばエリーはアビーを殺せたのに殺さなかったわけです。殺さなかったことで重要な対比が出てきます。それは…

レブの親代わりであるアビーを殺さなかったが、妊婦のメルを殺したエリーvs妊婦のディーナは殺さなかったが、エリーの親代わりであるジョエルを殺したアビー

という対比なわけです。この対比を効かせてエリー↔︎アビーの構図を作ったというオチで最終決戦を締めくくったわけですね。

⑧エリー帰還

ほな綺麗な対比効かせてオトしたけど一個重要なことを忘れていやしないかノーティドッグ?となってくるわけですよ。それが「エリー、ジョエルの辛い思い出と決別できていない問題」ですね。じゃあこれをどう解決するのかですが、エリーが家に戻ってくると何故かディーナとJJがいません。愛想尽かしてジャクソンに帰ったんですかね?まあそれはさておきここでエリーは唯一ものが残っている自室に行き、そこでジョエルから貰ったあのギターを手に取るわけです。そして軽く一曲弾いた後に、ギターを置いて外へと繰り出すわけですね。ここで何が重要かというとギターというのはラスアス2において一貫してジョエルとエリーを繋ぐ象徴だったわけですよ。そのギターを手放して新たに出発するということはエリーがジョエルの辛い思い出だけでなくジョエルの思い出そのものと決別して新たな出発へと向かうということです。これによって決別を果たすわけなんですよ。当然ジョエルとエリーの関係性が大好きだったラスアス1ファンとしては悲しいわけですが、まあこういう終わり方だったわけですね。

と、長々と書いてきましたがエリーの感情はこんな感じです。次にアビーなんですけど、安心してください。すぐ終わります。


アビーは実はエリーと違って終始感情に一貫性があります。それは「私はジョエルとは違う」という信念に沿うことです。アビーは殺す必要のないはずだった医者である自分の父を殺したジョエルを心底憎んでおり、ジョエルとは違うんだみたいなことをちょいちょい作中でも言ってます。実際アビーはその場において脅威となっている人間以外はたとえ憎しみのような感情を持っていても殺していません。(当然ジョエルは例外です。)

具体例としてジョエルを除くエリーの仲間のうちアビーと関わった人の生死を見てみると、自分の仲間たちを殺してきたエリーやトミーが生き残っているのに対して何の関わりもないけど映画館において脅威であったジェシーは殺されています。「ジョエルのように必要のない人間を殺すようなことはしない」という強い信念がラスアス2を通して一貫しているので全てのアビーの行動は基本的にこの判断基準で説明できると思います。


とまあこんな感じで見ていくと意外と「そもそもキャラクターたちがなんでこの行動をとったんかが分からんすぎてモヤモヤする」という種の批判は意外と解決されたような気がしますし、そんな批判されているほどガチでひどいストーリーでもないんじゃないかなと思っています。

じゃあ逆に何でこんな炎上しているのかということで、こっからは完全に僕の独断と偏見なんですけど、ストーリーの伝え方がマズい&そもそもアメリカで炎上しているという事前情報があったためにバイアスがかかったという2点が炎上の原因なのではないかと思います。

まずストーリーの伝え方なんですけど、このストーリーは今まで見てきた通りエリーとアビーの対比を描いていくストーリーなわけですよ。そんなストーリーにしようと思った段階で、一番重要なのはプレイヤーにとってアビーをエリーと同レベルに思い入れのあるキャラクターに仕上げることだと思うんですよね。じゃないと対比が伝わらないじゃないですか。でもアビーがもう導入の段階でジョエルを拷問紛いのことをして殺してしまったせいで、ラスアス1のファンであればあるほどアビーの第一印象が最悪すぎて、その後にどうあがいてもリカバリーできなくなってしまったことが決定的な失敗だったとは思います。実際僕もアビー編が始まった時「何でコイツ操作せなあかんねん…ダルっ」ってなりましたし、最後の最後までアビーに感情移入はなかなかできませんでした。

次にアメリカで炎上していたことの事前情報によってバイアスがかかってしまったことなんですけど、これ実はかなり大きい影響があるんじゃないかと思います。まあ別にアメリカと日本で炎上の仕方とかが一緒だったらそこまで取り上げるほどのことでもないと思うんですが、実はアメリカでの炎上は日本のとはちょっと毛色が違うんですよ。

アメリカでは、そもそも発売一ヶ月くらい前に大規模なラスアス2についてのリークがあってストーリーが大筋バレていたらしいです。それで何じゃこのストーリーはと怒ったゲーマーたちとラスアス2の脚本担当だったNeil Druckmannという人の激しいネットバトルが発生したりと地獄のような状況だったそうです。そりゃゲームの内容関係なしに評判悪くなるわな、という感じですな。さらに炎上に拍車をかけたのがAnita Sarkeesianという女性がラスアス2の脚本に関与していたとする噂が流れたことですね。(真偽は定かではないです)

ではこのAnitaさんとは何者なのかというと「ゲーム内における女性の扱いを向上させようキャンペーン」的なことをやっている人です。まあやってることは一見まともそうな感じなんですが、そのやり方が賛否両論でかなり悪名高い人です。詳しくはここでは書きませんがちょろっと調べたら色々出てくると思います。そんでこの人は以前から今までの「美形でか弱い女性キャラ」ではなく「美形じゃない力強い女性キャラ」を出して行こうというスタンスをとっていて、まあアビーがあまりにもソレですよねっていう感じだったりである程度信憑性もあるのかなと思っています。(実際Neil DruckmannはAnita Sarkeesianからある程度の影響は受けているという発言をしていて一定の関係性はあるみたいです。)

とまあこんな感じで海の向こうではこんな感じの泥沼が発生していたので多分必要以上にユーザー評価は低くなっている気はします。そしてそれ故に「めっちゃユーザースコア低いやんけ!どうやらラスアス2はクソゲーらしい!」と日本のゲーマーに一定のバイアスがかかったのかなという気はします。

ちなみに余談なんですけど、(これも嘘か真かわからんので都市伝説くらいのノリで聞いて欲しいのですが)あるアメリカのyoutuberさんが指摘していてはえーってなった話があるのでご紹介します。まずこのラスアス2のトレーラーを見てください。

これは3年前に出たおそらく一番最初のトレーラーなんですけど、ジョエルが生きているにもかかわらずエリーが「あいつらを殺してやる」という復讐ワードを口にしています。つまりジョエルはもともと殺される予定じゃなくて別の誰かが殺されるはずだったわけ。もうパンドラの箱は開いちゃったんだよね。信じるか信じないかはあなた次第。てなわけです。これを聞かされてしまうとラスアス1大好きマンとしてはそっちの方がやはり魅力を感じてしまう部分はかなりあるわけで、もしアビーという強い女性像を登場させるために本来死ぬ予定のなかったジョエルが殺されたのなら非常に残念極まりないですね…

というわけでツラツラと書いてきましたがようやく書くことがなくなりました。もしここまで6000字を超える僕の文章を読んでくれた人がいるのならソレはもう感謝しかないです。また気が向いたら何か書くかもしれないのでその時はまた読んでください。では、さいなら。

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