THE BEATLES SONGSの邦訳タイトルを考察する④
高嶋弘之氏
大変ご無沙汰しております。前回の更新からかなり間が空いてしまいましたが、単に忙しかっただけです。ようやく落ち着いたので、更新を再開します(といっても、相変わらず不定期ですが)。
前回の更新後、学生時代の後輩からタレコミがありました。
「高嶋ちさ子の父親がビートルズの全部の邦題をつけたってテレビで話してましたよ」
気になって調べたところ、高嶋弘之(元俳優・高島忠夫の実弟)はかつて東芝EMIに勤務しており、ビートルズを日本に紹介した人物として大変有名だったそうです。というか、ビートルズマニアとしては当然の常識だと。
つまり、これまでの記事で散々書いてきた「東芝EMIの中の人云々」はすべて高嶋氏への個人攻撃になっていたというわけですね……。
というわけで、無知ゆえのとんだ赤っ恥だったわけですが、せっかく始めた企画ですので最後まで続けようと思います。ご容赦を。
そして、後輩氏には情報提供深謝いたします。
「パーティはそのままに」(I Don't Want To Spoil The Party)
今回の更新は、4thアルバム「ビートルズ・フォーセール」から2曲。クリスマス商戦に無理やりぶつけるために、前作「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」と間を空けずにレコーディングした都合上、前作ではゼロだったカバー曲を約半分の6曲も収録することになりました。
邦題がついたのはオリジナル1曲とカバー1曲。「パーティーはそのままに」はジョンによるオリジナル曲です。
で邦題ですが、直訳すると「パーティーを台無しにはしたくない」。
いい意訳ですね。こういう単語ではなく文章のタイトルは、英語だと覚えにくいので邦題にしたほうがいいと思います。
ただ残念と言うかなんというか、アルバム全体のカラーが割と近しいのか、曲自体があまり印象に残らないのですよね……。
「みんないい娘」(Everybody's Trying to Be My Baby)
こちらはカバー曲。ビートルズではリンゴのボーカルでお馴染みのカール・パーキンスの曲(といってもクレジットのみで実は1930年代にオリジナル発表説あり)ですが、本作は例外的にジョージがボーカルです。
実際のところ、ジョージはカール・パーキンスのファンだったそうで、リンゴがボーカルを取っていた曲も本当は自分で歌いたかったのかと妄想したり。
で邦題ですが、直訳すると「みんな僕の彼女になりたがる」となります。モテ男の歌ですね。非モテの敵ですね。あるいはただの自意識過剰という見方もできますが、実際に当時のビートルズの人気はシャレにならないレベルだったので、全然問題はありません(苦笑)。
さすがに当時の日本で「みんな僕の彼女」という邦題だと世間の理解が得られないだろうから、比較的穏便な表現にしたのだとは思うけど……。
余談
今回は妙に表現が穏便な気がしますが、「中の人」の正体が分かったから手心を加えたってわけではありません。たまたまです。
だから「たまたま」ですってば。
では、次回。
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