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中学数学の文章題を1からやり直してみた その1

こんにちは。ワクワクと申すものです。

現在、個別指導塾の講師バイトをしております。

主に中学数学を教えておりますが、数学が伸び悩む生徒の多くは、

文字を使って式を立てる文章題が苦手であると言います。

うーん、わかる!


私も中学のとき、ちょっとでも長い文章を読ませられると、

すぐ解く気が失せてしまっていました。

そんな得意不得意が分かれる文章題ですが、講師として、

日本語から数式へ置き換えるための、うまい説明とトレーニング方法を、

生徒に提案できるようになりたい!

と思い、中学数学の文章題を1から学びなおすことにいたしました。



中1の全単元を通しで見直してみた

全体像を把握しようと思って、中1数学のテキストを通しで見てみると、大体以下の順番で進めるようになっていました。

  • 正の数、負の数

  • 文字と式

  • 一次方程式

  • 比例と反比例

  • 平面図形

  • 立体図形

  • 資料の整理と活用

これらのうち、文章を数式に置き換える作業が必要になるのは、これら3つでした。

  1. 文字と式

  2. 一次方程式

  3. 比例と反比例

文章題でつながる数学のステージアップ

さて、具体的に内容をなぞっていくと、この3単元は文章題を通して、

内容が次々につながることに気付き、一本のストーリーが出来上がるほど、

しっかりした構成で組まれていることに感動しました。

具体的なステップは次の通りです。

  1. まず「文字と式」で、文字を用いて一つの数量を表せられるようになり、

  2. 同じく「文字と式」で、文字で表した二つの数量の比較から、等式・不等式が使えるようになる。

  3. そして初めて「一次方程式」の文章題で、一次式を用いた数量の関係から、方程式が立てられるようになり、

  4. 「比例と反比例」でも、二つの数量の関係を関数として表すことが出来るようになる。

…とこんな感じでしょうか。図解してみると以下のようになりそうです。

ちなみに、代入の概念は「式の値(文字と式)」で初めて出てきており、これも関数分野への布石となっておりました。

フローチャート:文章題のステージアップ


「文字と式」の文章題の攻略

それでは、具体的な文章題に触れていきます。

一次方程式と、比例と反比例の基礎となるので、丁寧に見ていきます。

こんな問題がありました。

A. 一辺の長さ a mの正三角形の周の長さ

B. 分速 b mで 900 mの道のりを移動してかかった時間

C. 90 円のボールペン c 本と 80 円の鉛筆 d 本買った時の代金

D. e ページの本を1日 10 ページずつ f 日間読んだ残りのページ数

(出典:中学1年生 数学 練習問題プリント 無料ダウンロード・印刷|ちびむすドリル【中学生】 (happylilac.net)

答えとしては、3a, 900/b, 90c+8d, e-10f ですが、それぞれの問題には、

四則演算を行うためのキーワード、及びルールが存在するのではないかと考えてみました。

各演算のキーワード及びルールを次のようにまとめました。


掛け算の使いどころ

キーワード:「一つ当たり〇〇の・・・
ルール  :「(単位量)✖(個数or割合)=(量)」

問題文のいたる所に散りばめられているこの「一つ当たり」の量ですが、

これがあるということは「個数or割合」が分かる別の言葉が必ずあります。

それが見つかったら迷いなく掛け算をしましょう。

ルールは公式チックに書いてみました。

これにのっとって問題文Aを分析してみます。

  • 単位量は、問題の「一辺の長さが a m」に該当する。

  • 個数に該当する「正三角形の辺の数3」を単位量に掛ける。

  • すると、知りたいである「周の長さ」が分かる。

EX.・ 1つ 3 ㎏の荷物 a 個分の重さ・・・3 kg/個 単位量✖ a 個個数 =3a kg
  ・x ㎡の土地の11%の面積・・・$${x}$$ 単位量 ✖ $${\frac {11}{100}}$$ 割合 = $${\frac{11}{100}x}$$


割り算の使いどころ

キーワード:「速度は?」「時間は?」「割合は?」「元の量は?」
ルール  :「(単位量)=(量)÷(個数or割合)」
      「(個数or割合)=(量)÷(単位量)」

割り算を使う場面は、掛け算のルールに基づいて考えてみると、

2パターンあると考えます。

  • 単位数を求める場合  (一つ当たりいくらか?)

  • 個数or割合を求める場合

ところで、速度・道のり・時間の関係を整理すると、

掛け算のルールに沿うことが出来ます。

(道のり)=(速度)✖(時間)

速度は、単位時間(1秒・1分・1時間)あたりに進む「道のり」なので、

速度は、「単位量」と言えます。

問題文Bを割り算のルールに当てはめると、

  • 分速 b mは1分あたりに進む道のりなので「単位量」に該当する

  • 時間は「個数」に該当し、道のりを「量」とみなすことが出来る

  • (時間)=(道のり)÷(速度)と導けるので、900÷b (分)となる

EX. ・400 kmの道のりを、車で平均時速 a kmで走るのにかかった時間・・・
  (400/a)時間
   ・消費税10 %の商品をb円で買ったときの、税抜き価格・・・
   b÷$${\frac {110}{100}}$$ = $${\frac{10}{11}b}$$(円)

足し算の使いどころ

キーワード:「合計」
ルール  :「同じ単位の量で足すこと」「結果も同じ単位であること」

とても当たり前のことですが。。

文字式を使うと、これらのことを忘れてしまう場合が多いものです。

足し算の使いどころとしては、

「〇〇と◇◇の合計」という意味の文章があった場合です。

同じ単位の量が2つ以上並列していれば、足し算を使う可能性があります。

それでは、足し算のルールに従って問題文Cの分析してみます。

  • 「ボールペンc本」の金額と「鉛筆d本」の金額をたして合計金額を出す

  • それぞれの金額は、「(単位量)✖(個数)=(量)」で出せる

  • よって合計金額は (90c + 80d)円となる


引き算の使いどころ

キーワード:「おつり」「のこり」「あまり」
ルール  :「(最初の量)ー(消費した量の合計)=(残量)」

同じ単位の量同士でしか引けないのは足し算でのルールと同じです。

文章題の問題分を見ていった中で、多かった場面は、

大きい量から、単位量分を何回かずつ減らしていく」ものでした。

図解すれば以下ような感じでしょうか。

それでは、引き算のルールにのっとって、問題文Dを分析します。

  • 読む本の総ページ数は「e ページ」であるので、これが最初の量となる。

  • 「1日 10 ページずつf日間」が単位量✖個数に該当する。

  • 「読んだ」と言うことは、ページ数を減らしていったと考えていい。

  • 残量は、「e ページ」から消費した量「10f ページ」を引いた量となる。

EX. 入場料が、学生1人 a 円、大人1人 b 円とする。5000円を出して、学生2人と大人2人分の料金を払ったときのおつり・・・ {5000最初の量(2a+2b)消費した量}円


その他「公式」に従う問題文

代表的なのは、三角形の面積の公式でしょう。

(底辺)✖(高さ)÷2

また立方体の体積の公式も、私が解いた問題の中にありました。

(一辺の長さ)³

円周の長さも忘れてはいけません。円周率はπとします。

2 ✖(半径)✖ π

みんな大好き、円の面積の公式です。

(半径)² ✖ π

その1のまとめ

いかがだったでしょうか。今回は、ステージとして

1.文字を用いて1つの量を表せられるようになる

という所までの文章題を解いて、分析していきました。

解いていて気づいたのが、結局、図解ができるか否かで、

イメージのしやすさが、全然違ってくることに気が付きました。

しかし、文字を用いて1つの量を表せられるようになれば、

今度は、2つの量の比較から、等式不等式が立てられるようになります。

その2次回予告

次回は、等式と不等式を作るためのキーワードとルールを探っていきます。

本格的な立式のメソッドを体験しようと思います。

それでは失礼します。

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