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ep56 榎谷の悲劇⑤ (石碑を求めて)

結局辿り着けなかった場所


 ゴールデンウィーク後半の2024年5月4日。次の日は村境探索(河俣から牛廻山)への山行が控えていましたが、暖かく晴天でした。これは谷水に少々浸かっても大丈夫だろう!そう思ってep35で書き記した締め括りを行うべく、十津川入り際、山天集落から榎谷を進みました。

4回に渡って書き残したシリーズ
今回をラストにすべしと思っていたのですが。。。

結果は途中退散。
堰堤を越える事がどうしても出来ず、無理は禁物なので引き返して来ました。一人だったらもう少し進んだかも知れませんが、今回は相棒が一緒だったので諦めました。この日の記録を書き残したいと思います。

遅く到着した山天集落

この様に前回は次なる目標を立て終結しようと思っていました。

 橿原市からスタートの山天集落までは2時間程度です。前日まで仕事が忙しく、ほぼ準備が出来ていなかった為、家を出発するのが少々遅くなりました。

 よく考えるとこの日はゴールデンウィーク後半のスタートです。予想以上の混雑ぶりで、五條市本陣交差点は、国道168号線に向かって長蛇の列となっていました。

 ここ最近、記録的な円安による国内旅行の需要、インバウンドの増加。更に、国道169号線の崩土通行止めが影響し、紀伊半島南部へ移動するには国道168号線を使う人が一気に増えてしまった様です。結局3時間以上かかって山天集落に到着するのでした。

相棒

 今回も愛犬が一緒でした。家に置くこと出来ず、川渡りは抱っこで進んで行こうと思い連れて来たのですが、結局これが仇となります。

前回探索の様子(相棒も一緒ですが寒く川渡り不能の為撤退)

 土砂の影響で、最初は平らである河原も徐々に石が大きくなります。大きな石を越えられない相棒を抱きかかえ、更に川を何度も渡って奥へ進んでいきます。

 途中で堰堤があると伺っていました。話を聞いた時は、簡単に越えられるとの事でしたので、あまり気にせず進んで行きます。川が狭くなった場所にそこそこ大きな堰堤が現れました。

「これか!よし、ここからもう少しだな」

そう思って近付いてみると、道が有りません。この様な場所での堰堤は、砂防が目的です。比較的川幅の狭い両方が切り立った岩になっている場所に作られます。相棒がいるので少し堰堤を見上げながら思案しました。

かつては左側に道があった様です

 堰堤左側にかつて飯場か作業道があったのか、広い場所が見えました。足場が悪いので相棒を抱き抱え登ります。そのまま左斜面を巻こうとしますが、どうも斜面が急で、相棒を抱っこした状態では危険と判断。諦めて戻ります。

 右の斜面確認してみると獣道の様なものが見えます。近付くとやはり獣道です。ただ、堰堤を越える事が出来そうだったので無理矢理登ってみました。

 しかし、上り詰めた場所から下に下りる事は出来ず、上流に繋がりそうな獣道も危険な場所。渋々元に戻る事としました。

堰堤の右上。相棒を抱え辛うじて登るも、降りることが出来ず
水害の爪痕が各所で残る
石碑は本当に残っているのか不安になります

 足元はルナサンダルで十分ではありません。相棒に怪我をさせては後悔します。

「しまった。ナメていた。。。」
「今回は諦めよう!」

そう決心して撤退する事としました。

 学生達が遭難した当時、この様な堰堤は無く、大きな岩場であったと思われます。避難した山小屋から下流を目指した時は意を決したと思われます。

帰り道

 帰りは周辺を見ながらゆっくり戻る事としました。谷や川で見られる鳥も機嫌良く飛んでいます。この日は余った食材で弁当を作って来ていたので、途中で食べる事にしました。

 石に腰をかけて、新緑の中、水中を泳ぐアメノウオ(アマゴ)を見ながら食べるご飯は最高です。相棒にもおやつを。そう思ってザックの中を探しても見当たりません。どうやら車に忘れてしまった様です。相棒も頑張ったので普段は与えない白米を一緒に食べました。

 ご飯を食べて上機嫌になった相棒はグングンリードを引っ張ります。下流の広い場所で離してあげると嬉しそうに走っていました。

牛タン、卵焼き弁当
カワガラスがしきりにこちらを見ている
コチドリは神納川周辺で時々見る鳥
途中にあった炭窯に入る
喜びのダッシュ
自然の中が大好き。凛としますね

 今回の半分は散歩となってしまいましたが、またチャンスがあれば、この先にあるであろう石碑を見に行きたいと思っています。

 

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