見出し画像

ティンダー18人目/映像ディレクターの男

30代、歳下/映像ディレクター


ライン上ですごくノリが良かった。
彼のティンダーの写真は阿修羅像。
俺それにそっくりなんです、と。
笑ってしまった。

代官山の蔦谷で待ち合わせ。

ガタイがとても良く、イメージ通りの人だった。たしかに阿修羅像というか仏像系の顔立ちだった。


蔦谷の2階のカフェでお茶しましょう、
と2階に行く。よく仕事の打ち合わせでここ使うんですよ、と。

11時。オープンしたばかりでお客さんはまばらだった。ソファの席。その人は朝ごはんを、私はコーヒーを頼む。

その人はパソコンを持ち歩いてて、どんな映像を作ってるのか見せてもらう。よくテレビで流れてる車のCMだった。

彼は大手の広告会社に勤めてたけど、最近会社を作って独立したらしい。つまり社長。

仕事柄、女性慣れしてそうなその人はさり気なく私をタッチしてきて、セクハラ慣れしてない私は何となくそれを間に受けた。

下の階におりて、この人とも仕事した、この人とも仕事した、と飾ってある絵を見て言っていた。
私には知らない華やかな世界を生きている。

私が本を見てる間もずっと体のあちこちを触ってきた。

この後どうしよっか、と。
もう行くっきゃないのかな、とホテルにでも行きますか、となる。

小雨の中、傘をささずに恵比寿のホテル街に向かった。

私が服を脱いで、前戯に喘いでいる時、その人が
意外とイケるかも、とボソッと言ったのを聞き逃さなかった。

意外と、ってなんだよ。ナシかもとか思ってるなら、ホテルに誘うんじゃねーよ…

たしかに私は美人じゃない。


その人とは別日にもう一度会ってホテル直待ち合わせで2度目をして、
飽きられたのかそこで連絡は途絶えた。


絵に描いたようなヤリモクだった。

2021年6月ごろ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?