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ティンダー7人目/たろうさん②

多目的トイレとか下品な話が続いたので
話を変えよう。

スプーンさんと並ぶ、忘れられない男たろうさん。

たろうさんについてはエピソードがたくさんある。覚えてるエピソードをいくつか書こうと思う。

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"川がどうなってるか見て来る。"

リュックとか荷物を置いて、川べりの方へたろうさんは行ってしまった。

落ちないでよーと私が声をかける。

今私が川べりに行ったら間違いなく落ちてしまうだろう。

私は引っ越し早々に思わぬご近所トラブルに巻き込まれて、ストレスからメニエール病になってしまっていた。右耳を悪くした。

めまいがして気持ちわるい。

何度も吐きそう、と言いながらも

多摩川から、二子玉川まで川沿いを歩いて行ってみようか、となる。


9月の台風で、多摩川の土手に水が溢れて、
その水が引くと海岸みたいに砂が残った。
木々は根っこから倒れていた。

砂の上をシャリシャリと歩きながら進む。

お互いの初体験の話になる。

私の初めては今の旦那さんだった。

初めてした時は血は出なかったんだけど痛くて痛くて。2回目から少し気持ちいいと思えるようになった。

たろうさんは?

俺は高校の時。相手には彼氏がいた。
初めては部室でしたんだけど…
俺はいつも彼氏持ちの女の子からしかモテなくて2番手になる。

ふーん…

何か喋る事に笑い、冗談を言い合ってどつき、
はたから見たら普通のカップルだったろう。

私はクリスマスプレゼントを用意していた。

靴下。たろうさんが好きそうなオシャレなクリスマスカードを添えていた。

カードに好きだよ、とは書けずにメリークリスマス!とだけ書いた。

どうせこれもまた駅のホームのゴミ箱とかに捨てられるんだろうけど、と冗談を言いながら渡した。

川沿いを歩いてると異様な空間に出くわす。

ここ、公園だったんじゃない?

ブランコがあった所は土台ごと持っていかれ、
砂場だった所は砂がまったくなくなっていた。
深い窪み。

大量の水が根こそぎ公園を持って行ってしまったのだ。

立ち入り禁止のテープが貼られている。

その異様な光景に、たろうさんはカッコいい、ヤバいと言いながらバシャバシャ写真を撮っていった。

その時の写真、あるはずなんだけど
今見返してもなかった。

たろうさんがうつってるものはほぼ削除してしまったからだ。



夕方になる。

歩いて二子玉川行きたかったけど、もう時間だ。あともうちょっとだったんだけど。

バスに乗って帰る事にする。

今日はエロい事もしなかった。

バスのなかで何か喋ったんだけど、モヤがかかって思い出せない。

二子玉川駅に着くと、たろうさんは田園都市線に乗って帰っていった。










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