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断髪小説「鏡が見た光景~春のイメチェン~」

今作は"美容室の鏡を擬人化"してみました。鏡が見た美容室の1日を描きます。

<登場人物>
私(ある美容室の鏡)

※小説内に登場する人物や出来事はフィクションです

私はある美容室に置かれている鏡
これまで数多くのお客さんの髪が切られていく様子を一番近くで見てきた。

お客さんが髪を切る理由、
髪を切られていく時の表情、
美容師との会話などなど…

私が置かれている美容室は1人の美容師と1人のアシスタントの個人経営のお店だ。地域密着の美容室でほとんどのお客さんは近所の人。年齢層も幅広く親子2代にわたって通っている人もいる。

ある朝、美容師が出勤してきた。
今日はどんなお客さんが来るのだろうか。

美容師はいつものようにフロアや椅子を掃除して、鏡を拭いて開店準備を進めていく。

いつもの日常だ

ガラス張りの窓からは朝日が差し込んでさわやかな朝である。

季節は春、
この時期は職場や学校など環境が変わる人も多くイメチェンも多い。

私はそんな人々のイメチェンをここで見守ってきた。

アシスタントが出勤する。

「おはようございます!」
「おはよう!」

今日もこの美容室の一日がはじまる。

美容師・アシスタント
「いらっしゃいませ!」

本日最初の予約客が来店した。

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3,167字

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