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深海

換気扇の音がうるさく聞こえるくらいの静かな部屋に激しい鼓動が鳴っている。

私の鼓動、波打つ命のリズム、だけど誰にも聞こえない。私だけが聞こえる音
私の炎、蒼い優しい灯り
火傷してしまうほど熱いよ。
赤い炎とは違うんだよ、触れない方がいいよ

あなたたちを懐かしみ恋しく思う。
私は21歳になった。
どこにいるの?何しているの?幸せですか?

歳を重ねる度複雑になっていく。
分からなくなって遠くへ行きたくなる。
思い出が増える度に胸が苦しくなる。
小説の一ページずつに刻まれる刹那
断片ばかりで繋がらない。
あなたたちにとって私は何者なの?
私を1冊の本にして欲しい。
私を忘れないでほしい。
私の形を残せるものが欲しい。

私は私を探している。
一緒に見つけて欲しい、そして私に愛というものを囁いて。

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