初めての恋は勿忘草
初恋とは、その人にとって生まれて初めての恋。
初恋が叶う者、初恋を得て恋愛を学ぶ者、三者三様である。
初恋をしたのは小学校低学年の頃だ…
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?:〇〇くんはもうがっこうなれた?
〇:まだ、ぜんぜん、、『だっちょ』はどうなの?
だっちょ、フルネームは与田祐希。〇〇とは幼稚園からの幼なじみでもある1人。
〇〇はとにかく幼稚園生のころは泣き虫だったそう。そんな中〇〇と仲良く遊んでいたのがだっちょだとかなんだとか…
与:でも〇〇くんはたくさんクラスのおもとだちとおはなししてるじゃん!
〇:ボクからはなしかけにいってるわけじゃないし、、きてくれるから、、
与:なにそのにんきものみたいないいかた!!
〇:そ、、そんなわけじゃ、、
〇〇と与田は1年生から同じクラスでよく教室でも話し、帰り道別れ際まだ話している。
〇〇にとっては与田は大切な存在。
そんなある日。〇〇は与田へ好きという感情を覚える。理由はわからない。幼なじみへの恋とはこういうものなのだろうか。
与田は学年でもトップクラスに入るような容姿、男女ともに可愛がられ、与田と女子友達が「祐希ちゃんかわいい〜!」などの会話も多々耳に入ってきていた。
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与田に〇〇の好意を伝えれないまま月日は流れ小学5年生へ…
~下校中~
与:〇〇くん知ってる?綾から聞いたんだけど…
吉田綾乃クリスティー、通称『綾』。〇〇と与田と同じように幼なじみで幼少期の頃から3人で遊ぶほど仲が良い。
与:××は△△ちゃんのことが好きなんだって!
〇:えっ?!あの××好きな子居たんだ……
与:なにやら△△ちゃんも××のこと好きらしいよ!
〇:ということは…両思いってやつ、、?
与:そうなるね〜!
このころ小学生5年目にして初めてクラスが分かれたが休み時間や下校中に話すことは変わらなかった。
下校中に2人で恋バナをするのが習慣になっていた。
〇:あの2人接点なさそうだったのに、、
与:たしかにね、でも〇〇くんは好きな人居ないの?
ボクはドキッとした。好きな人に好きな人だれと聞かれるとさすがに内心焦ってしまう
〇:い、いないよ?
与:ちぇ〜、、つまんないの〜
〇:そんなだっちょは居ないのですかい?
与:それが居ないのですぞの〜
今ここで、『だっちょのことが好き』なんて伝えれたらいいのにな…
でも、ボクにはそれを伝える勇気がない…
幼なじみとこうしてバカしてだけでも幸せなのかもしれない…
〇:でもだっちょ男子から告白たくさんされてるじゃん?
与:まぁ…されてはいるけど別に付き合ってるわけじゃないよ?
“付き合ってるわけ”その一言を聞いてホッとした自分がいる。。
告白されている→告白を断る→そんな中2人っきりで話している→もしかしてボクのことが…?
男はなんて単純な生き物なんだと痛感する。
与:〇〇くんもたくさん女子と話してるんだし好きって思ってる子がいるかもよ〜?
〇:う〜ん、、それはないかなぁ。。
与:なんでよ!!
〇:友達以上からの関係には進めないってことが多いからかな…
与:わたしはそんなことないとは思うけどなぁ…?
なぜこの幼なじみはこんなボクに優しく接してくれているんだ…勘違いしてしまうだろ…
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〇〇は結局与田に好意を伝えれず小学校を卒業…
幸いにもウチの学校は小学校から縦上がり式で中学校へ入学ということもあり、顔馴染みの友達がたくさんいる。
〇〇、与田、吉田も中学入試をしなかったので同じ中学校で3年間学ぶことに。
吉:3人とも同じクラスになれたらいいね!
与:ねっ!この3人と一緒だったら安心だよ!
〇:一緒かな〜ちょっと見てくる
ドキドキしながらクラス表を見に行く。初恋の人と同じクラスでありますようにと願いながら向かう。
ハッ!…だっちょと同じクラスだ…!しかも綾も居るし最高なのかもしれない、、!
だっちょが居ると言うことはチャンスだ…!
〇:だっちょと綾〜!3人とも同じクラスだったよ!
与:ほんと?!
吉:中学生一発目勝ちじゃん!
〇:2人とも1年間よろしくね!
与 吉:よろしく〜!
3人は舞い上がったテンションのまま入学式を終え、いざ教室へ。
担:え〜今日から1年間みなさんの担任をします。吉田です。
与:綾と同じ苗字じゃん 笑
〇:たしかに…笑
与:違うのは性別だけかぁ〜笑
吉:なに、2人こっち見て笑ってるのよ…!ちゃんと話聞きなさい…ボソッ))
担:まずは自己紹介からしよっか。じゃあ一番の子から前でおねがいね!
え〜、、学校出身の…
順調に自己紹介が進み…
担:次、松尾 □□くん。
松尾 □□です!スポーツが大好きで特に野球をするのが好きです!部活も野球部に入ろうと思ってます!1年間よろしくおねがいします!
吉:ねぇ…ちょっと顔良くない…?
与:たしかに整った顔してる子だね…
担:次、矢久保 〇〇くん。
〇:え…えっと、矢久保 〇〇です…ボクには4つ上の姉がいて…姉とは仲良しです…!部活はまだ決めてません、、1年間よろしくおねがいします。。
緊張でうまく話せなかった〇〇が席に戻り
与:〇〇くんなんでお姉ちゃんとなかよしって言ったの?笑
吉:そこおもしろかった笑
〇:う、うるさい…!焦って咄嗟に出たんだよ…2人も絶対その気持ちあとでわかるからな!
〇〇から順番が進み、いよいよ吉田の番に。
吉:吉田綾乃クリスティーです!名前にクリスティーと入ってますが別にハーフではありません!1年間よろしくおねがいしま〜す!
クラスから『かわいい〜』『あの子彼女だったら…』などの声が上がっている
与:綾ザックリしてたけどうまかったね〜
〇:たしかに…ボクよりうまかった…
吉:こういうのはノリでイイんだよ〜
そして最後は与田の番。
与:与田祐希です!ウチではペットをたくさん飼ってます!大好きなペットはポメラニアンのもちおです!1年間よろしく〜!
『吉田さんに続いてかわいい!』『守りたくなる容姿!』とクラス中大絶賛だ
〇:だっちょもボクとかわんないじゃん!
与:いいえ〜ちがいます〜
吉:2人とも声おっきい…!!
〇:自己紹介でもちおのこと言うの意味わかんないじゃん…!
与:はぁ〜?!もちおかわいいからしょうがないじゃん!!
〇:いや、まぁかわいいけど…
〇〇と与田が言い合いしていると目の席の松尾 □□くんがコッチを向いて
□:3人は小学校同じ学校だったの?
与:う、うん!
吉:幼稚園からいっしょだよ〜
□:随分と仲良しさんなわけだ!オレ□□!よかったら仲良くしてよ!
与:もちろん!
〇:みんな席近いし仲良くしよ!
入学初日から新たに松尾 □□くんが加わり4人になった。
ただ、〇〇は松尾□□にある不信感を抱いていた。
〇:(綾とだっちょ目的で近づいてきたのか…?)
直感だがそう感じたのだ。
男なんて『かわいい』『付き合いたい』と言われていた女の子に近づきたいに決まっている。
これはボクの勘違いかのしれないしただの直感だ。
そう思い込ませ、1日が終わった。
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中学生になり、5ヶ月が経ち、吉田と〇〇がある話をしていた。
吉:最近思ったんだけど、祐希と□□距離近くない?主に□□だけどね
〇:それはボクも感じてた…だっちょもう結構の数告白されてるみたいだし…
吉:それになにやら□□は他の女子から人気らしいね
〇:そうなの…?
吉:らしいよ〜『身長高いしイケメン〜』って言われてるらしいし?吉田はそんなこと思わないけど
〇:□□…そんなに人気だったんだ…だっちょももしかしたら…
吉:どうだろうね〜?祐希は〇〇のこと好きだと思うけどな〜だって〇〇もすきでしょ?
〇:す、、好きだけど…
綾には小学生の頃からだっちょのことが好きだとバレている…唯一話せる相手だ。
吉:吉田は両片思いだと思ってるよ〜?お互い好きだけど言い出せないって関係?
勇気が出ていたらなんて何年も思っている…それがいつになっても出ないんだ…関係が壊れるかもそれないと言う恐怖心とともに…
吉:ま、いつかは〇〇からいいなよ〜
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いつも通り学校生活を送っていると驚く情報が耳に入ってきた。
『与田ちゃんと□□くん付き合ったんだって!』
聞いた瞬間何かが崩れる音がした。
あぁ…初恋…終わったんだ。
長かったなぁ…何年想い続けたんだろう…
□□は独占欲が強かったため休み時間など少しの時間でも与田の近くに居た
この日からパタリとだっちょに話しかけるようなことはなかった。
綾には『ケンカしたの?』と心配させてしまったが、『そういうのじゃないよ』と言った
だっちょと偶然放課後に会い、少し話すぐらい。。
その少しの時間がどれだけ幸せか身に沁みる。。。
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世間のニュースは新型コロナウイルスで話題が持ち切り…
2年生に進学したのにコロナウイルスの影響で学校は休校に。
家に居る期間もどれだけ思い出を読みがれらせたか…
過去の意味のないメッセージなどを見返し、脳裏に焼きついている帰り道での恋バナ…
大好きなあなたに伝えることのできない想い…
あなたには幸せになってほしい…これがボクの今の思いでもあるが…
“私を忘れないで”
fin
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