ベートーヴェンの第九

日本では年末によく流れるが、殊欧州に至っては年がら年中聴けるこの曲なのだが、以前から所持していたヴィルヘルム・フルトヴェングラーの1951年(和暦昭和26年)EMIのバイロイトのCDともう一つのレコードされた「第九」の2種類存在していると知りEMIと別の録音された(オルフェオレーベル盤)CDを中古CD店から買い、聴き比べ。EMIの方はどちらかと言えば音か若干こもりがち。それともう一つのオルフェオレーベル盤は録音されたものは両方ともモノラル録音であるにも拘らず、迫力で「攻めの第九」と思える。「攻めの第九」では完全ステレオのヘルベルト・フォン・カラヤンの同時期(1951年でステレオ)に録音された「第九」もまた同じ、どちらかと言えばフルトヴェングラーの方は第四楽章の851小節で「大巻き」でジャカジャカだが(戦時中のフルトヴェングラーの方はそれよりもかなりジャカジャカと言うか「巻き」がガチャガチャだけど)、カラヤンの方は終始マイペースの落ち着いた感じかつ合唱の声の若さからかなりの「攻めの第九」と拮抗する。どちらも甲乙付け難い位秀逸した作品である事には間違いないと思っている。フルトヴェングラーの方は開演直前に演奏者に指示を与えているのが丸聞こえと足音が丸聞こえ。実はカラヤン側もリハーサルの盤を偶然購入しており、カラヤン自身喋りはドイツ語だが「ここをこうして」と指導している。今や両雄も鬼籍入りしてるが。EMI盤とオルフェオ盤、どちらが本番でどちらがゲネプロ(通し稽古所謂リハーサル)なのかと議論が起こっている。
因みにPCに読み込ませ、音声分析ソフトで解析、それを暇を持て余すスマホの中に挿入されてるmicroSDに収めている。(日頃暗い話ばかりで偶にはこういう話も書いておかないと)
                   2024年2月10日
                   坂本豆廼丞筆

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