見出し画像

10.花と土

何かと「土になりたい」と不穏なことを言うことがあります。
これはあれです、その人がその人らしい花を咲かせる時、私はただの土の一粒であり、花に不可欠な水でもなければ、花を育てた人間でもなんでもないと思っておきたいというか、もっと突っ込んで言えば、「そういうことをわかっているんだよ」と自分の無害さをアピールしたいだけというアレな感じです。

こういう体験ある人いる?
みんなあるよなぁ!?!(雑巻き込み)

こう、誰しも大なり小なり経験があると思うんですが、自分が何らかのアウトプット的な何かをした際に、
「私はとてもあなたのようには出来ない」
「あなたの凄さに比べたら、私は本当に駄目で恥ずかしい」

みたいなご意見をいただくことってありません?
ありますよね。私はあります。
あと逆に、人様に言うこともあります。
すみません。

私は二次創作系オタク時代、
「鼻毛石さんの文章を読むと、自分の文章が下手すぎて何も書きたくなくなる」
的なご意見を頂戴して、真剣にビビってしまったことがあります。

私のせいで!?????!!!!!??
筆を折る!!!!!???????!!!?!

今なら「そんなそんなご謙遜を……☺️」で済ませられますが(※嘘、今でも多分同じことあったらビビる)、私も当時若かったので、強めにガガーンと響きました。

とはいえ、私自身も「あの人に比べて私はなんて駄目なんだ……」と色んなことでウジウジすること多数なので、こうした気持ちを言葉にしちゃう気持ちもめちゃくちゃわかりますし、こういう気持ちや言葉を無理に止めるべきじゃないだろうなと思ってます。

しかし!しかし!!!私が何かとオンリーワンにハマるタイプの二次創作系オタクだったが故に、実際マジで「この人が書いてるなら、私の駄文なんてこの世に必要ない」と筆折っちゃった人がいるので、ガチ目のショックをジリジリと受け続けてました。
(オンリーワン系オタクならわかっていただけると思うこのショック)

勝ち負けのある世界ならそれなりに覚悟を持って挑めるかと思いますが、別に勝ち負けのないところで誰かを萎縮させてしまうと、
「誰かを傷つけてまで凄くなんてなりたくない!!」
「人を踏みつけるような凄さなんていらない!!!」

と、どうしたらいいのかわからなくなりがちでした。

その結果、私がよく言うようになったのが、
『土になりたい』です。

「あなたのお陰でハマりました」
「あなたのお陰で目覚めました」
みたいな言葉にエヘヘと照れそうになるたびに、違うんです違うんです、あなたが言う美しさに気がついた美しい心は、あなたの中に種としてあったんです。私はそれが力強く芽吹くキッカケの要素のささやかなひと欠片、一粒の土でしかないんです、と必死に自分に言い聞かせてました。(難儀)

実際別に私が凄いというわけではないため、本心からそう思う気持ちも強くありましたが、やはり冒頭の通り「私は人を脅かしたりしません」と、自分に言い聞かせることで、ただ安心したいだけだった所もデカかったんだろうなと、今にして思います。

最近、『自問自答ファッション』を学んでいるうちに、「一人一人がその人の人生の主役である」ということをめちゃくちゃ自然に、かつ強く実感することができました。

「その人が、その人の人生の主役である」

これを当たり前のものとして感じられるようになると、ストーンと、「私は他人を脅かしているのではないか?」という不安が減っていきました。

誰かが感じる不安も、その人のもの。
嫉妬からくる悲しみも、その人のもの。
その人だけの、大切なもの。

そう思えるようになってくると、私がオロオロしながら「何とかしてあげなくちゃ」となっていたことは、何だかとても失礼だったなと思います。

私が思っていた「誰かを脅かしたくない」と言う気持ちは、ある意味、私自身が自分の人生の主役になろうとしてなかったからこそ、感じていた怯えのような気が今はしています。

今後はビビらず、遠慮せず、でも変に傲慢にならないように、自分がやりたいことをドンドンやっていきたいなと思いました。

でもそれはそれとして、「あなたが書くなら私が書く必要はない」みたいな言葉はそりゃつらいよなと過去の自分をギュッと抱きしめました。
いや!!!!!仕方ないとはいえ!!!!!その人の意志だとはいえ!!!!!!!!
つらいもんはつらいよな!!!!!!!!!


『一人一人が主人公!』という最高な実感を得られる自問自答ファッションについてはぜひこちらから!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?