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24.それでは聴いてください!『ツトム海峡 鼻景色』!!

自問自答ファッションでは、大きなお買い物をするとき「演歌を歌う」と表現しているのですが、みんなこぶし握りまくりですごく面白かったです。

100人の「演歌歌手」が集まった…!自問自答ガールズオフ会2023🔥
|自問自答あきやの日記🦫

大きなお買い物をすることを「演歌を歌う」と表現すること、とても素敵ですよね……(うっとり)

「高価なバッグを買う方」は、だいたい心で「演歌」を歌っています。

「東京の生活に疲れ果てて故郷に帰ります。」それでは聞いてください「津軽海峡冬景色」なんですよ。心に大きなストーリーを抱えています。✊(こぶし)を握っています。

ブランドバッグは“演歌“である👜
|自問自答ファッション通信|あきや あさみ

ここで注意して欲しいのは、この方々は「絶望、失望、悲しみを埋める代償行為」で買っているわけではありません。

こんな悲しいことがあった!受け止められない!
これからの人生を楽しく生き抜くためにいいバッグ買っちゃお✌️

という実はネガティブの裏にある「超絶ポジティブな気持ち」が作用しているのです。そして自分で覚悟を決めて買った方々は「いや〜正直しんどかったけど、バッグは最高!うきうき!」という気持ちになっています。

ブランドバッグは“演歌“である👜
|自問自答ファッション通信|あきや あさみ

良い……。

演歌って、500億種類あんねん(多分)

この記事を初めて読んだ時は、私はまだファッション云々が苦手……というか、敵対視して、とっても嫌な感じの偏見を強く持っている頃でした。
なので、「みんなそれぞれ大きな感情や、これまでの時間を持っている」とユーモアと大らかさを持って、誰一人踏みつけにしないように丁寧に書かれた文章は、凄く胸にグッときました。

そのせいか、私にとって『演歌』というワードは、ともすれば平面的に捉えてしまいがちな他者を、背景のある立体的な存在だと理解するための言葉として掴んでいました。

カバンを買った時、「私は生きる方に舵を切った」と実感してバスの中でぼろぼろ泣いた、という体験は、『もう演歌の歌詞にしてくれ』という感じなんですが、それでもなんか、先日のあきやあさみさんの日記の『100人の「演歌歌手」が集まった』というタイトルを見て、「そっか!私も演歌歌手か!」とようやく納得するような感じがありました。
なんとなく、自分事にしてなかったというか、なんというか……。

先日、お仕事中、唐突にメチョ……と心が折れるようなことがありました。
頑張って頑張って、ようやく人並みになれると突きつけられたような気持ちでした。
でも、こんなに必死になっても、全然報われない。
これが一過性の悲劇的な感情だともわかってる。
けれど、こんなことでこんなに感情的になって、今後もっと忙しくなるだろうに、大丈夫なんだろうか?
今後、私は生きていけるんだろうか?

いろんな感情でウーーーーーッ!!となった結果、休憩中に、ポールスミスのカーディガンを通販で買いました。(?)

以前、勇気を出してポールスミスの店舗に入り、サイトで一目惚れをしたものを見つけて、実際着てみて、「わーーーーー!!!好きーーーーー!!!」となったけど、価格帯にビビってしまい、「検討させていただきます!」とご挨拶をしてピャッ!と逃げ帰った。そんなカーディガンです。

ここ数日、ちょっと大きな収入があったので
「何か大きなお買い物をしようかな!?」
とウキウキしては、
「でも、勢いとか、なんか記念的な気分でした買い物は、絶対未来の自分が後悔する」
とブレーキをかけ、
「仕事の環境が変わる時だからこそ、何か大きな買い物をすれば良い方向に変われるなんて思わないこと。浮かれることなく、堅実に対応していかなきゃ」
とサイドブレーキを引いたりしてました。

そんな中で、未来への不安や恐怖が頂点に達したような時に、あえて、私的にビビる価格のカーディガンを通販で買いました。
これから大丈夫なんだろうか?
今後のことも考えて、堅実にしないと。
そんな心の声に、「うるせーーー!!!」と怒鳴り返すでもなく、「しらねーーーーー!!!」と耳を塞ぐでもなく、グッとファイナルファンタジーのポーズをしながら「私は今後もいい感じに生きてやる。だから、色んな挑戦させてくれ」と凄むような、そんな気持ちでした。

私のこれまでの大きな出費は、「滅びのための投資」と自分で思うくらい、生きることに繋がっていませんでした。
『清水の舞台から飛び降りる』という比喩が比喩でなく、本当に飛び降りるような心地。
自分を奈落へ放り込む心地を笑い飛ばすことで、自分の人生が自分のものでない感じへの鬱憤や、様々なことと向き合う恐怖を和らげていた気がします。

でも、今回は、そんな自分を痛めつけるような出費でなく、「生きるために色んな挑戦をさせてくれ」と、失敗しようが成功しようが、絶対に今後に繋げていくのだと、未来の自分と喧嘩をせずに、一緒に手を取るような出費をいたしました。
しかも、『命綱をつけて清水の舞台から飛び降りる』という感じです。
通販で買った、と言っても、即決ではなく『返品可』の通販サイトにお願いしました。
ひとまず落ち着いてしっかり試着してみるつもりです。
でも、一旦でも、自分の着るもののためにこれだけのお金を払うというのは、私にとって物凄い体験です。

後日、カーディガンが届いて、良い形で『清水の舞台から飛び降りる』心地を経験するのか、それとも一旦返品して、別の舞台を探すのかはわかりません。
実際にお金を払ったというわけではありませんが、未来に怯えてどんどん萎縮していく自分に、ファイナルファンタジーのポーズで「私に挑戦をさせろ」と凄んだ心地は、凄く凄く思いの籠もった、私なりの演歌だったなあと思います。

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