見出し画像

【バーナム 人心操作の修辞学】1836年2月27日新聞(続)

<もう一つのホラ話>
昨日の『ザ・サン』に掲載された『ジョイス・ヘスの解剖』の記事は、最初から最後まで完全なデマに他ならない。ジョイス・ヘスは死んでいない。確かな情報筋によれば、少なくとも先の水曜日には、彼女はコネチカット州のヘブロンに住んでいたことを確認できている。バークレー・ストリートのロジャーズ医師と医療関係者が解剖したのは、黒人居住地区のクラーク氏所有の小さな家に長年住んでいた老女『ネリーおばさん』の遺体である。ロジャーズ医師の検死と同僚のロック博士の記録によればヘスは八十歳に過ぎなかった。ネリーおばさんは生前、身体の衰えを訴えていたが、それ以外は元気だった。しかし、この冬は身体には厳しく、数日前に息を引き取った。
『ニューヨーク・ヘラルド』一八三六年二月二十七日号

出典:Newyork Herald Feb.27,1836

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?