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東風解凍(とうふうこおりとかす)

お腹をこわす…1日やすむ。

「菅原伝授手習鑑」は、人気の歌舞伎演目で
通しとなると長い長いお話なので、一幕として見せることが多い。学問の神様と言われている菅原道真が主人公だが道真に仕える3人の兄弟が最後まで関わっているので上演回数も兄弟が出る場面の方がおおい。
長男が梅王丸、次男が松王丸、三男が桜丸
日本人には馴染みある名が付いている。父親は右大臣道真に仕えているのに、松王丸だけが敵方になる左大臣に仕えるのはなぜか?というところは余り分からないままに進むが、、
それが最後の段になって覆される。
「寺小屋」といえば聞いたことがあるかもしれない。道真の子供を守るために松王丸の子供が身代わりになるという主従関係の究極が演じられる場面。松王丸を演じられる役者さんの上手さもあって息を止めて見入ってしまう。何度みてもそうなってしまう。主の道真は左遷され不遇な最後となるが、学問の神様として祀られることで今でも生き続けているような錯覚を覚えたりもする。何が正義かというよりは抗えないことに屈したとしても
自らの個性を全うすることに真実があるようにもおもえる。

「東風吹かば匂いおこせよ梅の花
あるじなしとも春をわすれじ」





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