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俳優祭

じしんはとつぜん来る。

歌舞伎には数年に一回、それも1日だけ
ファン感謝デーのようなお祭りがある。1日なのでチケット即完売となる大人気のイベントなのだ。昨年コロナ禍で7年ぶりに、立て直しのため閉館する国立劇場で開催された。
以前に数回チケット入手ができ経験したことはとても懐かしい。もう鬼籍に入られた俳優さんが多くて寂しさもあるが…年を重ねられてもお元気な方もいらっしゃるので頼もしくかんじたりもしている。先代團十郎さん、勘三郎さん、三津五郎さんがお元気なときだった。俳優祭では各々の俳優さんがお店を出してお客さんとふれあう場を設けていたので
並ぶ列のおおさで人気役者が分かるという
ことでもあった。成田屋親子の握り寿司、
当代仁左衛門さん、現幸四郎さん(元染五郎)、三津五郎さんのおでん屋さんでいただけたことも良い思い出になっている。
三津五郎さんは俳優祭の実行委員長をなさっていて、ご病気が発覚してからも闘病しながら最後まで情熱をそそいでいた一片を
俳優祭において垣間見ている。それはもう
終末期に入られていたと後で分かるのだが
実行委員長の役目はお客さんに安全に過ごしてもらうための注意事項をちゃんと伝えなければならない。客はご贔屓の役者さんとこへ一目散に駆け出すので…まじに語調がつよかった!そしてそれが三津五郎さんとのお別れとなったので…役者魂としか言いようがない。
楽しい夢のような俳優祭での興奮度は
なかなか経験できない異次元へのお誘いのようでもあったとつくづくかんじている。

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