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百香果2023

新幹線や特急で販売していた
ワゴンサービスが無くなるという。
乗り物を頻繁に利用していた訳ではないが
人生が長いので、冠婚葬祭はじめ観光などで乗車したときには必ず座席にすわって一段落した際に来るワゴンを待っていた。
かならずホットコーヒーなのも、そのワゴンに備えられている押すだけポット魔法瓶?
から注がれるコーヒーが飲みたいからだ。
お弁当、お土産もの、手軽なお菓子、おツマミ、缶ビールなどなどぎっしり積まれた
ミニキヨスクには旅を彩るワクワクがあった。アイスクリームが登場したときには
高級感が漂って上質な旅へと誘ってくれたりもした。小綺麗にしているワゴンお姉さんがいることで、子どもたちの緊張もとけていたように思う。なにかとても残念なことのようでならない…車窓を眺めることも少なくなってることだろうし、同席した見知らぬ人との
ちょっとした会話すらもないかもしれない。
旅は道連れとはずいぶん遠い昔のはなしなのである。ずいぶん遠い昔から思い出したが
師走の大晦日近くに里帰りしたときには、
出稼ぎの人たちが多かった時代で、田舎に帰る一心で通路に座りながらも家族に会えることだけを思う空気が車両を埋め尽くしていた。学生時代だったが、見えないところで社会を作ってる人たちの強さを見た感じがして
ずっと心の奥に残っている。

きょうは
数年前からこの時期に穫れる
パッションフルーツがとどいた。
南房総館山でサーフィンしながら
なにもないところからはじめた青年の
志しも気持ちがよい。
名のとおり香りが秀逸でひと晩かぐという
ことが楽しみのひとつになっている。




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