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幻想じじじじじじじじじじ(幻想潰し1:始発列車乗車かつ散歩編)

 始発電車に乗りたい。
 大学生になってから、始発電車に乗るということが、小さな私の夢となっていた。
 始発というのはなんだか良い響きがする。幻想感がある。終電はあまり希望があるイメージはしないが、(疲れ切ってくたくたの人が乗っているイメージ)始発というのはロマンがある。最寄りの名古屋大学駅では、朝5時台に電車が出発するのだ。朝5時台。基本的に私はそんな時間に起きないので、この時間の外の景色というものをほとんど知らない。どんな人々が駅を利用しているのか、どんな光景なのか想像もつかない。おまけに、冬であればまだ日は昇っておらず、全然暗い。地上を走る列車なら、朝日が昇る光景を見ることができる。まあ感動する光景だ。そういうことからも、朝というのはなんとなく期待に満ち溢れた時間である。

 その日はたまたま眠ることができず夜通し起きていたので、最寄りの地下鉄駅から始発列車に乗ってみることにした。
……と言いたいところだが、準備などをしていたらなんだかんだ遅れてしまい、始発の次の列車に乗ることにした。

 駅に着いた時、ふとエスカレーターが目に入った。

 昇り専用エスカレーターか……

 えいっ

 エスカレーターに乗ろうとする私。鳴り響くブザー音、そして動き出すエスカレーター。

 一気に犯罪者の気分である。何も悪い事していないのに。

そのままいつのまにやら綺麗になっていた自販機を横目に改札を通った。

 ホームにはそれなりに人がいた。ちょっと、というかかなり期待外れだった。人は少ない方がいいだろう。どう考えても。

 本当は名城線をぐるっと一回りしようかとも思っていたのだが、ホームを見てみたらあまりにも普通の人たち(学生とか、普通の格好をした人とか)しかおらず、その上に人の数も多く、先ほどまで抱いていた始発列車へのロマンがまたたくまに消え失せた。せっかくだから名駅までいって地元に向かう列車にでも乗り換えようかと思ったのだがそれも面倒くさく、名古屋大学駅から本山で乗換、本山から覚王山まで行った。

 せっかくなので、覚王山池下間を歩いた。

無国籍とは多国籍の反対なのだ
鳩ぽっぽは至る所に生息している。屋根が特に好きなようだ。
可愛い。右の子は外来種だろうか。
覚王山の参道
お宮参りだ

 他にも、おはぎの店とか、バーとか、色々あった。歩いていて思ったのは、覚王山付近は面白いお店が多くて、池下は面白いお店があまりない。

 ミニストップでお菓子とゴキジェットを買い、そのあと100円ローソンでチンゲン菜とおにぎりを買った。

 歩いていると、お日さまが暖かいのに気が付いた。

あたたかい

 お日さまの偉大さを感じる。お日様はよくよく考えたら敬称が付いている。

 幻想が一つ潰えたので終わり。

 幻想じじじじじじじじじじ

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