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ドーナドーナ感想

アリスソフトのドーナドーナをクリアしたので、自身の忘備録を兼ねて少し記録。エロゲの類は今まで大体50本くらいやってそうですが、アリスソフトの作品はこれが初プレイ。

雑評価 90点

期待以上に面白かった。独特の世界感を持ちながら、RPGとしてもエロゲとしても楽しめる良作。倫理の欠如にさほど抵抗がない人は楽しめるのではないか。下記項目ごとに詳しく記載。


〇シナリオ・世界観


舞台の亜総義市は巨大企業に牛耳られ、市民の大部分は思想的に洗脳されておりその自覚さえ無いというディストピア。さらには反乱分子(抗亜)による誘拐や売春が横行している。

この設定だけ聞くと素晴らしき日々〜不連続存在〜のような陰鬱とした重い世界観を連想するが、ドーナドーナは終始明るく、痛快な雰囲気さえ持っていた。恐らく作品全体のポップな色使いや、随所の言葉使い(例えば「ハルウリ」という言い方や、人材を処分した時の「お疲れ様でした!」のメッセージなど)が世界の設定自体が持つ悲壮感を上手いこと打ち消していたように思う。アジトでのイベントのSD絵も可愛い。また、いわゆるト書き(地の文)を使わず、文章を会話の構成している(エッチシーンは除く)。このことでシナリオのテンポを損なわないようになっているアリスの館というゲーム内のおまけコーナーで開発の方による裏話が公開されているのだが、そこでシナリオ担当のダイスころがしさんが明言していた。このような軽めの文体も作品が重くなりすぎないための工夫の一つという事なのだろう。主人公サイドが平然と拉致や売春の強要をするなど思想的には倫理観もクソもあったものじゃ無いのだが、グロ方面は意外とセーブされているのも印象的。僕自身別に血が好きなわけではないので、プレイの敷居が下がるという意味では助かった。作品のテーマ自体は真っ黒だが不思議とポジティブな雰囲気が同居している。非常に独特で面白い世界観だった。

ストーリーとしては支配体制に抗う王道系。最終盤こそやや駆け足で消化不良気味だったが、全体として見れば無駄な部分が少なく綺麗にまとまっていたように思う。キャラ面も設定が工夫されており、高水準だったように思う。メインキャラは勿論、サブキャラ・ユニークヒロインもきちんと作り込まれていて、雑な印象を受けなかった。個人的に品須はかなりいい味を出していたと思う。アンテナも表情豊かで可愛かったね。

品須の格言


ストーリー面であえてダメ出しをするなら、エンディングのルート分岐について。わざわざ分岐を作るにしてはややボリューム不足感がある。あと回収が面倒なので分岐点はもう少し後ろに設定してくれると助かる。



○RPG面

戦闘システムはシンプルなコマンドバトル。距離の概念があり、それを上手く使ってダメージを出したり、任意の人で攻撃を受けやすくしたりする。控えのメンバーとの交代にターンを消費せず、特に回数制限も無いので、色々なキャラをコロコロ使い回せて楽しい。キャラ毎にできることが限られている序盤の方が、色々と工夫の余地があって寧ろ戦略的だった気がするのは気のせいか。

全体的に難易度は比較的優しめだが、簡単すぎることは無いという程良いバランスを保っていたように思う。HPよりはどちらかというとMPの方がキツイ。フィールドに回復スポットが無いので、撤退不可のマップでは回復アイテムがほぼ必須。一応ゲーム内に日にちの概念があるが、クリアの日数制限は特に無い為、詰まったら基本的にレベル上げで解決できるのは○。

戦闘に関しては、「バフを掛けた状態で交代して控えに下げてもバフは消えない(ターンも消化しない)」という仕様に気がついてからは一気に楽になってしまった。

具体的にどういう事かと言うと‥

任意のアタッカー4人(自分は大体アンテナ・菊千代・クマ・キラキラにしていた)にそれぞれアイテムでバフをかけつつ順次控えに下げる→代わりに盤面に出したキャラを捨て駒気味に使いつつ、敵にデバフアイテムをかける→全てのデバフをかけ終わったら、控えに下げておいたバフ済みのアタッカーを盤面に戻す。→これで味方全体にバフと敵にデバフが同時にかかった状態でアタッカー4人が2ターン動ける状況が完成。ボルデージスキル×4+αで適当に削る。

この流れでラスボスも4ターンで沈んでしまう(手順工夫すれば3ターンでもいけそう)ので、基本ボス戦に困る事はない。単にレベル上げしすぎただけかもしれない。もっと楽な方法も全然ありそう。



キャラ毎のRPG的な性能格差は、そこそこ大きいように感じた。主観でざっくり番付けするなら…


アンテナ>菊千代・クマ>キラキラ>メディコ>ザッパ>>>虎太郎・ポルノ>>アリス>ジョーカー


体感こんな感じだろうか。
概ねキラキラ以上が強いキャラで、虎太郎以下が不遇くらいのイメージ。

他の方が書いた感想記事もいくつか目を通したが、アンテナ・クマ・菊千代あたりが強くて、アリス・ジョーカーが弱いのはわりかし共通認識のようだった。(単体スペックはポルノもだいぶ弱いよりな気がするが、素早さが高いので交代・アイテム要因としてなんだかんだ盤面に出る回数は多い)

アリスは敗北監禁妹化快楽堕ちイベントが退廃的でとってもえっちだったので、そっち方面で頑張ってもらいましょう。

後の4人の甲乙については結構プレイヤーの好みが出るかも?

敗北監禁妹化快楽堕ちイベント


〇ハルウリ

まず「ハルウリ」という呼び方のセンスが秀逸。シナリオ・世界感の項でもふれたが、このような言葉の選び方が非常に巧だと思う。ある程度コツをつかむまでが難しく、最初の方はあっさりと妊娠→メンタル崩壊→処分の流れになってしまった。ピル節約のため、予めエース人材(ユニークヒロイン)と、使い捨てと割り切る人材を決めておくのがいい気がする。顧客の選び方は、長い目で見るとインカムよりもプレゼントの方が重要。特に悪い特性を持っている顧客にエース人材をあてるのは避けるべし。自虐的や骨折などを押し付けられるとあっという間にメンブレしてしまう(衣縫、すまん…)。この手の顧客のスルー用にルックスDの人材が一人いると便利。

ハルウリ関連で気になった点がRPG面との連動性が低く、それぞれが独立してしまっている点。ハルウリで稼いだお金の使い道はと言うと、殆どがハルウリ用のアイテムか、そのアイテムの効果を増強する設備投資になる(一応戦闘用のアイテムや武器も買えるが、これらは安い為全買いしてもほぼ確実にお金が余る)。要はお金を稼ぐモチベーションがほぼハルウリしかなく、言い換えるならハルウリの為にハルウリをすることになってしまう。例えば武器のレシピをマップでのドロップではなくショップでの購入性にするとか、RPGの能力をあげる設備を作るとかすると、ハルウリとヒトカリを相互で進めるサイクルのようなものが構築できてより良かったかもしれない。

※一応ミストレスエンドに入るために2000万円必要になるらしいが、これは明らかにやりこみの類なのでお金を稼ぐためのインセンティブとしてはやや弱いか。僕自身面倒なのでミストレスエンドの回収はやらなかった。


○システム面

UIも全体的に使いやすく概ね不満は無かった。特に任意でシーンカットを設定できるのは、RPG的な攻略を中心に進めたいときには非常に助かった。各種ショートカットを細かく設定できるのも〇。1つだけで不満点をあげるとするなら、システム画面からロードができない点。ロードしたいときにはその都度アジトかタイトルに戻らなければならないのはやや面倒ではあった。セーブはともかくロードはアジト以外の任意の場所でできるようにしても、それほどゲーム性を損なうことは無かったのではないか。


〇エッチシーン

様々なシチュエーションがあり、実用性も高いと思われる。いちゃらぶエッチから売春、敗北凌辱、わからせ、調教、果てはおねしょたまで幅広いジャンルを完備。きっとあなたの好みのものあるはず。ボリュームも十分で、クリア後にシーン回想欄を見てみたら穴だらけで驚いた。個人的にはナユタのヒロインよりもユニークヒロインの方が何倍もえっちだったと思うんだけどどうだろうか。

特にぐっときたのが…


吸乳手コキ?

これとか…

担任教諭の特別課外授業

この辺。

公式の人気投票でもこの2人はそれぞれ2位と3位(ナユタヒロイン以外部門)につけていて、恐らく上記のシーンが大きく寄与したと思われる。なんというかこの手の自分の感性はかなり普遍的だよなぁとかどうでもいいことを思った。


件の人気投票はアリスソフトの公式ブログから確認できます。参考までに。


あと衣縫がお約束のようにめちゃくちゃにされた後、世界に絶望したのもたまらんという感じだった。



そんなわけでドーナドーナ大変楽しゅうございました。
書きたいことは大体書けたし、書くの飽きてきたので終わり。














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