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BLUE REFLECTION TIE/帝 プレイ雑感

BLUE REFLECTION TIE/帝をプレイ→クリアしたので、忘備録として雑感をメモ。難易度はノーマルでプレイ時間は25時間ちょい。ちなみに幻(前作)は未プレイで、澪(アニメ)も未履修なので、シリーズほぼ完前初見と言っていい状態でプレイした。

以下ネタバレあり。


○メインストーリー

心理描写や人間関係が丁寧に描かれていたのが印象的で、ほどほどに謎もあり全体的に面白かった。基本的に学校開発で記憶想起→ココロトープ攻略の繰り返しなのだが、トープ内で分かる過去の記憶や、それを経て今どういう人間になっているのかがキャラクター毎にキチンと描かれていたので飽きずに進められた。個人的には伶那・勇希のトープがお気に入りで、2人のココロトープに同じ海岸の景色が出てくるのが印象的だった。アホの子は嘘つきというのも、何となく自分が抱いているイメージに似通っている部分がある。

ストーリーのとこらどこらに前作の話が絡んでくるが、日菜子のトープが前作のダイジェストのような役割を果たしており、ある程度話の流れを説明してくれているので、未プレイでも置いてけぼりにされることは無かった。アニメ(澪)関連もしかり。帝をプレイする上での関連シリーズのプレイは、「履修しておくに越したことはないが、必須ではない」くらいに収まっているように思った。結論、前作をすっ飛ばして帝からプレイしてもさほど問題なかった。そういう意味で、人に勧めることを躊躇しなくていいのはプラスポイントか。


〇愛央のグレートマザー問題

クライマックスで判明する重要な事柄の一つである「愛央は雫世界で過ごした日常を守るために、再構築後の世界から生まれ変わった延々と自分を雫世界に送り続けている」というくだりについて、ループしているという設定自体は中々に面白いと思った(記憶の持ち方等、愛央がイレギュラーだったことの説明にもなっている)。全体としてはある程度面白かったことは前提に、それでも少々疑問に残るというか、腑に落ちない部分はある。それは「最初の愛央はどうやって雫世界に存在できたのか」だ。作中の説明だと愛央を巡るループ物語の順序としては「愛央誕生→自身を雫世界に送り込む→世界の再構築→愛央再誕生→……以下無限ループ」となっているはずである。しかし、そもそも雫世界での世界の再構築がなければ、再構築後の世界の住人であるはずの愛央は存在すらできないはずだ。要するにグレートマザーのパラドックスと同じことで、ループの起源まで遡るとアダムとイブが必要じゃない?という話だ。ぱっと思いつく説明としては、元祖愛央は本来の世界(愛央以外の人間が本来住んでいた、再構築前の灰が降っている世界)の住人だった、という説が考えられるが、それはユズとライムによって完全に否定されている。オリジンに何らかの超越的な機能があったのか、あるいは作中に登場した3つの世界以外に4つ目以降の世界が存在するのか、はたまた想いの力で世界の理さえ超越してしまったのだろうか。謎である。


〇デート

このゲームRPGなのにもかかわらずなんとデートができる。自由行動中に任意の人に話しかけることで、デートに誘うことができる。そして一緒に学校内のデート(?)スポットに赴き、遊んだりイチャイチャできたりする。移動中はBGMがそれっぽいやつ変わり、愛央が歩くとその後ろを相手がてくてくついてくる。そのためにデート中は走れなくなる徹底っぷりだ。(こういいう細かい拘り好き)。デート後は好感度(TP)が上がる。要はRPGでよくあるキャラの個別イベントのことなのだが、それをわざわざ「デート」と呼称をしているところがこのゲームのイカしたところだと個人的には思う。一般的に「デート」は異性相手にしか使わない言葉だ。それを敢えて女同士で使うことで、「この世界では百合こそが合法なのです」という事を、制作側とプレイヤーの共通認識として宣言する効果があるような気がしている。百合ゲームの百合ゲームたる所以である。


〇男性

そこそこきちんと排除されている印象だった。ゲーム内にモデルが存在する男性キャラは冗談抜きで1人もいない。それでも一応ココロトープ内での過去話には何人か男性が登場しており、自分が覚えている限りだと、志穂父・きらら父・きららの村の村長・きららの村のガキ大将(名前忘れた)・勇希の医者の計5名だ。(+平原母は失踪後に駆け落ちを匂わせていたので、その相手と思しき人物もお好みで登場人物にカウントしてもいいかもしれない。)いずれにせよ、高校生の恋愛対象になりうる男性の登場はゼロである。
僕個人としてはそこまで百合過激派というわけでもないので、一男性としてやや複雑な心境でもあるのだが…。

○システム面

特に各種ワープが充実しており、全体的に非常に快適だった。学校内で場所検索だけでなく人物検索が可能で、更にその人のステータス(デート可能か、依頼はあるか)まで一目で確認できる。工作もワープ後に直接作成画面に飛んでくれるし、デートも目的地までワンボタンで向かえる親切っぷり。(最も僕はデートの移動時に相手が後ろからぴょこぴょこついてくるのを眺めるのが好きなので、特に陽桜莉さんや詩帆さんとデートする時は敢えて歩いたりしていたが)

ワープ以外も快適で、工作のチームに記録機能がついてたり、メニューを開かなくてもストーリー進行の目的を常時確認できる上に、目的地をフラッグ表示までしてくれた。ヘルプや図鑑も見やすかった。
(特にプレイ時間の長いRPGの場合は顕著だが)結局ゲームの良し悪しって印象だから、最終的にはこういうシステム面で決まるような気がしていて、そういう意味でブルリフ帝は非常にいいゲームだった。


○RPG面

戦闘はリアルタイム性のコマンドバトルで、大雑把なプレイ感はライザのアトリエに近い。直感的に遊べる反面、ややせわしいのが難点か。全体的な難易度は比較的易しく、特に施設が揃う終盤になるにつれてどんどん易化していくように感じた。

基本的に殴れば殴るだけ強くなれる戦闘システムなので、序盤から終盤までアタッカー3人の脳筋編成で運用していた。三色弁当・ラタンバスケットあたりの一部回復アイテムがやたら強力で、どう見ても回復量がアイテム>スキルだったので、回復に関しては全てアイテム(サポーター)で賄うことにした。難易度ノーマルならそれで十分受けきれたので、出撃メンバーはひたすら殴りに徹するという脳筋戦術が許されていた節がある。

独自システムのインファイトバトルについて、最初は回避のタイミングが全然わからなかった。ゲージのジャストでボタンを押しているつもりが大体の場合しれっと被弾しており、??と思いながらボタンをポチポチしていた。終盤頃にようやく少し慣れてきて、どうもジャストタイミングは自分が思っているより遅いらしいという事に気づいた。イメージとしては、音ゲーでperfect判定ではなく、敢えて遅めのgreatを出すような感じでやや遅めに入力すると気持ち避けやすいような気がした。それでも「多少マシになった」程度だったが。
それでも「見た目魔法少女のリフレクターとボスがタイマンをはる」というビジュアル自体は見目麗しく、それほど嫌いなシステムではなかった。


キャラ雑感(RPG面)

レギュラー

○日菜子

ギアの上昇にもコンボ数稼ぎにも適していて使い勝手がいい「シエルモア」を使いつつ、手数で押していく感じのキャラ。ある程度エーテル速度が上がったら、エーテル速度依存で火力が上がる「アヴェルスヴェリエ」を連打しているだけで強い。タレントスキルはギア上昇での火力UP。コンボ数の倍率が異常に高いゲームなので、この辺りもゲームシステムに噛み合っている。多分1番強いキャラ。主観ではまあまあ圧倒的な1位。

唯一の欠点がステータスの伸びが遅いこと。というのもこのゲームはレベル上昇によるステータスの伸び率が一定ではなく、キャラ毎に成長が早かったり遅かったりする。わかりやすく言うならキャラ毎に成長期のようなものが設定されているイメージだ。(未検証)。日菜子は言うなら「晩成型」で、序中盤は特にHPの貧弱さが気になるが、終盤になると標準程度まで伸び、全ステータスを総合的にみると寧ろ高いくらいになる。

〇陽桜莉

弱点を突くことでアドバンテージを稼ぐタイプのキャラ。基本的に振動・歪曲の2属性しか攻撃スキルを持たないが、「ピコラルーチェ」・「アラコットフィアーマ」でセルフで弱点を作れるので、性能的に自己完結している。相手を選ばずに弱点をつけるので汎用性は十分。基本的に対雑魚は振動でエーテル回復を狙い、ボスには歪曲でノックバックしながら殴る。(振動はギアが上がると汎用的なスキルが打てなくなるので、長期戦では使い勝手が悪い)

これは妄想だが、仮に陽桜莉を3人編成できたら、セルフで歪曲を弱点にした後全員で「イクシオデスピータ」を連打して相手にターンを回さないみたいなハメ戦術ができそうだなぁとか考えていた。実際には2人目以降の陽桜莉どころか、そもそも歪曲属性のスキルを使えるキャラが他に詩帆しかいない有様なので、それっぽい動きをすることすら叶わなかった。

加入当初は回りに比べて攻撃力とHPが1.5倍くらいあり、防御力も並み以上と基礎ステータスが異常に高かったため、数値の暴力で問答無用に一番強いキャラだった。が、日菜子とは逆の「成長期が速い」タイプであったため、終盤以降40レべを超えたあたりからキャラ間で相対的に弱くなり続ける様子は見ていてちょっと切なかった。小学生のころやっていた少年野球の地元チームに似たような選手がいたのを思い出した。

どうでもいいけど、前髪の編み込みっぽい部分はどういう構造なんだろうか。

〇愛央

ステータスは攻撃面、防御面共に平均的で使いやすく、特徴がないのが特徴のようなキャラ。平凡な自分をコンプレックスに思う愛央のキャラクター性がRPG面にも上手く反映されており非常に秀逸。リフレクターの衣装である黒衣と鎌のセットに片翼という死神っぽいビジュアルにも、本人の中二病属性がしっかりと表れている。「人間としてのキャラ性を体現している」という意味では、文句なくベストデザインのキャラだろう。

プレイアブルキャラの中にボスの強攻撃によるコンボカットを防げるスキルを持っているのが愛央しかいない為、対ボス戦はほぼ必須枠。コンボのダメージ上昇倍率が高いので、基本レギュラーには入れておきたい。(厳密には陽桜莉も似たようなスキルを使えるのだが、使用条件がギア5なうえにエーテルを2000消耗するので、実質使えないのと大差ない)

サポーター

〇詩帆

前述のとおり回復をアイテムに一任していたので、サポートリングのゲージが速くなる唯一無二のタレントスキルを持つ詩帆をサポーターに固定していた。サポートスキルは汎用的な回復2つをつけていた。プレイアブルキャラ全体の傾向としてサポートスキルは汎用性が低いものが多く、発動率100パーセントの無難な回復だけで2枠埋め切れる詩帆はそちらの面でもかなりマシに見えた。勝利のポーズで見せつけてくる腋が気になって仕方なかった。(サポーターだから勝利のポーズをするのはレアケースでその希少性が余計に‥‥)

ベンチ

〇こころ

状態異常を駆使して戦うアタッカー。攻撃力が高い代わりに防御力が全キャラ中最低レベルで低いが、HPが高いため見た目よりは固い。それでも柔らかいけど。ステータスもスキルの強さも共に陽桜莉>こころだと思ったので、陽桜莉加入時点でベンチ行き。1人だけ明らかに浮いてるメルヘンな技名で笑かしにくるのはやめて欲しい。

この手のRPGの状態異常はボス戦では無効にされたり、強力な耐性があったりして使い物にならないことが多いのだが、アイテムを使った感じの体感、ボスの類にも状態異常が通るケースがそこそこあった。弱点等の攻略情報を調べる前提ならもしかしたら強いキャラだったのかもしれない。

〇伶那

多分最弱。
バッファーという触れ込みだがロクなバフスキルを覚えず、結局は全キャラ中最低値の攻撃力で殴ることになる。一応回復スキル覚えるのだが、モンハンの薬草くらいしか回復しない。一応防御力は1番高い。(HPが高くないので、1番固いキャラかというと微妙なところ)。
そもそも論として、スキルで殴ることで自身を疑似的にバフ(エーテル加速+ギア上昇)できる戦闘システム上、バッファーという職自体が不遇なのかもしれない。
どうでもいいけど、武器の輪っかはフラフープ??

悲観的で保守的なものの考え方は気が合いそうだなあと思いながら見てた。



〇その他雑感と総論

百合ゲーらしからぬややSFチックなストーリー、戦闘面、システム回りいづれも高水準で率直に良いゲームだったなぁと思う。欠点らしい欠点もそれほど大きなものはないような気がしている。強いて欠点を挙げるなら、モンスタードロップするしかない(アイテム粒砂系や包み袋等)の収集が面倒なこと。これらは下位ダンジョンでしかドロップせず、中盤以降レベリング的な意味での旨味が殆どないに等しいのでなおさら。キャラクター回りの深堀が丁寧なのはガストゲーらしくて〇。キャラ的には陽桜莉さんがお気に入りだった。最近どんどん陽桜莉さんのような明るめキャラを好ましく思うようになってきて、ちょっと疲れてるんじゃないかとか思ったり。次点は日菜子さんかなぁ。ガストゲーらしくBGMの質も高く、月並みだが「OVER DOSE」が一番心地よく耳に残った。特にBメロっぽいいろんな音が綺麗に入り乱れる場所が好き。クリア後も何度かyoutubeに聴きにいってしまった。日常曲の「Our Days」あたりもよかった。

そんなわけでブルリフ帝大変楽しゅうございました。暇があったらそのうち「澪」あたりも消化したいなぁ。といっても1週間後にはポケモンの新作が発売するのでしばらくはそっちで遊ぶ予定。パルデア地方楽しみですね。








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