見出し画像

プロのバナナ/毎週ショートショートnote

こちらの企画に参加しました。

どうも、バナナです。
と言っても、ただのバナナじゃありません。
プロのバナナです。
ああ、勘違いしてほしくないのは、お育ちのいい高級バナナとは全然違うので、間違えないでくださいね。
私と彼らでは役割が違うのでね。

と言っても、私の役割を一言で表すのは難しいですけどね。
一般的なイメージのスベって転ぶ演出に使われるのはもちろんのこと、冷やしてトンカチの代わりになったり、有名な書道家の筆の代わりになったり、武闘大会でヌンチャクの代わりになったり。
この間なんて、拳銃の代わりをさせられたことがありましたよ。

なんでそこまでできるのかって?そうだなぁ、自分の可能性を見せつけてやりたいのかも、知れませんね。
私は兄弟の中でもいっとう小さくて、反りも強かったので、全然行き先が見つからなくてね。偶然拾われたのが今の現場でした。
最初は転ばせる役割ばっかりで、自分はバナナなのにと腐ることが多かったですね。そんなときに出会ったのがちょんまげの役割だったんです。その頃は全身真っ黒でね。お前ちょっと乗ってみ?くらいの軽いノリで乗せられて。そしたらそれが見事にハマって、私自身が私の可能性を考えるようになったきっかけですね。一皮むけたってわけです。

今後についてですか?うーん、ことわざに弘法筆を選ばずって言葉があるでしょ?その言葉通り、まだまだ試したいことがいっぱいですので、もっと私の可能性を広げていきたいですね。
プロのバナナとして、ね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?