獣のように歌いながら、慌てずにスッと暮らしてます。
父のような人とは結婚すまいと思って生きてきた。
理由は簡単、辞書に載っている通りの九州男児だったからだ。
仕事では驚くほど律儀で細やかな気配りをしていた父は、その能力を家庭では1ミリも発揮しなかった。
全く近代的な価値観の夫婦であった両親のもとに生まれた娘は、それとは正反対の「問題を癇癪を起こさずに対話を持って、情ではなく合理的に折り合いをつけることで解決する」相手をパートナーに選んだはずだった。
ところが、である。
パートナーと食事に行った時、一口食べて「これはダメ」と