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宮川の部屋

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YALLAH!の企画制作担当宮川のブログ。本気にしないで。X(Twitter)▶︎@miyakawa_yallah
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#YALLAH

「上等ってのはね、ハイヒールを履いても痛くならない足を持つことを言うのよ。それとね、足を痛めないハイヒールを買えるってことよ」

今から数十年前、私が義務教育を受けていた時代に「いじめ」と言うのは、あまり身近な言葉ではなかった気がする。 「いじめ」と称されるのは、カツアゲや暴力行為のような犯罪に適応される場合に使用されるくらいで「クラス全員から無視される」「悪意の篭った手紙をもらう」などと言うのはいじめの範疇に入っていなかった。むしろ「女の子では誰でも一回は経験するもの」くらいの通過儀礼としての認識しかなかったように思う。 私が標的になったのは中学2年生の秋だった。 皆グループの子は、可愛らしく、

夕方からところにより俄か雨

私は、この歳になっても、割と夢見がちな性格で思い込みの激しいところがある。幼い頃、NHKのアナウンサーが渋く張りのある声と弛まぬ息継ぎで 「夕方からところにより俄か雨です」 と言うと、きっとこの人は何か素敵なことを言っているのだろうと思っていた。 20年ほど経って、この話をタバコが命でバナナ柄の開襟シャツばっかり着ている友人M田に話したら、バナナを口に入れてモゴモゴさせながら「…生命保険のCMみたいな感覚だな」と言われて笑ってしまった。 M田は初めて会った時から私に冷

I love you.の使い方

よっぽど呆けて人生を生きてきたのだと思う。 私は大道に出会うまでFTMという認識や概念を37年間全く持たずに生きてきた。思い返してもFTMの人物に思い当たることがない。今から考えていると無意識にお会いしている可能性もあり、そら恐ろしい。 大道からカミングアウトを受けてから、多少ネットでFTMについて漁ったものの、あまりにも個人的過ぎたり、トランスの程度や年代で多くのバリエーションが出てしまい、結局、本人に尋ねることが一番と言う結論になり、参考にならなかったのですぐに止めて

私が生涯で出会った最もモテる人はとてもシャイな男の人だった。

ぶんちゃんは私の学生時代の知り合いの一人で、最も「人間にモテる人」である。どんな集団に入っても、高好感度を獲得するバランス感覚を持っていて、それに対してあまりコストを払わずに生きている奇跡的な存在。ぶんちゃんを見ていると正しくあろうと人格者になるよりも、見栄を張らず、正直で素直に生きていく方がよっぽど人に好かれると思い知らされる。 大学時代のぶんちゃんは建築学科なのに、芸大にでもいそうな雰囲気で、ちょっとだらしない格好をしており、誰かと目が合うとうはっ!と笑った後にちょっと

【宮川の部屋】はじめまして。

はじめに軽く自己紹介させて下さい。 宮川 アマゾネス(Amazoness Miyakawa)です。YALLAH!と言うドチャクソ緩いLGBTQ団体の企画制作を担当しています。 アラフォー子持ちのシス女性です。 共通点、一個ねぇなと言う方がほとんどかもしれません。 でも、出来れば最後まで読んで欲しいです。 私はYALLAH!に勤務する前は、LGBTQの知り合いは一人もいませんでした。 大道に道端でカミングアウトされた時はトランスジェンダーに関する知識が全く無かったため