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餃子ベスト★テン

こないだからnoteを夜にいらってる時とかにチョイチョイ『餃子がすき』ゆう文字が多いってゆーのは目に入っててん。

おー。餃子かー。
と思いながら。
色んな人の記事を楽しんでたんよ。

だが自分では書かずスルーしていた。なぜなら分別ある大人である俺は理解しているからだ。
餃子について語る時、人は本性を剥き出しにする。餃子は危険だ。

餃子について語る時、サラリーマンはガード下の立ち呑み屋の一口餃子を推し、現場作業員は市役所裏の定食屋のジャンボ餃子を、美魔女の起業家はヴィーガン餃子に全身全霊の魂を載せて語ってくる。


例えば『どの都市が最も餃子を愛しているか?』という議題は『エルサレムは誰のものか?』と問う事と同義だ。揉めるに決まってるのである。



しかし連日耐えていた俺も結局は『餃子というとてつもなく大きな化け物の奴隷』でしかなかった。

他人の記事を読んでいるうちにメラメラと餃子が食いたくなり、ムクムクと俺も餃子について書きたくなってきてしまったのである。

と言うのも餃子の話をし始めたら『俺のアンドロイドの餃子画像たちが黙っちゃいない』からだ。




なんせ初めて行く町中華ではまずは見(けん)として『ラーメン餃子チャーハンからあげ』の四連コンボを注文するこの俺だ(主要四科目と言い換えてもいい)。必然、餃子画像は蓄積される。


で、それらの餃子画像はいつ使うのよ?



と俺の中のリトル彼が昨晩ついに吠えた。


そんな訳で餃子画像たちを成仏させる意味も兼ねてひとつ記事を書こう。


さて読者諸兄姉よ。
ここまで読んで来てもらって分かる通り『俺も餃子が好きやからなんか書きますよ』という事を伝えるためだけに俺はここまで長々と駄文を連ねてしまっている。今日は暇だからだ。

山の天気は変わりやすい。
あとはチャチャッと行こう。

まあただ羅列すんのも何なのでベストテンにしてみた。先にゆっておくが鶴橋のキムチの時にやったのと同じで、あくまで個人的な偏見まみれ私見まみれのランキングである。

しかもまあ俺が棲む愛知県まわりの中華屋や餃子店が中心だから全国ランキングでもなんでもない。

一夜の暇つぶしの読み物として適当に読み飛ばして見逃してくだされ。




10位
トウゲ餃子

岡崎市にある老舗の餃子屋さん。皮は厚めで肉はたっぷり。もっちりしてるけど外はパリパリ。愛知県では珍しいホワイト餃子の名店である。餃子だがニンニクは入っておらずシナモンが香る変わり種の餃子。一人で数十~百個以上も持ち帰るお客さんもいるという地域に根差した名店である。



9位
四興樓

神戸の元町の中華料理屋さんの餃子。シンプルだが何十年と食いつなげる味。牛肉汁そばや五目汁そばも高クオリティ。神戸の三大豚まんの一角にも数えられる有名店でもある。



8位
夜来香(イェライシャン) 本店

名古屋で最初に餃子を出したとされる昭和30年創業の町中華の老舗。一つ一つの餃子の皮がつながってないのが特徴。中心にあるのは箸休めの春雨。優しいシンプルなお味。肝っ玉お母さんもウリ。客層に年配さんが多いからかガッツリ濃い町中華と言うよりは全体的に淡白で上品な味付け。



7位
八剱ROCK 人生餃子

「皿台湾」という名物メニューで知られる名古屋の超有名店。チャーシューや皿台湾がフューチャーされる事が多いが餃子も確かなクオリティ。胡椒の味が強めで肉肉しい。本体にはニンニクは入っておらずタレにお好みでニンニク油を混ぜるスタイル。開店三十分前には並ばな行列は一時間コース。



6位
餃子屋 社預

神戸のビニールハウスの屋台風の餃子屋さん。焼き加減と羽根の続き具合が絶妙。一つ一つが大きめの餃子で料理はおしなべて中華の本場志向。水餃子も有名で、他にも人気メニューが多い行列店。



5位
ぎょうざや たつみ

名古屋のミシュラン掲載店。最低でも開店30分前には店頭ボードに名前を記入するが吉。それでも一時間待ちはザラ。鶏のスープ入りの餡から小籠包のように肉汁がスプラッシュする。こちらもニンニクは入っておらずセルフでタレに混ぜるスタイル。餃子はお一人様二人前まで。卵チャーハンも必須。



4位
どさん娘 豊田店

創業数十年の隠れた人気店。昭和テイストな昔ながらの町中華。野菜多めかつジューシー。さっぱり食べられる。タレを入れるお皿のくぼみを無視して写真を撮る前に食べてしまうぐらい旨い。みそだれで食べるのがお店の推奨。焼豚、味噌ラーメンも絶品。



閑話休題。
なぜ最近はお持ち帰りの箱はプラッチック容器ばかりになってしまったんだろう。昭和生まれの身としては餃子はできればこういう赤い紙箱に入れて欲しいんだが。

もっと言うと、中は銀色でお願いしたい。


さあ遂に注目のベストスリーの発表です。


3位
AJINOMOTOの餃子

なんじゃそれって言うな。

冷凍食品だが旨い。それなりに旨い。味そのものは無論4位以下のお店より劣るがコスパと利便性で抜いてランクイン。
てかこの餃子に勝てない店が巷にゴロゴロあるからもうこれでいい。

誰がいつ作っても旨いという点も凄い。この商品以上に研ぎ澄まされていて失敗しない『袋の裏の作り方の説明書き』を俺は知らない。

ただタレが付いてないのが唯一の弱点だが。

つか何よりも値段な。なんせ198円である。
ハッキリ言って餃子なんてそれが普通の値段なのだ。最近は一皿で600円も700円も取る店があるがそれではいけない。高い材料で作れば旨くなるのはそんなもん当たり前の話なのだ。
俺達は安い値で旨い餃子を食いたいのだ。
まあこれは餃子以外にも言える事だが。




2位
餃子の王将

味の平均値と行列無しの着席率がダントツ。
筆者が京都出身であり「餃子の王将」という文字のタトゥーが魂に刻まれているという点を差し引いても、その味の高さは折り紙つき。

旨い餃子、旨い店は他にも山ほどあろう。
だがその餃子を食うために君は前日からテントを張り行列に並べるのか。ネットでクレジットカード裏面のセキュリティコードを入力して取り寄せてクール便で来る餃子を放っておく事も出来ず家で無言の正座でヤマトを待てるのか、という話になると総合値ではやはり餃子の王将に軍配が挙がる。

ちなみに言っておく。
俺は『餃子の王将』の話をしている。
『大阪王将』の話はしていない。



1位
珉珉食品のせみ餃子

さて堂々の1位だ。
せみ餃子は主に関西圏のスーパーで売られている餃子である。
なんせ安い。
画像は128円だがこれを買った時に『あ、今日ちょっと高いな』と思った位だ。

せみ餃子は特売なら100円を切るとても心の優しい子だ。

彼とは三十年以上の付き合いになる。
うちは母子家庭だったから弟と俺の晩飯は俺が作っていた。
彼は常にスタメンとして君臨し、十年以上の長きに渡って、卵、納豆、マルシンハンバーグ、丸美屋の麻婆豆腐、シーチキン、イシイのミートボールら強力なライバル達とポジション争いを繰り広げた猛者の中の猛者なのである。

皮はフニャフニャで肉感はゼロに近い。
だがそれこそが彼の持ち味だ。
少し焦げた位が旨い。
水餃子にしても旨い。


そして特筆すべきはこいつ。
付属のタレだ。

見えるだろうか。
タレの左側の白い『ニンニク』と書かれている部分。ここには麻薬(おそらくはヘロインかコカイン)が入っている。
非常に中毒性が高い。
こいつをタレに溶かし込んで使えば餃子三個でごはん一膳は行ける。

だがあえてタレは使わずに水餃子にしてポン酢と七味で食うのも良い。
いずれにせよ熱々のごはんはマストだ。
すぐ皮が破れるがそれもいい。
スプーンでご飯の上に乗せて食う。
ごはん六膳は行ける。

そうして付属のタレは、それはそれで冷蔵庫にストックしておくのだ。

なぜなら我々は知っているからだ。

旨いがタレが無いという唯一の弱点で銅メダルに甘んじている悲劇の餃子の存在を。

そう。前述したAJINOMOTOの餃子だ。

アマチュアはすぐにそこには気付けない。

だがミンミンのせみ餃子と共に生きてきた俺は気付く。母子家庭をなめるな。


失礼。
つい熱くなって暴走してしまったが許してほしい。冒頭で述べたように餃子とはかように危険で熱を帯びた食い物なのだ。

結果として衝撃のベストスリーとなったが神に、いや餃子に誓って言うが、俺は決してボケてる訳でも狙ってる訳でもない。

No忖度のまま魂に従ったら今回の結果に繋がった。ただそれだけの事だ。




宇都宮も浜松も宮崎も道を開けろ。
餃子は王将を生んだ京都のものだ。

そして京都の餃子のフィクサーは。
珉珉のせみ餃子だ。






あとがき。

今回の記事のネタに使おうとして久しぶりにドカベンを読み返したが、一億円契約でのプロ入りが内定している山田太郎に嫉妬する石垣島高校のピッチャー具志拳の貧しさが熱く、自分とダブった。


そしてそんな具志拳の球を山田太郎が一ページの一撃でサヨナラホームランにしていた。

山田太郎も水島新司も『血も涙も無いな』と思った。



あ、あと興が乗って今回だいぶ攻撃的な文章になってしまってごめんなさい。



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