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実践ふりかえり「お祭りの音楽をつくろう」

今日、自分の子供観が揺さぶられるような出来事がたくさん起こった。お祭りの音楽をつくろうと子供に伝え、始め方と終わり方を決めましょう。だいたい30秒くらいの音楽にしましょう。この二つを伝えて、あとはグループごとに任せてみた。こんな雑な任せ方で大丈夫かなと心配だったし、6人で意思疎通ができるのかなという不安もあった。

あるグループで男の子2人が、鈴をもって走っていた。そのグループは話し合いをしている様子もなく、バラバラに見えた。自分はすごく不安になった。このまま時間が過ぎていったら、子供たちは今日はよくわかんないでおわったな。みんな協力してくれなかったで終わってしまうのではないかと考えた。声をかけようか迷ったけれど、この混沌とした状態がどうなるのか。バラバラの状態がどうなっていくのか。子供たちはどうするのか考え、声をかけず違うグループを見に行った。

5分ほど時間がたって、バラバラだったグループを見に行ったところ、いつの間にかグループで顔を合わせてリズムを叩いていた。「ちょっと聞かせて」とそのグループの演奏を聴いた。終わり方が決まらず、いつまでも演奏を続けていたが、始め方は決まったみたいだった。「先生、お手本を見せてください」と子供にいわれたので、私は太鼓でグループを引っ張ることにした。だんだん速くして、終わりのリズムを入れてみた。こうすれば終わることが分かりやすいよと伝えて、また任せてみた。

数分後、そのグループの子供から見てください!と声をかけられた。見てみると、みんなでリズムを合わせ、そろって曲を終わらせることができるようになっていた。バラバラの状態➨ちょっと合ってきた➨最後までそろった。だんだん曲らしくなってくると、鈴をもって走っていた男子も、一緒に演奏をするようになっていた。

また数分すると、そのグループの数人が私のところに大急ぎできて、けんかが始まった!!と伝えにきた。私は、さっきまでみんなでリズムを揃えていたのにどうして?と思った。何が原因なのか?わからなかった。

授業時間が残り少なかったので、けんかの話はいったん置いておいて片付けをした。その後、グループの子供を集めて話を聴いたところ

Aさんが「演奏終わりにハッと掛け声を入れて終わろう!」と提案したときにBくんが「ダサッ」と言ったとのことだった。

グループの音楽づくりでは、意見の対立が起こることもたくさんあると思う。その対立をどうやって折り合いをつけていくかも大切な勉強だと思う。「ダサッ」と言ってしまったBくんに悪気があったわけではないように感じた。ハッていうなんてふざけてるじゃん!と言っていたからだ。

意見の対立をけんかでなく、乗り越える方法を教えなくてはいけないと思った。とりあえずやってみて決めるなのか。Bくんがどうしてもやりたくなかったら、Bくん以外がやってみるなのか。全員でやるから意味があると思うならやらないで、違うことをするのか。どんな選択肢があったのだろうか。ハッという掛け声をいれる。とってもお祭りっぽいじゃないか。私は素敵な意見だと思った。お祭りっぽい音楽にするには、掛け声があったほうがいい?無いほうがいい?と考えさせるべきだったのか。

次回の授業で、意見が対立したこのグループが、どうなっていくのだろうか。そこに大切な学びがあるはずだと信じたい。


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