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第4話「子どもに受け入れられる先生を目指して」

第3話では、音楽の授業開きの準備をする長谷川先生の様子を書きました。第4話でも引き続き音楽の授業開きの準備に焦点を当てていきたいと思います。あえて、小説の形式にすることで、客観的な視点で当時の私の気持ちなどを振り返ることができるなと感じております。ただ、あくまでフィクションとして読んでいただければ幸いです。

主な登場人物(実在する人物と関係ありません)

  • 新任教諭(音楽専科)長谷川先生

  • 担任の先生(音楽部 長谷川先生の先輩)鈴木先生

  • 指導教官(ベテラン教務主任)村上先生

  • 斎藤先生と同期の音楽専科(他校に配属)岩倉先生

  • 研究会の主宰者(ベテラン音楽専科)日村先生

第4話 子どもに受け入れられる先生を目指して

「音楽室の座席の位置は決まった。忘れ物への対応も考えたし、普通教室から音楽室へ移動するときにルールも決まったぞ。」

長谷川は、はじめての音楽の授業をむかえる準備が着々と進んでいることを実感していた。ただ、常に授業が上手くいかなかったらどうしよう・・という不安が頭から離れなかった。そもそも子供たちから受け入れてもらえるのだろうか・・・

そんな不安を抱いていたとき、岩倉先生から1年目の音楽専科向けの研究会があるという知らせが届いた。

(ベテラン音楽専科の日村先生が主宰する研究会か・・これに参加すれば、安心して授業をはじめることができるかもしれないな)

このような思いから日村先生が主宰する研究会「音音会」に参加することになった。

ーーーーーーーーーーーーー翌日「音音会」にてーーーーーーーーーーーー

「授業をはじめる前に、どんなときに叱るのか、なぜ叱るのか子供たちに伝えると授業の荒れを防ぐことができます。また、子供たちが話しているのをほおっておいて先生が話していると、おしゃべりしていても良いんだという印象を与えてしまうので気をつけましょう。他には・・」

日村先生の話を聴きながら、長谷川は授業に少しでも生かせるようにとメモをとっていた。参加した周りの先生も同様に手を動かしている。

「また、先生方が授業の初めに行うであろう自己紹介にもポイントがあります。子どもたちの興味を引くような面白い内容にしつつ、授業で大切にしたいことが伝わるようにすると良いですね。」

(面白く、授業で大切にしたいことが伝わるような内容か・・)

長谷川は、日村先生の話を聴きながら、自分が小学校のときの音楽の先生はどんな自己紹介をしていたかな?と考えていた。そして、自分は子どもたちからどんな先生だと思われたいのか。そんなことを考え、はじめての授業に向けて「先生の自己紹介スライド」をつくることを決心したのだった。

作者コメント

今でも不安になることですが、1年目の頃は子どもに受け入れてもらえているのかという気持ちがとても強かったように思います。指導に自信がなかったことや、子どもに好かれたいという思いが強かったのが主な原因なのでしょう。受け入れられる

第4話のタイトルを「子どもに受け入れられる先生を目指して」としたのも、上記のような思いが強かったからです。今の私は、子どもにわかりやすい先生を目指したいなと思っています。

「ひご先生って何を考えているんだろう?怒ってるの?楽しんでる?」

というようなわかりにくい先生ではなく、喜怒哀楽が子供に伝わるような先生になりたいと思っています。授業でも先生がなぜこのような授業をしているのか、子供たちに伝わっているようなものを目指したいのです。(これが強すぎると、押し付けのようなことになっていまうかもしれませんが・・)

正直、子ども全員に好かれることは不可能だと思いますし、それを目指すことでおきる弊害もあると思います。しかし、子どもが私をどんな先生だと理解しているか・感じているかということを、客観的な視点でとらえることができるようになっていきたいなと思うのです。

第5話では、長谷川先生と子供たちの関わりを描いていけたらなと思います。読んでくださった皆様、ありがとうございました。



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