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【日常生活自立支援事業】って何?


私には、かなりの転職経験があります。望む、望まないに関わらず転職に至ったということでしょうか?

介護保険課の業務が終了した後、社会福祉協議会(社協)の【日常生活自立支援事業】の専門員の仕事に就きました。3年間の任期付きの業務でした。

【日常生活自立支援事業】という事業は、余り知られていないのではないでしょうか?

舌を噛みそうな制度の名称です。

当市の社協は、当事業の基幹型社協で、市内・市外等の利用者の増加により、専門員の予算が付いたようでした。

1人の専門員が、市内100人ほどの利用者を、また他の専門員が市外の利用者100人ほどを担当することになりました。

業務内容は全く解りませんでした
が、手引き書を読んで事業内容を必死に覚えました。また総務課の職員が業務手順のCDを渡してくれました。

基幹型なので、本市・近隣市町村の社協の利用者の方の契約を担っています。

 一言で説明できるような事業ではありませんが、簡単に言えば【金銭管理】【重要書類の管理】【利用者の生活に関する支援】の仕事です。

利用料は安価です。沢山の財産がある方との契約は、基本行いません。

この事業の利用対象となる方は、認知症、知的・精神障がい者の方ですが、ある程度の判断力や理解力のある人が対象者です。

【法定成年後見制度】と何が違うの?といった疑問を持たれるかも知れませんが………違いは沢山ありますが、ここでは述べません。
というより、違いの詳細を簡単に述べられない制度なのです。

私も友人から、後見人の仕事に誘われた経緯はありますが、後見人の業務より、【日常生活…】の専門員の仕事の方が好きでした。
成年後見制度の後見人は、被後見人の[代理人]です。
【日常生活…】は、ご本人の[代行]として支援致します。
[成年後見制度]は、被後見人の人間としての尊厳を奪ってしまうような気が致しました。私にはご本人の尊厳を出来るだけ大切にしたいといった思いがありましたので。
あくまでも、私個人の思いです。

当事業は、契約に至るまでに上司の幾つもの決裁が必要です。
契約可能か否かの方の場合は、県社協の契約締結審査会で、審査会に諮り、判断を仰ぎます。

後見人は、[代理]ですが、専門員は、あくまでも[代行]として、利用者の生活を支えます。

契約前も、3回ほどの面談が必要です。必ず、同席者に立ち会って頂きます。契約は、ご本人の意思で成立します。

ご本人が、契約を希望された場合には[契約]に至ります。が、ご本人は契約を止めることも可能です。

契約書を交わし、契約後に、ご本人の大事な通帳や重要書類等を1つ1つを預かり、双方で確認して支援内容について話し合います。

生活費程度の通帳・印鑑等は社協の金庫内で、通帳と印鑑は別々に保管します。
定期預金や重要書類、クレジットカード等は、金融機関の貸金庫で保管します。預かった通帳等全ての写真を撮り、ご本人のファイルに保管します。ファイルは鍵付きのキャビネットで保管します。

必要な生活費等の引き出しは、必ず[金融機関]の窓口で行います。ATMは一切、利用してはいけないことになっています。

クレジットカードや銀行カ―ドは貸金庫保管で、暗証番号は聞いてはいけないことになっています。

通帳の名義人は利用者自身です。専門員や生活支援員は[代行者]として支援します。金融機関の職員が、この事業に不明な場合は、大変、苦労することもありますが……

後見人は、被後見人の通帳は、代理人の名前が記載され、代理人の判断で引き出しも可能ですが…

【日常生活自立支援事業】には、社協の何人もの職員が関わっていますので、幾つもの目で監視されています。
社協職員、専門員、生活支援員等が関わる環境の中で、支援が為されます。

【日常生活…】は本当に々大変な事業です。生活支援員の支えがなければ、成り立たない事業ですが、大変、重要な制度だと思います。




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