見出し画像

賛否両論

noteを書こうと思った本来の目的をすっかり忘れてしまっているくまゴロです。

昨日、和牛繁殖農家に向けた緊急対策的な補助金が発表されました。

まあこれは意見が分かれるところだろうなと思ってたらその通りに分かれそうです。

論点はこれが抜本的な解決方法なのか?というところだと思いますが緊急性のある補助金ですからその問題を解決する為のものではありません。
票に結び付くかと言うと全国に繁殖農家は35,000軒ほどしかありませんしそんな票田を宛にする位なら経済政策の方が余程票に結び付くでしょう。

現在の和牛暴落の背景には様々な要因があります。

第一に頭数が増えすぎている点が浮かぶと思うのですがまあ微増という感じ。
あとは飼料高騰から来る肥育期間の短縮から来る屠畜頭数の増大。
31ヵ月齢で出荷されていたものが25ヵ月齢で出荷されればそら頭数は増えます。
しかし、飼料費の節約やその月齢でもサシ、枝重が仕上がる改良を進めて行ったのは他でもない我々です。ここいらは一考の余地があると思います。
あとは中国輸出が白紙になっている現実が大きいかな。これはアプローチは続ける必要はあると思いますがあまりあてにしない方が良いなと思います。

反対だと言う方々は繁殖農家が減れば頭数も減ってちょうどよくなるとお思いでしょうがなかなかそうはいかない現実があります。この価格は規模拡大のチャンスでもありますし現にそういう動きは始まっています。

日本には約5,000軒の肥育農家さんがおりまして35,000軒の繁殖農家がそれを支えています。1:7ですね。
これが減って1:3や1:2の状況が産まれるのはあまり好ましくない状態が産まれて来るような気もします。
そうは言っても高齢化や後継者不足。何より経営状態が今まで良かった大規模繁殖まで疲弊していますので少々の補助金が入ったところで離農を防ぐ決め手にはならないかとボクは感じています。

先日、新規就農で牛飼いを始められた方が継続する事を断念したとネットで見ました。
ボクは彼が就農に向けアルバイトしている時にお会いした事があって『牛飼いは止めておけ』と言いました。多分、彼はそういう事を言われた事が無かったのでしょう。困惑と不機嫌そうな態度になりましたが彼の為を思えばこその言葉でした。

ボクの師匠は『ボクは牛飼いしか出来ないから』と言っていました。

牛が好きなだけならばペットとして一頭飼えば良いのです。

畜産経営が出来るような能力があれば他のどんな業界でも仕事は出来ます。休みなく働き経営をしてモノを言わない相手を注意深く見守る忍耐力が無ければ務まらない仕事です。

皆さんはなぜ畜産経営にこだわり、牛で無ければダメなんだと思ったのでしょうか?

多分、我々は明確な答えを持ち合わせてはいませんし黒毛和牛の魅力はそういうところから来ているのだと思います。

次回からはボクの営業マン時代のお話しの予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?