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生産財営業(対組織営業)の勝ち方-1

前回、生産財(体組織営業)の顧客のニーズを「買い手の効用マップ」を用いて説明しました。
顧客のニーズがわかって、提案する内容も明確になっているのであればこんな簡単なことはありませんが、現実はそうとは限りません。

方向性と勝ち方は異なる

よくクロスセルとか市場シェアが低い先を狙うなど営業の方向性は語られることは多い。
しかし、これが実際に実行される段になると、「既存の仕入先が強い」や「顧客ニーズがない」などの理由?(言い訳)が語られ、大概失敗しています。
その要因は、どうやって勝つのかという勝ち方が決まっていないからです。
以前、自社のシェが低いエリアを「空白地」と呼び、そこを攻略先として選定する企業がありましたが、自社が空白地ということは競合のシェアが高いということであり、それは競合が強いという事を意味します。
今まで勝てていないのだから、新しい勝ち方を構築しなければならないはずですが、それが語られることはありません。

勝ち方の議論がないまま個人に依存する

勝ち方はどこが考えるのかと言えば、担当部署かまたは個人になります。
上からは。なんとかするのが営業の仕事だろと言われるわけです。
しかし実際は、担当部署でも勝ち方について議論されているかは疑問は残ります。
提案力強化だといって営業マンを集めて研修を行うように、個人の力量で何とかしようとなるわけです。

そもそも問題がなければ既存の仕入先から購入する

個人相手の営業ならいざ知らず、生産財のような対組織営業の場合は、これまでも記載していますように、既存の仕入先や既存製品サービスで何も問題が発生していないのであれば、新しい仕入先や新しい製品サービスを購入する必要性は全くありません。
まず、これをきちんと認識する必要性はあります。
訪問回数を増やしたからといってどうかなるものではありません。

勝ち方を考える

その上で勝ち方を考えると、大別して二つの方向性が考えられます。
1.新規案件に入り込む。
2.情報収集と提案によって、既存製品サービスの置き換えを図る
2の場合は、顧客に問題を認識されることと顧客変化のタイミングをいち早く捉えることがポイントになります。
2については、次回以降説明しようと思います。

会う価値がなければ相手には会えない

当たり前ですが、開発段階から関与することにより、メーカー指定などを受け優位に商談を進めることができます。
そのためには上流部門に会うことが必要となりますが、これがわかってはいるけどできない、又は相手にしてもらえないという事が多々あります。
「なかなか相手に会えない」という営業マンがいますが、これは会えないのではなく相手が合う価値を感じていないからです。
「新商品のご紹介に伺いたい」と言っても「HPで見る」とか「カタログ送っといて」と言われるのも、HPやカタログ以上の情報提供が無いからです。
結局、会えるかどうかは会うだけの価値がある情報を提供できるかにかかっています。
具体的には、相手が開発上困っていることに対する解決策の提示、オープンではない最新情報、整理された情報などがこれに該当します。
これらをすべて個人に行わせようとするからできないのです。
本当は、営業企画等のサポート部門がこのサポートを行うべきですが、そもそもこのような視点でサポートするという発想がありません。

原則1 新規案件に入り込む

ではどうするか。
解決策の提示はなかなか難しいテーマですが、まず必要なのはノウハウの共有化です。
ベテラン営業マンが仕事ができるのは、ある意味ノウハウがあるからです。
そうしますと、営業マンが聞いてきた顧客の悩みや問題を社内掲示板等に掲載して、全営業マンから解決策をもらうというやり方があります。
この場合、不可欠なのはお互いが助け合おうという企業風土です。
社内の営業マンを過剰に序列付けすると、助け合おうという企業文化は構築されません。
従って、これを推進するために、解決策を出した営業マンを評価するそういう制度を作ってもいいと思います。
情報提供は、専門部署又は専任者を決めて行うことが求めされます。
商社などでは資材がその役割を負えるでしょうし、メーカーであれば営業をサポートする部署又は人がそれを行います。
この場合、必要なの?営業と該当部署とのコミュニケーションです。
営業はまずどのような情報が必要なのかを明確に該当書に伝える事が必要です。
また、顧客にその情報を伝えたときの反応をフィードバックすることにより、さらに情報の質を上げていく活動も必要になります。
該当部署の評価は、基本的には営業がどれだけサポートされているのか。これを評価してフィードバックすることが良いでしょう。



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