ChatGPTに提案して貰った少女キャラで短編小説

《ChatGPTの提案した設定》
【少女の人物像】
・年齢:16歳
・外見的特徴:身長160cm。細身でスタイルがよく、黒髪で瞳の色は明るい茶色。普段はシンプルな服装が多いが、オシャレにも興味がある。
・性格:社交的で明るく、好奇心旺盛。自分に自信があるが、周囲の意見に敏感に反応することがある。友達思いで面倒見がよく、時には自分のことよりも他人のために尽力することもある。
・背景:高校に通う普通の女子生徒。趣味は音楽鑑賞と読書。将来の夢はまだ決まっていないが、何か自分に向いていることを見つけたいと考えている。
・主人公に対する感情:主人公に対して興味を持ち、好意的な気持ちを抱いている。彼女自身もまだ自分の気持ちには自信がないが、主人公との接触を重ねるうちに次第に惹かれていく。

また、キャラクターの名前もChatGPTに「カタカナ2,3文字」という指示で数例提案して貰った中から選択したもの。


《執筆してのコメント》 ※読後閲覧推奨
ChatGPTの提案した「黒髪で瞳の色は明るい茶色」という部分のギャップから着想を得て、「何か特殊なものが見えている」という要素を人力で付加した。ChatGPTに人物設定だけ出力させた場合、そうした要素をコピペするでなく、上手く文中に溶け込ませて自己の文学性と調和を取る作業は十分に人の手の加え甲斐がある、楽しく、結果物のクオリティに対して意義のある創作活動だと思う。


 「またここにいる。」
 休み時間。屋上に登ると、そこにはいつものように彼がいた。スス汚れた金網に背中をくっ付けるようにうずくまって、座りながら脳天をこちらに向けてくる。
 「ねぇ!教室、戻ろうよ。」
 寝癖の付きっぱなしな伸び気味の彼の黒髪がそよ風に揺れる。もっとちゃんとすればいいのにと思う。サラサラな髪質が羨ましい。まるで昼寝する猫のしっぽのようだ。
 「ま、分かってたけどね・・・。私がこんなに誘っても来ない人、君くらいなんだぞー!」
 彼が顔を上げて言い返してきたことなんて一度もない。私がいない時は、顔を上げて何か見たり呟いたり、鼻歌でも歌っているのだろうか。今日もいつも通り。
 「横、失礼しますよー。」
 背中が金網に当たらないように彼の隣にしゃがんで座ってみる。前にセーターの背中に真っ黒な菱形の模様を付けてお母さんに怒られたから。
 「さっきの授業ね、凄かったんだよ。先生が教壇につま先引っかけてすっ転んだの。凄い音してさ、私も我慢したんだけど流石に耐えられなくて笑っちゃった。でもクラスの皆はゲラゲラ笑うからさ、ちょっと先生かわいそうだったな。」
 彼の肩に肩を近付けながら少しずつ、確かめるように体重をかけてみる。こうして並んで座るのが好き。彼がどんな景色を見てるのか分かるから。でも見えるのは変わり映えしない、すす汚れた貯水槽とか、剥がれかかって風に煽られてる注意書きの貼り紙とか・・・。
 「君、気付いてるだろうけどさ、屋上って本来は立ち入り禁止なんだよ。・・・まぁ、こうして簡単に登れちゃうんだけどさ・・・、私たちみたいに。」
 もう少し近く。まだいいかな。もう少し。顔が見てみたい・・・。
 あっ・・・。
 「あっ!」
 彼の重さが消えて一瞬宙に浮いたような感覚になったと思ったら、今度は全身がフッと落とし穴に落ちるような感覚に襲われて彼の上半身ごと倒れ込んでしまった。
 「ごめんね・・・。ごめん・・・。」
 近い。近い。くっ付いちゃった。近いよこれ。どうしよう。悪いことしちゃった。でももうちょっとこうしてたい。もうちょっと。もうちょっと。こうしてたい。ずっと。重いよね。
 「重いよね。・・・よいしょっと。」
 彼はまるで子供の玩具の風船パンチバッグみたいに、自分と磁石でくっ付いたみたいにふわっと上半身を起こして、またいつも通りの体育座りに戻って黙っていた。
 まだ近いよ!
 「えっと、さ。」
 「一緒に教室行こう?授業受けたいよ?それでお昼休みにここ来てさ、一緒にご飯食べよ。なんかあったら相談聞くからさ。ね?」
 本当に彼は何も話してくれない。何も。顔も見せてくれない。さっきだって心の隅っこでは、どさくさに紛れて顔を覗いてみたい好奇心があった。でも彼の顔は膝に貼り付いたみたいに、チラリともその片鱗を覗かせてはくれない。
 見てみたい。
 いつか絶対に見てやる。彼の心を開きたい。彼の何もかもを私のモノにしたい。私も彼に・・・
 「あ!またここにいた!ヒナー!もう授業始まっちゃうよー!」
 「あ、うん!今行く!」
 ミキちゃん達が探しに来てしまった。彼はこうして私と一緒にいるところを見られて嫌じゃないかな。嫌だったら嫌だな。でも、いつかは皆ともお話してほしいな。
 「ごめんね。また来るから。」
 すっかり彼の片腕を抱くような姿勢だったことに気付いて今更顔が熱くなる。
 「・・・君、風邪ひかない?いつも身体冷たくて心配なの。風もあるし。寒いよ。」
 「」
 「じゃあまたね。」

 「ヒナさ・・・、・・・なんでいつも屋上いるの?」
 「うん?別に?」
 「そ、そう・・・。寒くない?」
 「うん、ちょっと寒いかな。」
 「やっぱそうだよね、それにヒナさ、前なんか休み時間の度に先輩達に絡まれて大変そうだったし。」
 「あはは、確かに。なんか人に囲まれてるの疲れちゃうから。」
 「やっぱそうかー。・・・。ヒナ、ってさ、やっぱり気になる人とかって・・・」
 「ちょっとミキ。」
 「だってさぁ・・・。」
 「その・・・、聞いちゃ悪いでしょ。」
 「えぇ・・・でもさ・・・」
 「別にいいよ、ミカちゃんなら。」
 「え!?あ、うん。ありがとう。」
 「あ、私ちょっとトイレ。」
 「あ、行ってらっしゃい。」

 「ミカ。あれは、聞いちゃダメだって。」
 「・・・。」
 「シミの事でしょ。」
 「・・・うん。」
 「聞かなければいつも通り、元気なヒナ、でしょ?」
 「でも!」
 「ヒナにはアレが確かに男の子に見えてる。何度も見たでしょ。分からないのは私たち”だけ”なのよ。ヒナの世界はそうじゃないの。でもそれだけ、それだけが違うだけなの。」
 「・・・うん。」
 「何かあったら私たちで助けようね。」
 「うん。」
 「・・・なんで鍵かけてくれないんだろうね。」
 「分かんない。でもかけても、ヒナは開けちゃうかも。そしたら今気づいてない人にも知られちゃうかもしれない。」
 「うん・・・。あの屋上の、大きな黒いシミ。あれがなんなのかは分からないけど。今は大丈夫。ヒナもいつか気付くかも。でもそれまでは、ヒナを応援してあげよう。あの子があれだけ入れ込んでるんだから。」
 「うん。」

 休み時間に屋上で冷えた指先には水道の蛇口から出る水は飛び切り冷たい。
 「今度、毛布でも持って行って上げようかな・・・。」
 大きな毛布を持ってって一緒に入ってみたりして。ちょっと大胆すぎるかな。
 それにしても彼の身体は冷たかった。それにとても軽かった。
 「もっとちゃんとご飯食べないとダメだよ。私のタイプはもっとこう、ガッチリして、良く食べる人なんだから。」
 お弁当。頑張って作ろうかな。

 ・・・待っててね。

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