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『怒りについて』 まとめ

セネカ BC1〜AD65
『怒りについて』 AD45?

『哲人に学ぶ人類の知恵 怒りについて』2019  
ジェイムズ・ロム 編

・「怒り」は人の感情のなかでは、最も醜く、最も凶暴なものだ。怒りが私たちの中に入ってきてしまってから、うまく制御しようと努めるよりも最初から入ってこないように拒絶するほうがかんたんだ。

・理性が人間の手綱を強力に握っていられるのは、感情から離れていられるあいだだけだ。もし、理性が感情に侵されてしまったら、制御できなくなってしまう。

・怒りが何か偉大なものの役に立っ、などと考えるべきではない。怒りによって、人間らしい考えを超えて夢中になってしまった者は誰でも、自分はどこか、高尚で卓越したところに達していると信じてしまう。怒りはしっかりしたものや、長続きするものからは生まれない。どんなものであれ、心安らかでなければ、偉大なものとはいえない。

・怒りの始まりは、不当な扱いを受けたという感覚だ。時間を置こう。1日たてば、真実がわかるだろう。

・歯止めのない、きりのない贅沢ほど、怒りを育てるものはない。

・怒りに対する最善の治療法は「先延ばしにする」ことだ。怒りの衝動は激しいものだが、しばらくすればいくらか静まってくる。

・わたしたちが怒りっぽいのは、無知か、傲慢のせいだ。どんなことも起こりうると思わなければならない。あらゆることを想定すべきだ。

・害を被ったことを気にしないのは、偉大な心の証だ。ある人から害を受けて、その相手が報復する価値もない人であるように振る舞えば、それは最大の侮辱をもって彼に報復したことになる。

・不正に対して復讐すると、損をすることが非常に多い。むしろ、不正が起きたこと自体を認めないでしらばっくれていたほうが得なくらいだ。

・双方の怒りが燃え上がり、衝突が起きたら、先に退いたほうが勝ちだ。あなたも暴力を使ったら、さらに何度も暴力を振るう口実を相手に与えることになる。もうやめたいと思っても、あなたはもう抜け出す事はできないだろう。

・怒りがひとたび燃え上がって、自らを煽り立てれば、始まった途端に本格的なものになってしまう。怒りは、心を連れ去るのだ。
怒りはとにかく残酷なものであるから、まず、怒らないことが第1。そして第2に、怒りがやってきたら、それを止めること。

・失敗はプライドの高い人に怒りをもたらし、内気で従順な人には憂鬱をもたらす。小さすぎることを引き受けるのもよくないが、自分の能力を超えたことを引き受けるのも良くない。

・口論は口論を引き寄せる。そして、その泥沼にはまり込んでしまった者を掴んで離さない。争いを始めてから抜け出そうとするよりも、争いから距離を置くほうがはるかにかんたんだ。

・自分の病気を知り、それが悪化する前に抑えることは、誰にとっても有益なことだ。だから、自分をもっともイライラさせるものは何か、考えておく必要がある。

・怒りは心の奥底に埋めておこう。怒りを我慢するのではなく、怒りに我慢させるのだ。

・怒りを生じさせたのがどれほどのものだったとしても、怒りを隠すことは可能なのだ。心の中の怒りとは相反する言葉を発することは、けっして不可能ではない。

・自分の感覚をすべて、落ち着いた状態にしていなければならない。わたしたちの感覚には、本来回復する力が備わっている。

・わたしたちの毎日は使い放題ではない。無駄にする時間など無い。それなのに、なぜ、怒りに飛び込んでしまうのか?あなたが他人の死を期待して数えている時間は、あなた自身の死までの時間と同じなのだ。

・生きている間は、人間らしい、優しい心を大切にしようではないか。自分が人の恐れや危険の素にならないように。後ろを振り返れば、死はいつだってすぐそこまで迫ってきているのだから。(了)


【結論】
・人間は怒りを制御できない。
・お互い様という気持ちを持ち、いちいち目くじらを立てない。
・トラブルになりそうな案件は全力で避ける

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