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求めよ、さらば与えられん

2021年11月29日

父が倒れて生死を彷徨いながら
死の淵から戻ってきたと聞いた翌日だっただろうか

父の家の近くに新しい店ができる気配を見つけた

そこは、もともとパン屋さんだったが、なくなってしまってかなりの時間が経っていた

父の家は、大きな郊外のニュータウンにあり
たくさん人は住んでいるものの
歩いて行ける範囲には店はほぼない
買い物は車でスーパーに行かなければいかず
買い忘れたは致命的だった

そんな中、数年前にコンビニが一軒できて
ちょっとしたものはいつでも買えるようになって
すごく便利になったな
と思ってはいたが
なにぶん、歩いていける範囲にはご飯屋さんがない

一軒、メニューは少ないが、食事のできるカフェはあるけれど、そこは週末しか開かないお店

父が倒れてからは、諸所の手続きや家の管理で
父の家に行く頻度が増えた
そこで案外困るのは食事だった

自炊するにしても生ゴミが出てしまう
生ゴミは腐るのでおいておけないので
持ち帰るしかない
それはそれでめんどくさいのだ

そんなところへ
歩いて行ける範囲に新しいお店の気配

どうか、美味しい食事が食べられるお店でありますように!

と姉と半透明のシートのかかった改装中の店の前を通りながら祈った

そして、それから二ヶ月近くが経った頃

その店の半透明のシートが外れていると
姉からLINEで画像が送られてきた


どう見ても飲食店だな!

という確信を持って

何屋さんだろう?

美味しい店だといいな

と姉と一緒に祈った

家の管理、まだまだ体調の安定ない、先が見えない父のことで、父の家に行くことは増える

そこに少しでもワクワクが加われば
楽しい気持ちで父の家に行けると期待をかけた

その後、年が明けた2月にお店がオープン
私たちの願いを神様が叶えてくれたのか?
と思うぐらい
美味しいイタリアンレストランが私たちの世界に来てくれた

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