見出し画像

【2024J1㉓vs鳥栖レビュー】倉田&アラーノでギアアップ


1.はじめに

 3連戦の最終戦。アウェイ鳥栖戦は2−0でガンバの勝利!!リーグ戦は町田に負けたあと、マリノス・鳥栖に2連勝。今のガンバは1度の敗戦くらいではメンタルは折れません。

 試合の序盤は鳥栖のハイプレスを無効化するガンバの保持。前半終盤から後半中盤(40分〜65分)まで鳥栖の時間。そこから流れを取り戻し、試合終了まで攻め続けたガンバ。今回のレビューは、この3つの時間帯(ガンバ→鳥栖→ガンバ)に分けて振り返りたいと思います。

2.スタメン

鳥栖戦のスタメン

 まずは、スタメンです。 
 ガンバは前節(横浜F・マリノス)から2人の変更。アラーノ→山下、松田陸→半田陸。また、ミッドウィークに行われた天皇杯3回戦アウェイ宮崎(2○1)からは5人が変更(ジェバリ、アラーノ、食野、ネタ・ラヴィ、江川→宇佐美、坂本、ウェルトン、鈴木徳真、福岡)となりました。

 一方、鳥栖は得点源のマルセロ・ヒアンがメンバー外になり、累積警告で長沼が出場停止です。鳥栖は主力2人を欠いてのガンバ戦となりました。マルセロ・ヒアンはどうしたのでしょうか。この夏の時期にスタメンだった選手が急にメンバー外になると移籍ではないかと、勘ぐってしまいます。

3.今節のええやんか〜

 いきなりですが、「今節のええやんか〜」です。

ガンバ先制点

 「今節のええやんか〜」は、前半19分のガンバの先制点です。
 ボールを保持しながら相手陣内へ前進したガンバ。FPがほぼ鳥栖陣内に入ってボールを保持します。CB中谷がボランチの背後(ライン間)に立つ宇佐美へ楔のパスが通します。宇佐美が鈴木へ落とし(レイオフ)、大外レーンで幅をとる山下へ展開。山下がゆっくりドリブルをしながら、ハーフレーンに移動した宇佐美とワンツーでDFラインの背後に抜け出しクロス。ニアに走り込んだ坂本がワンタッチシュートでゴール。

 幅をとるWGが縦に急がず、味方がスペース(ハーフレーン)に移動し、味方と連携してポケットに進入する攻撃は、町田戦のウェルトンの先制点と同じでオーガナイズされたボール保持といえるでしょう。

 ポヤトス監督がいう、「4つのスペース」の1つがポケット(カホーン)かなと思います。もう1つはセンターサークル付近だとわたくしは睨んでるんですが、確証はございません。

 前半のガンバがボール保持で鳥栖のハイプレスを回避できていたのは、鳥栖のダブルボランチの背後、センターサークル付近でボールを受けるというオーガナイズができていたからです。というのも、ハイプレスの鳥栖は、ガンバの鈴木とダワンに対し鳥栖の福田と菊池のダブルボランチがプレスに行くため、背後にスペースを与えてしまいます。そのスペースをガンバはGK一森を使って、前進しPA内に進入する場面を何度も作れていました。

前半2分の前進
前半7分の前進
※アイソレーションではなくレイオフです↑
前半13分の前進

 宇佐美と坂本がダブルボランチの背後を立ち位置としているため、ガンバは鳥栖DFラインの第1列と第2列を難なく前進することができました。鳥栖はハイプレスでボールを奪えれば良いのですが、このスペースをどう潰すかを改善しないと失点は減らないのかと思いました。

 また、保持時に中盤が蓋をされると、WGを出口にした高精度のロングパスで一気にプレスをひっくり返すことができるのも、今年のガンバの大きな武器になっています。この試合ではサイドチェンジだけでなく、ハイプレスを無効化する立ち位置も見れたので、そんなところも地味ですが興味深かったです。鳥栖の横山が半田に矢印が向かっているので、その奥の山下へゴロの速いパスで前進です。

プレス回避のパスと立ち位置

4.鳥栖の時間

 前半40分から後半20分頃まで鳥栖のペースになりました。鳥栖の前からのプレスの強度がましたのと、ガンバがプレス位置が低くなったことが原因かと思います。特に、後半に入ってからはトップに富樫が位置したことで、ガンバCBを自由にしてくれませんでした。そうなると、ガンバ陣内でボーをロストしたり、ただ単にロングボール蹴るだけで鳥栖の攻撃が続くことになりました。

 そして、鳥栖はサイドに人数をかけてボールを前進するため、ウェルトン・山下が押し下げられボールの出口をガンバは失ったかたちとなりました。

5.倉田&アラーノでギアアップ

 ポヤトス監督も黙って戦況を見つめているだけではありませんでした。後半19分にウェルトンと山下の両WGに替え、倉田とアラーノを投入。ギアアップして前からのプレスを求めました。前からのプレスをかけることで、ガンバのDFラインは高い位置を取ることができ、鳥栖のビルドアップを前後分断することができました。

後半19分の守備

 上の図は後半19分の守備です。相手CBとSBに牽制をかける倉田。倉田が前に出たところ、朴一圭がSB原田へミドルパスを出しますが、朴一圭が蹴るモーションに入った瞬間、鈴木徳真は自分のマークする福田を捨てパスカットに成功。鈴木徳真の賢さが現れたプレーでした。このパスカットから再びガンバの流れになったように思います。

 本当に鈴木徳真はサッカーIQの高い選手ですね。なぜセレッソで冷遇されていたのか謎すぎです。

 そして、みなさんに思い出してほしいのですが倉田とアラーノのWGです。この並びは昨シーズン連勝していたときの配置です。守備と攻撃とトランジションに強度をだせる2人です。また、サイドに張るWGでなくハーフレーンを主戦場にするWGなのでガンバのSBが高い位置を取ることができるのも思い出してほしいところです。黒川を半田のストロングは大外レーンを上下動することです。とくにこの試合では、倉田が入ることで黒川がクロスにシュートに躍動することができました。

6.おわりに

 後半35分にジェバリと松田陸(宇佐美・坂本OUT)が入ってから、前からのプレスと4−4−2のゾーンディフェンスを使い分け、ショートカウンターからダメ押しゴールをジェバリが決めました。仕上げのリンスならぬ、仕上げのジェバリですね。

 劣勢になっても交代選手で流れを取り戻すガンバ(ポヤトス監督と選手)は、順位にふさわしいチームなのではないでしょうか。

 この試合を最後に、半田陸がパリオリンピックに向けてチームを離脱します。しかし、ガンバには松田陸・岸本・中野がいます。パリオリンピックの決勝戦が8月9日開催なので、最大3試合(湘南・FC東京・柏)不在ですが、まったく心配ございません。

 ゾーンディフェンスが板についてきたガンバ。スカッドも充実しているので、Jリーグ残り15試合と天皇杯も楽しみで仕方ありません。ちなみに、わたくしはアウェイの柏・神戸・ダービーのチケットをゲットしており、現地観戦ができるのがめちゃくちゃ楽しみです。(アウェイ京都・磐田も行きたい!)

 ガンバれ!ガンバ大阪!!
 ではでは~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?