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【2024J1⑮vs川崎レビュー】ポヤトス先生の厳しい指導にこたえた生徒たち。


1.はじめに

 まいど、みやもです。
 今節もレビューを書いていきます。わたくしはガンバサポでございますので、ガンバ目線で試合を振り返っています。試合で起きた現象その原因、ポヤトス監督がその試合に準備してきたことなどをサポーター感情むき出しで書き綴っています。

 毎度毎度、レビューは新鮮さが大事や!と思いつつも、レビューを書き上げるのにとても時間がかかってしまっています。特に、日曜日のゲームでは試合に勝っては祝杯をあげ、試合に負ければやけ酒といった感じで試合後にビールを飲んでしまいますので試合当日にはレビューを書けない現状。

 また月曜日からハードワークしておりますので、DAZNの見直し時間を作ることができず、あれよあれよと言うあいだに次の試合がすぐそこまで来てる状況でございます。

 と、言い訳はここまでとして第14節川崎戦のレビューを書いていきますので、最後まで駄文にお付き合いくださいませ。

2.ガンバ→川崎→ガンバ

2−1ガンバのペース(0分〜15分まで)

 今節のスタメンです。怪我から復帰後、途中出場が続いていた山下が今シーズン初スタメンです。川崎は前節から、山田→ゴミス、瀬古→脇坂、高井→ジェジエウ、ファンウェルメスケルケン際→瀬川と4人のチェンジとなりました。

川崎戦スタメン

 前半15分まではガンバのペースでした。ガンバのプレスが見事にハマり、川崎のパスミスを誘発していました。

 前半1:55です。川崎がGKへバックパスに対してウェルトンがプレスを開始。宇佐美がサイドへボールを誘導する守備で、川崎は外へ外へとボールを運ばされます。山下が川崎の左SB佐々木にプレスをかけることでパスミスを誘発し、アンカーの監視役である坂本のところでボールを回収できました。

サイド誘導の同数プレス

 これは、ガンバの連動したプレスがうまくハマりました。意図したボール奪取だったのでポヤトス監督が準備してきた守備だとわかります。ガンバはボール非保持時は、【4−4−2】でブロックを組み、相手のビルドアップで経由するアンカーを前線(坂本・宇佐美)のどちらかがケアをする形です。坂本・宇佐美も役割分担されていて、ガンバから見て右サイドへのプレスは宇佐美(アンカーを坂本)、右サイドへは坂本(アンカーを宇佐美)といった具合です。

 ビルドアップでは、今シーズン良く見られる半田の偽SBで川崎の第2列を突破し、川崎のファイナルサードへ圧をかけることができていました。下の画像は前半3:54の場面です。 

半田の偽SB

 一森からのゴールキックをCBでつなぎ、中谷が遠野とマルシーニョのプレスを引き込んで門になったところを鈴木へリリース。鈴木がターンをしてポストプレーに落ちてきた坂本へつなぎ、坂本からハーフレーンの半田へ。半田のところで位置的優位&数的優位をガンバの左サイドで作るこができ、半田から山下へスルーパス。このパスは佐々木に対応されてしましましたが、川崎のDFラインに圧をかけることができました。

 ガンバは川崎の前からのプレスを中谷・福岡ーネタラヴィ・鈴木で回避すると、川崎は【4−4−2】のブロックで守備を整えます。そのブロックに対してガンバは川崎のSHとSBの間でWGがボールを引き出して第2列の突破をはかります。ライン間だけでなく、山下を裏へ走らせるパスも中谷から長短おりまぜて出てきます。

山下が出口

 ブロックを形成したときの川崎の前線2枚はプレスの強度とスピードがそこまでないのとガンバのように複数人で誘導するプレスもあまりないので、ガンバのCBは複数の選択肢(アンカー・ハーフレーン・大外)の中から余裕を持ってパスを供給することができていました。

2−2川崎が圧倒(15分〜前半終了)

 前半15分まではガンバのペースでしたが、それ以降から前半終了までは川崎がペースを握り返しました。その要因は2つあると考えます。1つは川崎の右SB瀬川の立ち位置。もう1つは川崎のCBのビルドアップの立ち位置です。

 まず、川崎のCBのジェジエウと大南がPA幅でビルドアップし始めたことでガンバのプレスを空転させました。

PA幅ビルド

 川崎の両CBが幅を取ることで、宇佐美の誘導プレスの距離が長くなります。当然のことながら、走るよりボールのほうが速いので大南に宇佐美のプレスが間に合いません。そして、山下が持ち場(SBの監視役)を離れて「出張プレス」をかけたことにより、左SB佐々木がフリーとなり川崎は難なく前進することができていました。(上の画像は前半19:27です)

 フリーとなった佐々木がドリブルで前進します。ガンバのMFとDFラインが押し下げられ、川崎はゴミスのポストプレーを使いつつ逆サイドまでボールを運び、最後はマルシーニョがPA前でファールをもらいFKを獲得しました。

佐々木の前進で瀬川がフリー

 川崎が左サイドから前進することで右SB瀬川が右ハーフレーンでフリーとなり、ビルドアップの潤滑油となりチャンスをクリエイトすることができました。これが川崎がペースを握り返しました2つめの要因です。

 瀬川がフリーになることで、ガンバの守備が後手にまわり、ISHの脇坂と遠野や右WGの家長が立ち位置で優位性を保つことができ、川崎がガンバを押し込む時間が増えました。

 そして、前半25分に川崎が先制をします。チーム全体で前進する川崎はハーフレーンでのポストプレーで中盤の選手がフリーで前向きにボールを受ける事ができるようになり、先制点の場面もマルシーニョ→橘田、ゴミス→家長とチームの矢印が前へ向いたことでゴールを奪取できました。

 家長の時間と空間を支配した、おしゃれすぎるループパスに右SB瀬川がヘディングでゴールに流し込みました。ゴミスが福岡をピン留めしたことでゴール中央に走り込んだ瀬川がフリーになりました。

 しかし、3分後にガンバはFKから追いつきます。ウェルトンのドリブルを瀬川がファールで止めてしまいました。左サイドからのFKを宇佐美が蹴り、中央の中谷がわずかに頭で触りファーサイドネットにゴール。ゴールセレブレーションはそこそこに、ガンバの選手たちは青空会議を開きボールの動かし方の確認をしていたように見えました。

 今シーズンのガンバが良いところの1つでもある、選手たちのコミュニケーションの多さがあげられるでしょう。うまくいかないときには選手たちで会話し、チームとして意思統一ができています。なので、前線の選手と後方の選手の考えがバラバラになってチームが迷走していることが、ほとんどありません。ここは昨シーズンから大きく改善されました。

 同点後、瀬川が脳震盪で交代したましたが川崎が幅と深さ(ポケットへの侵入) ・中盤の3人が前向きでのプレー・ネガトラでのハイプレスでガンバを押し込み前半終了。ガンバサポは「早く前半終わってくれ」と願う展開になりました。

2−3改善した後半のガンバ

 ハーフタイムにポヤトス先生から生徒たちに厳しい指導が入りました。特に、福岡にはゴミスに対するポジショニングでかなりの指導が入ったとのこと(福岡もポヤトス監督に言い返したと言っていましたが)。このハーフタイムの1件でチームが引き締まったとインタビューで選手は答えていました。

 では、実際にはどのように改善されたのかを考察していきましょう。ここまでで、すでに2990文字。簡潔にまとめたいと思います。

・ボランチの守備
・SBのポジション(ハーフレーン)→WGで幅と深さ
・川崎のメンバーチェンジ

 ボランチの守備というのは、川崎のチャンネルランに鈴木とネタ・ラヴィが対応すること。これによりガンバのDFラインの4人の列が崩れず、クロスにも対応できます。

 SBのポジションについて。ガンバは【2−4】でビルドアップし、【2−4】の【4】のワイドにSBが立ち、WGがハーフレーンに立つことが多いのですが、後半からはミドルゾーンではSBがはハーフレーンにポジションニングし、WGが高い位置で幅をとる立ち位置に変更しました。

 試合後の選手コメントでもありましたが、次の画像のビルドアップで選手間で「これで前進できる」と自信をもてたようです。相手を引き込み中盤にスペールを作って前進です。

前後分断ビルドアップ

 ハーフレーンでサポートした黒川がドリブルで前進して川崎のDFラインをゴール前まで押し込みました。このプレーで自信を持てたのか、黒川が積極的に前に出る回数が増え、ガンバはボールを保持する時間が増えました。まさに、前半に川崎の瀬川がやっていた役回りです。

 そして、川崎は疲労でメンバーチェンジをするたびに連動性が失われチーム全体で前進する機会が減っていったようにも思います。逆にガンバは交代選手がタスクを遂行し、途中出場の倉田がダメ押しの3点目をゲットしました。

3.おわりに

 両チームが自分たちのペースを握る・握り返すという見応えのある試合でした。また、ハーフタイムでポヤトス監督が的確に改善点を示し、選手たちがタスクを遂行したのを見ることができたのも良かったです。

 大阪ダービーの勝利から3勝1分と良い流れに乗っているガンバは次節FC東京とアウェイで試合です。メディアでは「矛(FC東京)と盾(ガンバ)対決」と煽られていますが、ガンバは決してゴール前を固めて守るだけでなく、ボールを保持して自ゴールから相手を遠ざけるサッカー。

 ポヤトス監督は、試合前コメントで「中盤を支配して、数的有利を生かしていくことがポイント。そこで相手にダメージを与えたい。一言でポイントを言うと、自分たちがボールを持つことが大事になる」と話していました。

 FC東京にも勝って連勝といきましょう!
 ガンバれ!ガンバ大阪!!
 ではでは~

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