千都譲司

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記事一覧

シェアハウス・ロック0508

初めて買ったレコード  私が生まれて初めて買ったレコードは、ハリー・べラフォンテのカーネギーホール・コンサート(1959年)の抜粋版『ダニーボーイ』だ。シングル盤。…

千都譲司
17時間前

シェアハウス・ロック0507

『翻訳語成立事情』  表題は、『翻訳語成立事情』(柳父章、岩波新書)のことである。つい最近、古本市の3冊100円コーナーで発見したものだ。まだ、きちんと読んでいな…

千都譲司
1日前
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シェアハウス・ロック0506

【Live】飲み会 in シェアハウス  先週の金曜日は、前に何回か出て来た四谷のライブバー「461」(夫妻)が、我がシェアハウスに遊びに来た。  出迎え後、まず京王堀…

千都譲司
2日前
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シェアハウス・ロック0505

英語がひとつで訳語がいっぱい 前回は、後半でとんでもないことまで言ってしまった。今回は、本来の「近代日本語をつくった人々」シリーズに近いことを申しあげる。まあ…

千都譲司
3日前
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シェアハウス・ロック0504

自然  自然という言葉は、なかなかに手ごわい。  どう手ごわいかを簡単に言えば、翻訳語以前から「自然(じねん)」という言葉があり、nature、もしくはそれに対応する…

千都譲司
4日前
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シェアハウス・ロック0503

『哲学字彙』 『哲学字彙』は、明治14年(1881年)初版の学術用語集である。編者は、井上哲次郎を中心に、和田垣謙三、国府寺新作、有賀長雄の四人。匿名の協力者も多数い…

千都譲司
5日前
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シェアハウス・ロック0502

華英・英華の辞書  福澤諭吉が万延元年遣米使節の軍艦奉行・木村摂津守の従者として咸臨丸に乗り、サンフランシスコに渡ったことは『シェアハウス・ロック0426』(「福澤…

千都譲司
6日前
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シェアハウス・ロック0501

明六社、『明六雑誌』  明六社、『明六雑誌』は、近代日本語の成立に大きく寄与している。もちろん、近代日本そのものの成立にも、大きな役割を果たしている。  アメリ…

千都譲司
7日前
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シェアハウス・ロック2404中旬投稿分

明治時代の言語の断層0411  近代日本語は明治期にそのおおかたが整えられたと思う。だが、その明治期内でも、相当の変遷がある。それを知ったのも、自己流でコツコツ勉強…

千都譲司
8日前
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シェアハウス・ロック0430

【Live】メダカの孵化  先週の火曜日にメダカの諸君のいる睡蓮鉢の水を替え、水草も替えた。その時点では、アナカリスもホテイアオイも3月頭に買ってきたものに替えてあ…

千都譲司
8日前
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シェアハウス・ロック0429

【Live】ツツジも「表」  14日のタケノコ掘りのネタで、今年はタケノコが「表」で、大収穫だったと申しあげた。ところがどうも「表」はタケノコだけではないようで、いま…

千都譲司
9日前
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シェアハウス・ロック0428

森有礼  森有礼は弘化4年(1847年)生まれだから、福澤諭吉とは一回り違う。西周とは二回り近く違う。  私は世代論というものをほとんど信じないが、長幼の序は多少は…

千都譲司
10日前
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シェアハウス・ロック0427

西周(にし あまね)  西周は文政12年生まれなので、福澤諭吉よりもだいぶ年長である。  家柄も、福澤と比べてだいぶいい。西周の祖父の曾孫には森鷗外がいる。津和野藩…

千都譲司
11日前
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シェアハウス・ロック0426

福澤諭吉  福澤諭吉は兄の勧めで長崎へ遊学して蘭学を学ぶ。安政元年(1854年)、19歳であった。後、緒方洪庵の「適塾」で学ぶことになり、安政4年(1857年)22歳で適塾…

千都譲司
12日前

シェアハウス・ロック0425

にせ発明語  漢語っぽい単語、漢字二文字のものを目にすると、まず、江戸末期、あるいは明治期の発明なのではないかと疑う習慣ができてしまった。まあ、それだけ江戸時代…

千都譲司
13日前
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シェアハウス・ロック0424

発明語一覧  今回やるような、網羅的な発明語紹介は、本当はおもしろくない。でも、たまには俯瞰したり、ある程度の速度をもって発明語を扱うのもいいかもしれないと思い…

千都譲司
2週間前
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シェアハウス・ロック0508

初めて買ったレコード

 私が生まれて初めて買ったレコードは、ハリー・べラフォンテのカーネギーホール・コンサート(1959年)の抜粋版『ダニーボーイ』だ。シングル盤。小学4年のときである。これはミラード・トーマスのギターだけで始まる。
 その『ダニーボーイ』が素晴らしかったので、それからはレコード店に頻繁に出入りし、カッタウェイ盤でカーネギーホール・コンサートの他の曲目のシングル盤を買いあさった。

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シェアハウス・ロック0507

『翻訳語成立事情』

 表題は、『翻訳語成立事情』(柳父章、岩波新書)のことである。つい最近、古本市の3冊100円コーナーで発見したものだ。まだ、きちんと読んでいない。きちんと読んでいないものの、この本も、近代日本語の成立を考えることになってからすぐに読みたかった本であると思った。『哲学字彙』と同様である。
 ちゃんと読んでいないので、とりあえず目次を紹介する。
 
1 社会 societyを持た

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シェアハウス・ロック0506

【Live】飲み会 in シェアハウス

 先週の金曜日は、前に何回か出て来た四谷のライブバー「461」(夫妻)が、我がシェアハウスに遊びに来た。
 出迎え後、まず京王堀之内駅の南方2㎞ほどのところにある長池公園に、「見附橋」なるものを見に行った。これは、四谷見附にある橋(いまもある!)を改築するときに、その半分ほどをこの公園に移築したものである。それで、「見附橋」だ。私らがこっちに移住してきて割

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シェアハウス・ロック0505

英語がひとつで訳語がいっぱい

前回は、後半でとんでもないことまで言ってしまった。今回は、本来の「近代日本語をつくった人々」シリーズに近いことを申しあげる。まあ、前回のトンデモは、今回のお話のマクラだと思っていただければありがたい。
 まず、マクラの続きから。
 そもそも、「言語記号の音声(形態)とその意味との間には必然的な関係性はない」わけだから、言語A―意味―言語Bが、そんなにすっきりいくは

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シェアハウス・ロック0504

自然

 自然という言葉は、なかなかに手ごわい。
 どう手ごわいかを簡単に言えば、翻訳語以前から「自然(じねん)」という言葉があり、nature、もしくはそれに対応するオランダ語、フランス語の翻訳語としても、「自然(しぜん)」が選ばれてきたという経緯があるからだ。さらに事情を複雑にしているのは、「自然(じねん)」「自然(しぜん)」が意味的に多くの部分が重なっているからだ。
 自然(しぜん)は英語で

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シェアハウス・ロック0503

『哲学字彙』

『哲学字彙』は、明治14年(1881年)初版の学術用語集である。編者は、井上哲次郎を中心に、和田垣謙三、国府寺新作、有賀長雄の四人。匿名の協力者も多数いたようだ。
 いままで、「近代日本語をつくった人々」シリーズで紹介してきたように、乱立、混乱していた「発明語」「和製漢語」「新造語」「漢訳語」の統一を画するために編纂されたものである。
『シェアハウス・ロック0418』(「渡辺崋山」

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シェアハウス・ロック0502

華英・英華の辞書

 福澤諭吉が万延元年遣米使節の軍艦奉行・木村摂津守の従者として咸臨丸に乗り、サンフランシスコに渡ったことは『シェアハウス・ロック0426』(「福澤諭吉」の項)でお話しした。このときに諭吉は、『ウェブスター大辞書』の簡易版と『華英通語』を購入したこともお話しした。
『華英通語』に、福澤自身が英語の発音と中国語の訳語の日本語読みをカタカナで加えたものが『増訂華英通語』である。これは

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シェアハウス・ロック0501

明六社、『明六雑誌』

 明六社、『明六雑誌』は、近代日本語の成立に大きく寄与している。もちろん、近代日本そのものの成立にも、大きな役割を果たしている。
 アメリカから帰国した森有礼が、明治6年7月(1873年)に、欧米で見聞した「学会」を日本で創立しようと考え、まず「帝都下の名家」を召集するために西村茂樹に相談し、呼びかけを開始した。
 福沢諭吉を会長に推すが福澤は固辞、森が初代会長に就任した。

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シェアハウス・ロック0430

【Live】メダカの孵化

 先週の火曜日にメダカの諸君のいる睡蓮鉢の水を替え、水草も替えた。その時点では、アナカリスもホテイアオイも3月頭に買ってきたものに替えてあった。アナカリスも、今年は冬を越えられなかったのである。
 水を替える際、メダカの何匹かが卵を抱えていたのを見たので、ホテイアオイは念のためスーパーでもらってきた発泡スチロールに移しておき、ベランダの隅にあるストッカーのうえに置いた。

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シェアハウス・ロック0429

【Live】ツツジも「表」

 14日のタケノコ掘りのネタで、今年はタケノコが「表」で、大収穫だったと申しあげた。ところがどうも「表」はタケノコだけではないようで、いままでの時点で、少なくともツツジは今年「表」である。
 私らのシェアハウス近くに、バス通りが走っている。このバス通りの生垣の多くがツツジである。だから毎年見ているものの、今年のように派手に咲いているのは初めて見た。どういうわけだか、私

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シェアハウス・ロック0428

森有礼

 森有礼は弘化4年(1847年)生まれだから、福澤諭吉とは一回り違う。西周とは二回り近く違う。
 私は世代論というものをほとんど信じないが、長幼の序は多少は信じている。そこから考えると、森という人は、傲慢だったんじゃないか。暗殺されたのも、この傲慢がどっかで影響した結果なんじゃないかという気がする。このへんは、触れざるを得ないのでのちほど。
「近代日本語をつくった人たち」という映画をつく

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シェアハウス・ロック0427

西周(にし あまね)

 西周は文政12年生まれなので、福澤諭吉よりもだいぶ年長である。
 家柄も、福澤と比べてだいぶいい。西周の祖父の曾孫には森鷗外がいる。津和野藩の御典医の家系である。
 西周は幼少期に漢学の素養を身につけるものの、天保12年(1841年)から藩校・養老館で蘭学を学ぶ。安政4年(1857年)には蕃書調所の教授並手伝となり、このころ津田真道と知り合う。
 文久2年(1862年)に

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シェアハウス・ロック0426

福澤諭吉

 福澤諭吉は兄の勧めで長崎へ遊学して蘭学を学ぶ。安政元年(1854年)、19歳であった。後、緒方洪庵の「適塾」で学ぶことになり、安政4年(1857年)22歳で適塾の塾頭となる。これは最年少記録である。
 それまでは、この時代の人の例にもれず、漢学である。
 安政6年(1859年)、英語を修める必要を感じ、開港した横浜に行ってみたが、看板の字すら読めず、衝撃を受ける。同年冬、日米修好通商

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シェアハウス・ロック0425

にせ発明語

 漢語っぽい単語、漢字二文字のものを目にすると、まず、江戸末期、あるいは明治期の発明なのではないかと疑う習慣ができてしまった。まあ、それだけ江戸時代までの日本語は、近代を扱えないものだったのである。近代ったって、文明開化(これはまだいい)とか、富国強兵とかの近代だけどね。
 だから、日本語をやめて、外国語を使うようにすればいいなどと、トンデモを言う人も出て来た。トンデモ中のトンデモは

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シェアハウス・ロック0424

発明語一覧

 今回やるような、網羅的な発明語紹介は、本当はおもしろくない。でも、たまには俯瞰したり、ある程度の速度をもって発明語を扱うのもいいかもしれないと思い、今回はあえてそうする。
 西周は、発明語の世界ではむしろ福沢諭吉をしのぐスーパースターである。哲学関連、心理学関連はほとんどが西の発明になると言って過言ではない。
 まず、哲学そのものが、「philosophy」の西による翻訳語である。

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