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シーズン2最終章 「デルタ」(完結)

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2021夏、日本はデルタ株の脅威が訪れる。 そのなかで団 勇もまた、感染する… ついに麗菜と昴は 自らの運命と戦う決心をする… 様々な三角関係が崩れ、また再生する… 2人の未来を…
お値段張りますが、満足できる出来栄えです。 単発売りはしておりません。
¥200
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#ラーメン屋

ラーメン屋 星岡の選択

団 勇は父親の万太郎に呼ばれて、 戸部の星岡に向かった。 「オヤジ、リモートでやろうぜ! ソーシャルディスタンスが取れねぇよ」 「横文字を使うな‼️これがある‼️」 「それ、アベノマスクか?」 「そうだ‼️これさえあればコロナなど 大丈夫だ」 「というわけでな、星岡さん… 非常事態宣言中は店を閉めよう。 我々会員もアンタのラーメンが好きだ。 だがな、世間の目もある…なぁ❓」 「弥生、あとは任せる」 話を聞いて、料理長は厨房に戻る…やはりこの対応だ。 ほんとにウンザリする。

奇人変人一家

「もう、あかんかもしれん」 万太郎は弱気だ。 勇の状態はかなり悪く、命の危機が迫っているということだ。 「あいつなぁかなり不規則な生活をしていたようでなぁ、奥さんがいてくれたらなぁ」 あの役立たず… ソープ嬢になることを許可したのは 父、雄士だった。 私を通さず、直接、父親に頼み、 結婚の話も破棄にした。 法的に、葉月の保護者は父親である 雄士であるから、この手続きはなんら問題なく 私が知らないと抗議しても、後の祭りであり、 葉月はしばらく椎名藍の家に逃げ込み、 高校

あの人の子どもは産みたくありません。

ようやく、葉月が帰ってきた… 露出の高い、赤いニットワンピース… まさしく娼婦だ。 「遅れて、申し訳ありません」 「座りなさい」 そう促すと、正座で座った。 目線は珍しくラーメンを作らず、座っている父親にいっている。 「なぁ葉月ちゃん…勇が大変なんだよ。 もういいだろ。結婚の話、そろそろ再開しよう。 正直言ってな、アンタが遊女になったと聞いて ワシは反対したんだ。でも勇は絶対譲らん言うし、弥生ちゃんからも頭を下げられてなぁ ええお姉さんやないか。な?そろそろ 孝行する時や

娘と話す…

弥生は荷物をまとめて出て行った。 俺は麦茶を出して、葉月の分も注ぎ 渡した… 「あ、ありがとう、ございます」 なんだか、さっきの威勢は鳴りを潜め、 借りてきた猫みたいだ。 「申し訳なかった…家のことも、弥生にすべて任せてたから、色々疑問に感じてたが、 口は出さなかった。イヤ。めんどうだった」 「あの、大丈夫なんですか?姉さんなしで」 「もともと、俺1人でやってたんだ。 そこに、お前たちの母親が押しかけてきて、 死んでからは弥生だ。」 恵まれていたのだな…俺は 「お