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ダライアス達の失敗1

【はじめに】
 ゲームとは何だ?という問いに、簡単に「ルール」であると答える。
遊びのルールを作り出すことが、ゲームを作るという事である。

歴史を飛ばして、いきなりTVゲームまで飛んでしまうが
例えれば、シルバーホークがバブルで、敵が魚から野菜になったとしても
3種のアイテムを集めプレイヤーが、対空、対地、防御を選択しながら
敵を攻略するパワーアップシューティング、多画面筐体物であれば、
それはダライアス以外の何物でもない。

それこそがダライアスというゲームのコンセプトであり、脳内に浮かび
机上で発案されて、モニター上に絵とそのヒットチェックが入って
ようやく成立の是非を確認し、制作作業に入ることができる。
(ダライアス考案者はA.F氏で良いと思う)

ダライアスと言うゲームは、タイトー社では多画面筐体を指していたが
ここではシューティングゲームダライアスを語る。

(1)分岐

分岐マップはダライアスの攻略選択として大事な構成要素である。
それをを当たり前のように遊んだ方たちには、わからないかもしれないが
このゲームのシリーズ化にあたって、これが最大のネックだったはずだ。

これを可能にしていたのは、
専用筐体という特殊性があって成り立っていたのである。

簡単にコストの問題である。
開発予算は、ガンフロンティアが郊外の一戸建てを購入できるのに対して
ダライアスは都内に豪邸を建てられるほどの差がある。

ダライアス1筐体=F2基板約20~30枚分という価格設定である。
それはそのまま使える開発予算に比例してゆく…

つまり高い価格で売れるが故、ソフトのボリュームを保てたのだ。
キャラクターの種類数、背景の種類数、その工程、調整、人件費
ダライアス一本分で、いったい、いくつのテーブルゲームが作れる?
ということになる。

実在の囲碁、将棋盤と違いTVゲームは基板が変わる。
性能が上がれば、全てを1から作り直さなければならない。

  • (2)約束

三画面筐体ではニンジャウォーリーアーズ(+ダライアス2三画面版※)、
というコンバージョンソフトが供給されたことにより、ゲームセンターは
高価な三画面筐体を購入したメリットを得たが、
現場店長たちからすれば、それでもまだ、まだ足りない感覚だったろう。
基本1プレイヤー主流の時代にあって、テーブル三台分からのスペースを
占有し続けるのであるから、入れ替えるソフトが、もっともっと供給され
なければゲームコーナーのレイアウト的に置き続けるのはキツイ。

ダライアスⅡで問題になったのはそれである。
そうであるのに開発部は「新2画面筐体」を売ろうというのである。
各店長たちとしてみれば、その時期は早すぎる感覚だったろう。

開発部としては新筐体を売った方が儲かる。コーナー側としては元が取れて
いないという不満がある。

それでも2画面筐体が発売されたのは、2画面専用のコンバージョンソフトを
供給するからという開発と営業との約束であった。
しかし、それが果たされるのは各コーナーが2画面筐体撤去がはじまる頃
ギリギリにウォリアーブレードを出すという開発姿勢となった。

※これは多くのコーナーが三画面筐体と2画面筐体を入れ替え後に
発表されるので不信は増長する。


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