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話しかけられることの意味

毎日日盤吉方を取るようになって、色々な変化に気付き始めているが、一番面白い変化は「初対面の人に突然話しかけられることが増えたこと」かもしれない。どのケースも全く脈絡なく、他愛ない内容だったり、勘違いだったりする。人によっては迷惑だな、変だなと感じる内容もあるだろう。接客業をしていた時期もそれなりにあるせいか、私にはそういう唐突なコミュニケーションに違和感がないようだ。むしろ私にとっては「話しかけられやすい」何かが自分から出ているサインに思えて、何となく嬉しいくらいなのである。

駅の係員をしていたことがある。それなりに大きな駅で、たくさんの人が行き交う、とても忙しい現場だった。ある時、業務の合間に構内を移動していたら、いきなり見知らぬ人から声をかけられ、感謝されたことがあった。その人は、以前私にとても世話になった、あの時はありがとう、と言ってくれた。しばらく思い出せなかったが、その人と別れてから、以前トラブル対応をした時に出会った人だったことを思い出した。すぐに気付かなかったのは、あの時コミュニケーションを取った同じ人とは思えないくらい、その人の雰囲気が変わっていたからだ。トラブルの内容すらほとんど思い出せないけれど、「声をかけられた」記憶の延長で、ふとその時のことが思い出された。

過去の記憶と最近の出来事から、「声をかけてもらえるというのは、自分の存在を誰かが認知してくれていることの証拠なのではないか」と思った。私と初めて出会って、突然声をかけようと思った人。大きな駅で働くたくさんの係員の中から、時を経ても私という人間を覚えていてくれた人。お互いに知らない者どうし、もう今後一生会うことはないかも知れない。でも、その瞬間お互いにお互いの存在を認識して相手に行動を起こした、ということに、何かしらの意味がある。何を知っているわけでもないのに、私に思わず話しかけたくなる人が現れ始めているとするなら、私が何者かを知って、声をかけてくれる人もまた、これから現れ始めるに違いない。「何かあったらあの人に聞いてもらおう」と、一人でも多くの誰かに思い出してもらえるような存在でありたい。そんなことを思う、今日この頃なのだった。

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