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医療現場にこそシステムを


医療業界ほどレガシーな業界はないだろう。

人間が行う=安全

というような考えが普通にまかり通っている。

これは由々しき問題であり、そしてこの考えによって多くの医療者が疲弊している。
病院に最新システムを導入するのはもはや必須だと感じる。

ここからは強烈な持論を展開していく。
もはや「こいつ頭おかしくなったか?」と思うような内容ばかりかもしれないが、許してほしい。夜勤明けの想像力とはこれほどまでに爆発する。

さて、始める。

このご時世、どう考えたって人間が何かをするよりも機械やAIがやった方が正確で早い。
エクセルの関数を考えたらわかるが、もはや人間業であれを成し遂げようとしたら簡単に数日かかってしまう。しかも間違う。

かなり抽象的なので、現場に落とし込んでこの医療✖︎AIやシステムの事例を、具体的にあげる。
例えば心電図波形の診断聴診の技術血液ガスの判別等はAIや技術で今後は代替可能となるだろう。

一つ一つ書いていく。

【心電図波形】については我々が読むより明らかにAIの方が優れているだろう。
ビッグデータから解析し、今までの事例で同じような年齢の同じような波形が出ていた患者の心筋梗塞の割合、冠動脈のどこがどの程度詰まっているのかまで予想できるのではないだろうか。
「Ⅱ、Ⅲ、AVFのSTが〜」とか、言っていてもそれは人の目でみて判断し、みんなで考えた結果である。
多数決による判断は多くの人の時間を奪い、時に大きな間違いを引き起こすこともある。
また、人間の体というのはそんなに一人一人個人差はないのだから早くAIによる精度の高い解析をしてほしい。

【聴診の技術】は、結局は空気が通る音を人が耳で聞いて判断しているのだ。
それぞれ聞いたことある音も違う。また、聴診器によって聞こえる音も違うのだ。
それでもって患者の肺のどこが潰れているか考えたり排痰の援助として体位ドレナージを行ったりするのだ。
そんなことせずとも、結局は聴診も音=振動なのだから、必ずモニターでその振動を拾えるはずである。
正確な場所につけて、その振動をAIが評価し、適切な体位も教えてくれるだろう。
またその後何分程度は同一体位を行うとか、SATが低下したらFiO2を○%上げろとか、何分後に吸引しろとか、そういうことまで教えてくれるようになるだろう。

【血液ガスの判別】も同じで、結局はアシドーシス か、アルカローシスかを判断し、その後PCO2、HCO3がどれだけ正常値から乖離しているか見て、アニオンギャップの計算だ。
結局は計算や大小によってどちらかを選んでくだけである。AIの得意分野だ。

このように、いろいろなものがAIに代替されていく時代になる。いや、そうならないといけない。
私としては今の状況のまま仕事を続けて、見間違い、聞き間違い、計算間違いなんかで患者さんを危険な目に合わせる方が怖いと思うし、それをしてしまった医療者の心の傷もかなり深いものとなると考える。
システムを開発し導入していくことで、あらゆる不幸が解決されると思う。



そして、システムは時間を大幅に節約してくれる。
私が考えつく、システム導入で時間短縮できることを挙げていく。
(既に導入されているものもあるがお気になさらず)
また、ひとり1台病院用のスマートフォンを持っている前提で書いてく(というかこれからこの「病院でひとりスマホ1台」がスタンダードになると思う)。


『医療者間のチャット機能の整備』

これは医療者同士限定のいわばLINEのようなものである。

例えば看護師から医師への連絡の際

Ns「患者様のご家族が来られました、説明をご希望ですがお時間はいつがよろしいですか?」
Ns「薬が本日で処方切れとなります、処方お願いします」(医師はワンクリックで同一処方が可能)
Ns「数日前から排便なく、胃管の逆流も多い状態です、腹部の張りも強いです。排便時指示をお願いします」

などなど、上げ出したらキリがないが、こうした機能があったらどうだろうか。

医師からの返事はスタンプでもなんでもいい。
看護師にはちゃんと「伝えた」という証拠が残るし、医師側にも「伝えられた」と言う証拠が残るのだ。

今までなら要件を伝えるためにいちいち

「番号を探す」
  ↓
「医師に電話をかける」
  ↓
「電話ができる状況か確認する」
(電話できる状況になく、かけ直すこともザラ)

という手順を踏んでいたのだがそれらが消える。
かなりの時間の効率化であるし、医師もOPEやICの邪魔をされない、一石二鳥である。
また、動画や写真による報告もできれば、医師は現場にくる必要すらない
特に褥瘡やOPE後の創部の状態を報告する時や、突然の痙攣発生時の報告等にも使える。
患者さんも速やかに診察が受けられる。一石二鳥だ。

もう「どんな痙攣だった?」と聞かれて「こんな痙攣でした」と体を張る必要はない。


『モニターや検査データのオンライン化』

先ほどと同じようなことになるが、看護師が検査データや急変時のモニターの状態を口頭で伝える必要がなくなる。
検査データで異常値があればそれを医師にAIで判断して勝手に飛ばしたらいい。
また、担当患者が急変したらすぐに医師の電話に「〇〇病棟の〇〇さん急変」と表示される。
一緒に医師のスマホに波形やその場の様子も表示される。
必要ならモニターとオンラインで繋がり、モニターから医師の声が出れば看護師は急変時の準備をしながら指示を受けることができる。
マンパワーが1つ増えるのだ。これは現場で働いている身としてはかなりデカい。


『医師の指示をもとに自動でケアを上げてくれるシステム』


例えば「血糖値を2時間おきに測定」と言う指示が出るとしょう。
その指示を看護師が忘れないように勝手に指示がPCやスマホと連動するシステムである。
尿量の測定や、知らぬ間に入れられている採血や点滴の指示なんかもすべて管理してくれるシステムだ。
我々はPCやスマートフォンに表示された指示の時間にしたがってケアをしていくだけである。
新しい指示が出たらすぐにポップアップが出てくる。忘れそうな時は音を鳴らせるようなシステムにするとなお使いやすいだろう。
表示の仕方によっちゃ次に何の処置があるのかもわかるし、スライドすれば現在投与されている点滴や薬剤が何時に切れるか表示されたり、それをタップすればその薬剤の効果まで表示されたらどうだろうか、処置を忘れることがないし、そもそも医師の処置を拾う必要がない(簡単に拾えるように設定する必要すらない)。
便利この上ないし、時間の短縮になる。前残業も減る。


『医療器具の補充や点検』


これも必ずやらなくて良い仕事になる。Amazonの倉庫をご存知だろうか。商品の在庫状況や内容はすべてAIが管理しており、さらに運んでくれる。
と言うことは少なくなった商品は教えてくれるし、それをある程度少なくなったタイミングで注文するようにプログラムしておけば人が在庫管理をする必要がなくなる。
かなり効率化が進み、時間が短縮される。さらに、注文ミスもなくなり、誰かが変な責任を被る必要もなくなるのだ。
この在庫管理と話はそれるが、正直な話、内服の準備や鑑別、翌日の注射の準備なんかもすべてAIに任せてしまって、自動販売機みたいにしてしまえば間違えがそもそも起こらない、、、薬の取扱(特に持参薬)に慣れていない看護師がこうしたことを行うから事故が起きると個人的には思う、、、


『モニターコード類の廃止、Bluetooth化』


モニタコードは諸悪の根源である。私たちが働いている救命病棟ではCTやMRI、カテや緊急OPEがしょっちゅうある。
そのたびにコードがぐちゃぐちゃになる。
コードの断線も大きな問題で、必要な時にモニターが表示されないこともある。あり得ないことである。
すべてBluetooth化してくれればこのコード類とはおさらばできる。検査・処置にかかる移動の時間をかなり減らすことができるだろう。
また、そのデータがPCにも飛べば入力の手間も省けて一石二鳥だと思う。


『記録の音声入力化』

正直これはかなり難しいような気もするが、例えばICの内容やご家族の面会の様子は看護師が記録していたりする。
これを音声入力にできたらいかに楽だろうか。
また、スタッフによってはタイピングのスピードにかなり差があるのが現状である。
特に新人NsなんかはPCに慣れていない分、かなりタイピングが遅くタイムロスになっている。音声入力が進めば移動中に記事が書ける。
また音声入力とは異なるが、新人Nsが得意なフリック入力ができれば支給されたスマートフォンから異常な速さで記事入力もできるだろう。
看護記録を作成する時間短縮になる。


『コストの自動入力』


例えば酸素投与量の入力はしているがコストは別にとっているというのが現状である。
また、常時モニターをつけている病院で、心拍数やSpO2の値を入れいてるにもかかわらずモニターのコストを毎日付けなくてはいけなかったりする。
使用した機材に関してもコストのとり忘れが発生してしまうこともしばしばある。
記録を書いているのに「加算」の項目を取らなくてはいけなかったりする。
こうしたものはすべて連携させてほしい。というか入院が決定し、そのベッドサイドの酸素バルブを捻った瞬間にコストが同時に落とされたらいいのである。
モニターを装着したらすぐにコストを取れるようにそれぞれの機械が連携すれば良いのである。
物品のコストのとり忘れがないようにすべてQRコードでベッドサイドでその都度ピッピピッピしてしまえば良いのである。
看護師がいちいち入力する必要はない。


『入院説明の自動化』


入院時の説明は看護師が行なっていることも多い。
これを動画にしたり、すべてペッパーくんに一任することでかなりの時間節約になり、労力が減る。
自宅での生活状況や緊急連絡先の聴取なんかはタッチパネルがあればご家族でも十分に入力できる。その時に大切になるのは説明する方法で

「患者様の救命のために人手が足りていません。どうか入院時の説明はこのロボット(ペッパー君)に任せてもらえませんでしょうか」

と言われたらもう頷くしかないだろう。どう考えても正論である。

まさか

「いや、救命はいいから入院の説明して」

とかいうサイコパスなご家族はいなと思う。


他にも、退院時の会計を電子マネーや自販機型にしたり、OPE室の機械出しや病棟の食事の配膳をロボットに自動でやってもらったり、やれることはいっぱいある。


でもなんで看護師の業務はそうしたシステムに頼ろうとしないのか、そこが問題なのである。
原因をいくつか考えてみる。


原因①「そもそも人間がやったほうが効率が良く安全だと思っている人が大多数」
確かに初期の頃というのは間違いが多い。それこそ病院に導入したAI機器がリコール対象になった場合、患者の命を危険に晒したということで導入した病院も、それを作った企業も大きな責任を担うことになる。それを恐れるのは当然のことだろう。
個人的にとても気になるのは、慈恵医大が2015年から本気で医療のICT化に対して全力で走っていたのに2018年に突然頓挫したこと。
何があったのかはわからないがあれほどの大きな大学が途中でやめるのだから、相当なことがあったことは間違いない。病院内部の人間しかわからない何らかの問題があることは間違いなだろう。

原因②「現場の看護師が経営を知らない」
これは私自身もそうなのだが、病院がどのような経営状態なのがを知らない。
そのため、そういうシステムの分野にどの程度お金を使えるのかがわかっていない。
そもそも7割が赤字経営と言われていいる病院で新しいシステムの導入は至難の技であろう。
また、導入することによるメリットを誰も説明できないことも、院長決済が降りない理由ではないか。
実はこの導入によるメリットを説明することこそが私の役割ではないかと密かに思っているのは内緒。

原因③「システムを作る側(エンジニア)とシステムを使う側(看護師)が別物すぎる。」
システムを作っている人からすると、看護師の業務でどこがボトルネックになっているのかを想像することは難しいだろう。
それこそ現場で働いていないから当然だ。また、看護師もエンジニアがどこまでできるかを把握できていない。
正直ここ10年くらいで人が想像できることのほとんどが実現可能になると言われている世の中だ。
実現できないことを探すほうが難しのだから、シンプルに業務中に困ったことをシステムで解決できないかを日々考えるだけでいいのだが、そこの想像力が圧倒的足りないのだ。
これはエンジニア、看護師、どちらとも勉強不足であると考えるが、その間に入っている企業や病院が、そこを繋ぐ人間をきちんと用意する必要があると思う。


さて、原因と言う名のスーパー持論を展開したが、これらの原因がもし取っ払われて、今までざっと挙げてきたものを本当に導入することができればかなりの業務短縮になる。

①医師への指示受け
②医師への処方依頼
③医師へのバイタルや検査値の報告
④医師の指示の転記・手入力(前残業の短縮)
⑤自動で処置を表示する技術によりミスの減少(インシデントの減少→報告や対応、始末書作成の時間が不要になる)
⑥補充や点検
⑦コード類の整理により患者の移動時間短縮
⑧自動記事入力による記録時間の短縮
⑨処置やコスト入力時間が無くなる
⑩入院時の説明が不要になる

夜勤明けの頭で考えたこれらの項目だけでもかなり時間の短縮になる。
これらを数値化し、どれだけ看護師の業務負担が減るかを計算する。
残業代や離職率と絡めたり、医療事故の件数がどれだけ減るかを計算したり、有給や育休のとりやすさがどれだけアップするかも考えてみる。そこから病院の評判や経営改善に持っていくのが一番良いかと考えている。
こうしたことをもっと具体的に考え、実際に数字として落とし込み、システム導入のきっかけにしてもらう必要がある。

こうしたことをそろそろ本気で考えていかないと、看護師は疲弊し、ただの労働マシーンと化してしまう。
それだけはイチ看護師としてどうしても避けたいいのだ。

ここまで色々言ってきたが

「看護師が暇になって何をするの?」

という疑問が湧いた人もいると思う。

「今までも業務は回ってきたし、今のままでもなんとかなるだろう」

と思うかもしれない。

でも、ちょっと待ってほしい。みんな忘れている。
思い出してほしいのだが、我々は看護師である。何でも屋ではないのだ。
システムによって時間が空いたわけではなくて、みんなが忘れかけていた「看護」を取り戻すことができる。

だが、そもそも「看護とは何か」と問われて何か思い浮かぶだろうか。
正直自分も今はパッと思い浮かばない。

それほどに我々は看護師として働いていながら看護を忘れるほど業務に押し潰されているのだ。
今の業務から解放された時、本当の意味で「看護学」が一気に発展すると思っている。
その時に、専門看護師や、看護修士の方々が今、泥水を啜りながら研究をしている看護学が花開く。

業務に追われず、患者さんの声に耳を傾け、皆んなで一緒にアセスメントをして、患者さんを中心に医療のネットワークを形成する。これこそ看護師の理想とする姿ではないだろうか。

今は本当に業務に押しつぶされそうになりながら毎日「業務」をこなしている。
そのため、看護師は個別性もなくロボットのように毎日働いている。でも、

今一度、自分たちがやっている業務が本当に看護師がやる必要があるのか考えてほしい。
それを考えるだけで自分たちがいかに無駄で不要な仕事をしていいるかに気付くことだろう。
その少しの気付きこそが、一番大切にしてほし気付きである。その気付きはちょっとした「違和感」かもしれないがその違和感はとても大切な気付きである。絶対に看過して欲しくない。

少しの違和感でも、改善の余地はないか少しでも考えてみる。
そこにシステムが入る余地があれば、全力でシステム化していこう。

医療業界にシステムを導入し、それをいち早く使いこなすことが現在の業務優先の看護体制に終止符を打つ唯一の手段だと思っている。

全員で現場から医療を変えて行こう。

明けは眠い。そろそろ帰ろ。マクドナルドの端っこより。(今日もマクドに大迷惑)

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