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クラブ経営について98

 リスペクトコラムです。(元記事:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20230809
 いろいろネットで観ていたら、「スポーツ界に新風」「謎の会社」というコラムが出て来たので、面白そうなので読み込んでみました。すると、最近まで「MYFC」というビジネスモデルでサッカークラブを運営していた藤枝さんの創業者の方でした。コラムではMYFCではなく、「プロクラブの多店舗展開」という耳慣れない言葉が出て来たので、とても興味を持ちました。4年前のコラムですが、確かこの情報以前にリスペクトしたような気がしましたが、去年藤枝さんがJ2昇格した時のリスペクト記事で少し取り上げていました。藤枝さんに対しては、最初の頃は変わった経営のやり方だなぁというイメージでしたが、今やJ2クラブ。順位も現在12位で地元岡山の一つ下で、1年目にしては大健闘。
 創業者である小山氏がどういう思いでMYFCを作っていったのか、とても興味を持ちました。改めて掘り起こして読んだコラムでしたが面白く、読み応えのあるコラム(インタビュー)でした。

【スポーツ界に新風、プロクラブの多店舗展開目指す“謎の会社” スポーツX・小山淳社長インタビュー(前編)】
「スポーツXがどのような企業かはあまり知られていないが、2017年10月に設立され、将来のJリーグ入りを目指す『おこしやす京都AC』の親会社でもある。同クラブの社長は、東京大学出身の元Jリーガー・添田隆司氏で、2018年に25歳の若さで就任して話題になった。このように日本のスポーツ界に変革の波を起こしているスポーツXを率いるのが、ミャンマージャパンフットボールディベロップメントのPresident & CEOも務める小山淳氏だ。スポーツXは何を目指しているのか。」
〔世界でも類を見ない「クラブ経営をフルパッケージで提供する」企業〕
「-まずはスポーツXがどのような会社なのか、簡単に教えていただけますか。
小山 我々は『咲かせようスマイルつなげようスポーツで」という経営理念の下、『プロスポーツクラブ多店舗展開』『経営支援事業』『投資事業』『人材開発事業』という4つの事業に主に取り組んでいる企業です。それぞれの事業については後ほど詳しく説明していきますが、多数のプロスポーツクラブの経営に携わり、経営力でチームを勝たせる強化体制を構築したり、プロスポーツクラブの経営人材や指導者の育成、あるいはスマートスタジアムの開発事業などを行ったりしています。
 この領域に関する主な実績としては、2009年に創設して5年間でJリーグ入りを果たしたJ3の藤枝MYFC(現在は地元企業に経営権を譲渡している)や、当社の社員でもある添田隆司が代表取締役社長を務めているおこしやす京都ACなどの事例を挙げることができます。」
〔10歳で「JFA会長」を目指す〕
-小山さんは、なぜスポーツXという会社を設立し、このようなビジネスに取り組んでいるのでしょうか。
「(10歳の時の夢である)JFA会長になるには日本代表に選ばれるのは当然のこと、海外でプレーするような選手にならないといけない。そのためには高校サッカーで優勝しないといけない、そのためには中学校、小学校でも日本一にならないといけないと考えていきました。そのように進むべき道が決まると、サッカーをプレーするのも一層楽しくなっていき、中学生の頃にはアンダー世代の日本代表にも選出されました。」
「順調に歩んでいたのですが、大学1年生のときに大きな怪我をして、思うようなプレーができなくなってしまいました。そこで日本代表選手になり、JFA会長になるという夢が絶たれてしまい、大学3年生のときに早稲田大学を中退することにしたんです。」
「(バックパッカーとして世界33ヵ国を放浪し、)『何か新しいコトを起こして、それを世界に広め、世界から貧困や不平等をなくしたい』という思いを抱き、帰国後に会社を設立することにしました。
-それがスポーツXということですか?
小山 いえ、そこで設立したのはインターネット関連の会社です。当時すでにインターネットやITは世の中に浸透し始めていましたが、今後さらに重要なキーワードになっていくだろうと考えたのです。」
「10歳の頃に抱いた夢を思い出したんです。当時会社の業績は良かったのですが、世界を変えられるほどのパワーを持っていたわけではありません。でも、スポーツの力を使えば世界を変えられと感じて、スポーツビジネスの世界へと飛び込むことにしました。」
〔ファンがプロスポーツクラブを運営する「マイフットボールクラブ」〕
-スポーツビジネスの世界に飛び込む決意をして、まず何に着手したのでしょうか。
小山 いきなりに感じるかもしれませんが、クラブを創ることを考えました。その頃英国で、『マイフットボールクラブ』というサッカーファンが運営するWebサイトが、サイト上でひとり当たり1万円ほどの資金を集め、当時7部リーグに在籍していたエブスフリート・ユナイテッドFCというクラブを買収したという事例がありました。クラブの運営方針などもサイト上で議論をして決めていくというものなのですが、日本でも同じことをやれないかと考えました。」
「母体となるクラブが決まってから、まずは無料会員を集めたところ4000〜5000人ほどが会員となり、元日本代表の釜本邦茂さんなども興味を示してくれて総監督になってくれましたし、同じく元日本代表の斉藤俊秀さん(2009年〜2013年までは選手兼監督)が入団する際にはインターネットでアンケートをして入団の賛否を問うということもしました。
 ただ、実際に有料化をしていく段になると60人ほどしか残らず、当初思い描いたマイフットボールクラブの形は実現することはできませんでした。」
〔藤枝MYFCは多店舗展開のマスタークラブ〕
「-『マイフットボールクラブ』の構想は実現しなかったものの、藤枝MYFCは創業からわずか5年という史上最速のスピードでJリーグ入りを果たしました。
小山 話が前後してしまいますが、当時の私としては特定の地域にこだわるというよりも、将来的にクラブを多店舗展開していくためのマスターとなるクラブを作りたいという思いが先にありました。最終的に世界中にプロスポーツクラブを展開することで、そのクラブがある地域の人々を豊かにするという目標があったからです。そうした展開をしていくためには、資本金が少なくてもしっかりと黒字経営ができ、それでいて教育面なども含めて地域にも貢献しつつ、勝てるクラブを目指しました。それが藤枝MYFCです。」
「-ある程度の結果が出ていた中で、藤枝MYFCは2017年に地元企業に経営権を譲渡することになりました。
小山 スタジアムをJ2基準に改修していくためには、そうした方が都合が良かったからです。クラブに携わり続けたい思いはあったので残念でしたが、一方で世界中にプロスポーツクラブを多店舗展開していくという目標もありましたので、そのような決断に至りました。その後、次のステップに進むために2017年10月にスポーツXを設立することになったのです。」

出典:日経クロステック

 前編でした。サッカークラブは1つでも経営は一筋縄でいかず苦労ばかりなのに、多店舗展開ですか。藤枝さんは2009年の創設からわずか5年間でJリーグ入りを果たしたのですね。確かに関係者誰もがうらやむ早さです。残念ながら、MYFCシステムはその後断念され、地元企業に経営権を譲渡したとの事。そして確か、2年前に天皇杯でジャイキリを起こしたおこしやす京都さん。その親会社なんですね。

【スポーツ界で「ソフトバンクの群戦略」、スポーツXが目指す未来】「『クラブ経営をフルパッケージで提供する』という、世界でも類を見ない事業に取り組むスポーツX。これまで、J3の藤枝MYFC(現在は地元企業に経営権を譲渡している)や、将来のJリーグ入りを目指す『おこしやす京都AC」などのクラブ経営に携わった実績を持つ企業だ。同社は今後、日本だけではなく世界中をフィールドにプロスポーツクラブの多店舗展開に取り組んでいくという。代表取締役社長を務める小山淳氏のインタビュー後編では、より詳しい事業内容や、スポーツXが目指す未来について紹介していく。〔アーセナル以上の生徒を保有するスクール展開〕
-スポーツXの事業内容について詳しく伺いたいと思います。まず『プロスポーツクラブ多店舗展開』について、具体的にどのような取り組みをしているのか教えてください。
小山 文字通り、日本中・世界中に数多くのプロスポーツクラブを作り、スポーツの力を通して地域に貢献していこうというものです。藤枝MYFCの場合は私のマンパワーで進めていた部分が大きいのですが、現在当社が関わっている関西1部のおこしやす京都ACを通して多店舗展開のための標準的なノウハウを構築しようとしています。」
「この事業については、トップチームの経営はもちろんですが、スクールなどのアカデミーやスタジアムに関する取り組みなど、フルパッケージで提供していくことを目指しています。」
〔10年で300クラブの経営に携わることを目指す〕
-ここまでお話を伺ってきて、これまでにない事業を実施していることに改めて驚きました。
小山 今後もスポーツを通して様々な事業に取り組んでいきたいですし、投資も積極的に行っていきたいと考えています。先ほど『スポーツ界のマッキンゼー』と言いましたが、戦略的に参考にしているのはソフトバンクです。ソフトバンクは、20〜30%ほどの出資比率で、投資先に対して必要以上に口を出さず、無数のソフトバンク関連企業を作っていく『群戦略』と呼ばれる戦略を採っていますが、ああいったことをスポーツ界でもやっていきたいと考えています。
-戦略としては『スポーツ界のソフトバンク」を目指すということですね。では今後のスポーツXの目標を教えてください。
小山 数字的なところで言うと、今後10〜12年以内に国内外で300のプロスポーツクラブの経営に携わることと、スクール事業を通して1000万人のデータベースを作ることを目標に掲げています。先ほどお話したように、スクール事業は我々の事業の柱のひとつですが、幼い子どもたちのバイタルデータをしっかりと取得していくことができれば、人々の健康や幸せに役立つことができると思うので、これも今後10年ほどで実現していきたいと考えています。

出典:日経クロステック

 多店舗展開では、日本中・世界中に数多くのプロスポーツクラブを作り、スポーツの力を通して地域に貢献していこうという思いがあるようです。全国にプロクラブを作る、10年で300クラブの経営に携わるというのは目標がデカいですね。300クラブとなれば、単純計算で岡山県にも6クラブできている事になります。えっ、そんなにと驚きました。
 藤枝さんにしろ、京都さんにしろ、まだ事業規模は大きくありませんが、近い将来大化けしたら、すごい事になりますね。スポーツ界のソフトバンクという例えも面白い。ソフトバンクさんは大きな赤字経営だそうですが、頑張って欲しいと思います。面白いコラムでした。
J2藤枝公式HP:https://myfc.co.jp/
おこしやす京都公式HP:https://ococias.kyoto/
スポーツX公式HP:https://sportsx.jp/
J2藤枝関連⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20221224
   〃  ④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20221224
   〃  ③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20210602
   〃  ②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100130
   〃  ①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090124
#がんばろう日本

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