ボカロ作曲講座⑥マスタリングの方法 "21年版"

 どうもこんにちは!ネクストブレイクボカロP(自社調べ)のJOJOPです。
今回の講座では、前回で完了したミックスの次、最後の段階である「マスタリング」の方法について、お話いたします。
これが終われば曲完成だからね!あとひと踏ん張り、頑張りましょう!!

・何故マスタリングが必要なのか?
 さて、今まで5曲作ってきた中で、ようやく作曲・ミックス・マスタリングの区分が分かってきたのでご説明しますと、

1. 作曲:音作り、フレーズ打ち込み、録音をして「曲の要素」を作る段階。ここでは各トラックの音量や周波数帯域がバラバラなので聴きづらい・曲としてまとまりがない

2. ミックス:各トラックの音量・周波数帯域をコンプレッサーやEQを用いて調整する。またリバーブ等の空間系エフェクトを用いて曲としてのまとまりを持たせる。しかし全体的な音量・周波数帯域は未調整

3. マスタリング:ミックスで一つにまとめた音源の音量・周波数帯域を微調整する。また音量の底上げをして「音圧を上げる」

という分類になっております。
なので、ミックスの段階で音量や周波数が完璧に仕上がっていればマスタリングは必要ないのですが、自分は神の耳を持っていないので基本的にはマスタリングを行います。

画像1

 上のトラックがマスタリング前、下がマスタリング後の音源のインポート画面です。マスタリング前だと音量が大きい時と小さい時の差が大きく、余白が多いことが分かりますよね。
 マスタリングでは、大きな音量にコンプレッサーをかけることで曲自体の音量を上げ、曲全体としての音量の平均値を上げます。マスタリング後のトラックは音量の余白が小さくなっているのが分かりますね。(これを海苔波形と言います)
 つまり「平均的に音量が大きい状態」になるので、例えばバラードなどサビとそれ以外で音量差をつけたい曲で音圧を上げ過ぎると、曲の良さが失われる可能性がありますので注意です。何事も適度が肝心ですね。

・マスタリングの流れ
1. Ozone9を挿す
2. Invisible Limiter Nanoを挿す
3. SPANを挿す
終わり!!

1. Ozone9を挿す
自分が持ってるのはElementsなのですが、それでも非常に役立ってます!
まずMaster Assistant機能を使って解析(Intensity:High Destination:CDの音圧高め設定)、できたら各項目をちょっと調整します。
EQ:基本的にマスタリング段階では大幅な調整は行いません。大きく調整する必要があるということはミックスが上手くできていないということなので・・・。例えば今回はギターの低音を少し増やしたかったので、300Hzあたりを広い範囲で1dBほど持ち上げました。
Imager:少しだけかけてあげることで音が広がって立体的になり、バンドのアンサンブル感・グルーブ感が出ます。
Maximizer:上限がきっぱり決まっているコンプレッサー。これで音量の底上げを図る。

2. Invisible Limiter Nanoを挿す
Cubase Proを買った時にしれっと付属していたマキシマイザープラグイン。つまみを回すだけの簡単仕様で自然に音圧が上がります。Ozone9の後に追加でかけて音圧マシマシ!

3.SPANを挿す
周波数とRMS(平均音圧)を確認できるフリープラグイン。
主にRMSを確認し、9後半くらいになるよう2のInvisible Limiter Nanoを調整します。『ミックス&マスタリング 音圧アップのカギは「EQとコンプ」』でも使用を推奨していたため使い続けてます。

と、ぶっちゃけEQ→Imager→Maximizer1→Maximizer2という流れで刺しているだけなので、全然難しいことはしていません。むしろできません(笑)

それだけでも、聴感を損なわず音圧を上げることが出来るので
良いプラグインを使うことが良いマスタリングへの近道なんでしょうね・・・。

・まとめ
 ここまで、マスタリングの意義と方法をお話してきました。
いかがだったでしょうか?
正直EQなどの細かい話はせずにざっくりした内容しか書いておりませんが、
少しでもマスタリングの参考になれば嬉しいです。
とりあえずOzone買いましょう!!

以上、JOJOPでした。Enjoy~♪


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