「食」を通じた自己紹介

昨日、SBU18ラボで高校生に”「食」を通じて自己紹介せよ(600字以内)”という宿題を出した。高校生が書いてきた文章がとてもよかった。「回転寿司に行ったら3つのネタをループして他のネタには手を出さない」ことから自分の性格を読み解いていたり。自分の性格をツラツラ聞くより、人柄がよっぽど伝わる。
自己紹介とは奥が深い。

さて、自分も面白がって書いてみた。
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「食」についてめっぽう興味がない。SNSに今日食べたお寿司や焼肉の写真をアップする友人のアカウントを、ここだけの話、表示しない設定にしたこともある。ひどい。自分の「食」に関しても、とりあえず何を食べるか迷ったらドトールのミラノサンドBを食べると決めているし、月に5回は食べている。そして、それで満足する。それくらいこだわりがなく「食」には興味がない、と今まで思っていた。

 しかし最近、「食」でテンションの上がった出来事があった。山梨県の小淵沢の古民家に泊まった時に、道の駅で買った朝採りであろう筍で作った筍ご飯である。ネットで調べながら、なんとかお米のとぎ汁で筍のアク抜きを2時間ほどし、そこから実家の母にLINEでレシピを聞いた。もちろん、インターネット上にたくさんレシピがあるのは分かっていたが「あの味」を再現したかった。すると、「筍と油揚げを別茹でして、その煮汁でご飯を炊くのがママ流」との返信。

 炊飯器からは、途轍もなくいい香りがした。仕上げに、庭にあった巨大な山椒の木から若葉をつんだ。「山椒の葉っぱを手のひらに乗せて叩くと、いい香りがするのよ」と、もはやLINEをしなくても聞こえてくる母の声。小学校の時から体に染み付いた記憶が蘇ってくる。

 つまり、何を食べるかには興味がないが、どうやって、誰とそれを食べるか、という体験にはすごぶる興味があるというコトだ。最近言われている「モノ」から「コト」へ、ご多聞に漏れず自分もこれなのだ。

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