見出し画像

ドラフト、社会人&大卒と高卒

近年のドラフトにおいて即戦力と期待される社会人、大卒からの入団選手が新人年度で殆ど活躍できていない現状に、何かヒントはないかと少しだけ遡って調べてみました。

着目した点は大卒でドラフト指名された選手が高卒時点でプロ志望届を出していたかどうかを検証(投手中心、野手数名)

2015年ドラフト指名選手(高卒年度2011年)

桜井、中川、今永、岡田、原、上原、高山(高卒時志望届提出せず)※以後未提出

青柳、多和田(志望届提出も2011年ドラフト指名漏れ)※以後指名漏れ

2016年ドラフト指名選手(高卒年度2012年)

吉川、畠、田中、佐々木、加藤、濵口、柳、大山(未提出)

※柳と同じ横浜高校の田原は ’12ドラフトで巨人育成1位指名

小野(阪神)2012年指名漏れ

2017年ドラフト指名選手(高卒年度2013年)

東、馬場、鍬原、髙橋礼(ソ)(未提出)

高橋遥人(阪神)2013年指名漏れ

2018年ドラフト指名選手(高卒年度2014年岡本世代)

髙橋、清水(ヤ)、上茶谷、甲斐野、松本(西)(未提出)

髙橋と同期入団の高卒(直江、横川、戸郷)

指名漏れなし

2019年ドラフト指名選手(高卒年度2015年)

森下(未提出)

吉田大(ヤ)2015年指名漏れ

2020年ドラフト指名選手(高卒年度2016年)

山崎、山本、早川、佐藤、入江(De)、鈴木(ロ)、木沢(ヤ)(未提出)

※入江は作新学院で今井と同級生、今井は提出し2016年西武入団

平内、渡部(西)2016年指名漏れ

※ちなみに2016年高卒で入団した高卒投手

高田、大江、堀岡、今井、山本由、高橋昂、藤平、藤嶋、寺島、堀


毎年高卒の指名人数は多いのですが、反面高卒で志望届を提出して指名漏れ後、大学や社会人を経てプロ入り出来る投手は少ないように思います。そして未提出で大学進学しプロ入りした投手の高校時の全国的知名度が意外に低いという印象でした。要するに高卒時実力、知名度が共に高く志望届を提出している投手はほぼプロ入りするわけですが、そこで一度ふるいにかけられ指名漏れした選手が大学や社会人に進んだ後プロに指名されるというのは結構狭き道なのではないかと考えます。何故なら四年後には四年後の高卒有力選手、高卒時志望届を提出せず進学した同級生選手と再びドラフトという同じラインで指名を待つことになるので狭き道になるのは当然ともいえます。

志望届を提出せず進学した選手の進学理由は様々だと思いますが、4年間プロで研鑽を積むか、その4年間を人生設計の一つとして学歴も視野に入れた4年間にするのかというのは大きな違いだと思います。また特に高校時全国大会未経験者や、たとえ経験していても自分の実力に疑問符を持つ選手にとって、全国から選手が集まる大学野球は日々身近に感じられる全国レベルにもなり、それを経験してからプロを考えるという意味では4年間という月日が決して回り道ではないと言えます。

ただプロ側としては大卒、社会人には当然即戦力として期待しているわけで入団後何年も育成しなければいけなくなると当然戦力のダブつきが生まれ、結果その選手自身のチャンスも削がれてしまうという悪循環に陥ります。例えば今年守備が上手く打撃も佐藤級の二塁手が入団していたらもう尚輝の出番はないはずですし、尚輝自身もその期待をされて入団したのですから5年目でレギュラーが確定されないというのは球団にとっては誤算でしかないと思います。投手にしても何人か支配下から育成契約というあくまでもルールに則った裏技を使っていますが、本来の育成の意味からかけ離れているのは事実であって育成という枠がなければ戦力外になっていてもおかしくない話なのです。

岡本を例に挙げても彼は高卒4年目で4番の座を射止め5年目からはほぼ不動という地位を手にしました。大卒として考えても即戦力以上の働きです。彼については稀な存在だとしても高卒のドラフト下位投手が鳴り物入りで入団した大卒投手より活躍しだすと、ファンがスカウティングに疑問を持つことは何も不思議ではないと思います。ただ年々大卒投手の質とレベルは低下してるのではないかという肌感覚があるのが現状ではないでしょうか。

平内だけに限って言うと高卒時指名漏れしたという事は、高田や大江、そして育成入団した堀岡より評価が下だったという判断ができます。大江は言うまでもありませんが高田と堀岡はまだ結果という点では劣ります。それを考えても平内には即戦力として期待していただけに現状は残念ではありますがきっと大きな戦力となって一軍に上がってくることを信じて待ちたいと思います。

最後に、大卒の指名に関して。大学によって偏りがあるのも現実だと思います。あるのかないのか想像の域を越えませんが、指名したいのにできない大学、あるとしか思えません。過去の強引なやり方で大学側とまともに交渉できないでいる事実がもし本当にあるのだとしたら悲しい事ですし、それもジャイアンツ自身が過去にやってきたことの因果応報なのでそれは少しずつ払拭していく努力をするしかないでしょう。明治の即戦力投手を指名できる日は来るのでしょうか.....。

最後までありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?