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闇鍋コロッケ選手権

闇鍋(やみなべ)とは、それぞれ自分以外には不明な材料を複数人で持ち寄り、暗中で調理して食べる鍋料理。通常では鍋料理には用いない食材が利用される事が多い。食事を目的とした料理というよりは遊び、イベントとしての色彩が濃い。基本的に一度自身の皿に取った物は食べなければならない[1]。

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私は怠惰故、変化のない暮らしを送る方が安泰だという信念のもと勤めて7年が経つ会社の昼食のこと。
給食というのか、配食というのか、そんな形式だ。
メニューは日替わりであるがしかし7年も務めていると良くも悪くも、いつもの味と感じてしまうのは当然の話で、もう見ただけで味がわかるようになってくる。

ただ一つ例外として主菜のポジションにコロッケのような揚げ物が鎮座していることが多く、食べるまでそれが何か分からない。食べてからもそれが何なのか全く分からないこともある。これらを“闇鍋コロッケ”と称し、主観でのベスト3とワースト3を発表していきたい。


早速まずはベスト3



第3位 牛肉コロッケ

言わずと知れた最もスタンダードなコロッケ。
牛肉コロッケとは良く言ったもので、視認できないほどの牛肉しか入っていない。牛肉なのかどうかも定かではない。美味とも言い難く、安いコロッケが冷めたんだなという食感と味だ。
ソースをかけてちょっと無理すればギリ米いける。
馴染み深い存在という一点のみで第3位に消去法でのランクインとなった。

第2位 コーンクリームコロッケ

カニがいい。が全然美味しい。
想像の通り安いコーンクリームコロッケが冷めたんだなという食感と味。
個人的にイける口なので助かるが、こいつがおかずのエースとして起用されるのはナンセンスだと思う。し、カニがいい。
白米を味噌汁で流し込んだ後に食べるのが最適だろうか、というかそれぐらいしかやりようがないように思える。

第1位 ハムチーズペッパーフライ

ほんまに美味いこれ(笑)
コロッケの範疇を超えてしまったがこれだけは許してほしい。
初めて口にした時の感動と衝撃は今でも鮮明に覚えていて、一人その美しき断面を見つめ、少し泣いた。
もちろんGACKTやROLANDなどの美食家が太鼓判を押すことは断じて無いにしてもその荒々しさがいい。
今後とも配食フライ界の王様として君臨し続けてほしいと強く思う。次はいつ食べられるかな


さて問題のワースト3



第3位 牛肉コロッケ

さっきも見たあのコロッケ。
こいつの良さをもっと感じとってやりたいのは山々、どうも難しい。
彼は原点にして頂点とでも自負しているのか、勘違いも甚だしいように感じる。
素朴のラインを突き破った味の無さ。
舌が裏返ったのかと思うほど味がない。
理想のコロッケの条件として挙がるホクホクをモサモサに、サクサクをキシキシに、のみならず旨みや甘みも皆無。
これは全ての闇鍋コロッケに通ずるかもしれない(ハムチーズペッパーフライは除く)。


第2位 ミートソースコロッケ

考案者に名乗り出て欲しい。
一度は腹を割って話したい。
言いたいこと、聞きたいことが山盛りだ。
特別ミートソースが苦手という訳ではない私に強烈な敵意を持たせるとは大したポテンシャルである。
歯触りや舌触りが苦手なのか、古の記憶が正しければドラえもんチョコプリンのようなテクスチャに仕上がっていてどうもそれが薄気味悪く、僅かなマカロニの端くれも何が狙いなのか、我々を惑わせる。
群衆はそれにウスターソースをかけ、シビアな面持ちで喰らう。この現象を私は闇鍋シンパシーと呼んでいる。



そして栄えある




第1位 かぼちゃコロッケ

これマジで最悪で、こいつと出会ってから、かぼちゃそのものが苦手になりつつある。
まるで乾荒原のような食感に苛まれ、たちまち電灯に照らされた水源へと手が伸びる。
断面の色味も最悪で、淀んだ黄色を基調に所々緑黒いジャマイカの配色。
そして不運にもコイツは闇鍋コロッケ界でも随一の体積を誇っており、配食の箱のフタが少し浮いている時、今日はアイツかと心してかかる。
そんなかぼちゃコロッケを食べざるを得なかった日はどうも自分の機嫌をとることができない、ちっぽけな男のままでいる。



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