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ジョンホン身辺雑記_43_『告白 コンフェッション』

母の「胃ろう」再手術が来週の月曜日に決まった。
今度こそ上手くいってほしい。

映画『告白 コンフェッション』(監督:山下敦弘)を観た。

ワンシチュエーションもので、人物二人だけで本編76分どこまで観客を惹きつけることができるか気になったのとヤン・イクチュン主演だから観たが、期待値を下回る。

自身の家を抵当にかけてまで撮った自主制作映画『息もできない』(2008)が数々の映画祭で賞を受賞し、日本の映画界でも有名になったヤン・イクチュン。彼は元来俳優で、監督作『息もできない』でも主演を務めた。

生田斗真は元ジャニーズでファンがいるから集客に繋がるという安易な思考の元、
ヤン・イクチュンは山下敦弘がファンでオファーして配役が決まったというところかな。

『告白〜』は日本の漫画が原作。
まぁ、映画では人物の一人を韓国人の設定にして時折り主人公・生田斗真がわからない韓国語を発する不気味さを演出してはいたけれど、韓国人である必然性は全くない。
彼がなぜ日本へ来たのかも、全く触れない。

終盤にヤンに「これでやっと息ができる」と言わせるセリフは明らかに『息もできない』を意識していて気持ち悪かった。
そもそも『息もできない』の原題は『똥파리(糞にたかるハエ)』というスラングで「お金にたかってくる人間」を悪くいう言い回しだ。
日本の海外映画に邦題をつけるセンスの無さにはいつもゲンナリさせられる。

時折り、過去に殺してしまった奈緒の回想(フラッシュ・バック)をインサートしてなんとか間をもたすものの、これなら『ドント・ブリーズ』(2016)の方がよっぽど面白い。

ヤンには片足を負傷(その瞬間は見せず、冒頭から既に怪我を負っている)という枷を、生田には劇中盤から「高山病」で目が見えなくなるという枷をかすものの、面白くない。

ワンシチュエーションもののアドバンテージは、低予算でつくれる点と、セットを組んでしまえば撮影場所を借りるロケセットと比べ撮影時間・日数に制限がなくなる点かな。

今作もセットを組んだのだろうけど、孤立した雪山ロッジのセットのつくりがつまらない。同じことを繰り返し観させられる。
もっとセットづくりを工夫するべきだった。

生田斗真とヤン・イクチュンのお芝居レベルも釣り合っていなく、陳腐に見えてしまう。

そして、いよいよのクライマックスが「夢オチ」ときたもんだ。山下敦弘、大丈夫か?

『オーバー・フェンス』(2016)くらいまではもっと面白い映画撮っていたのに……。

知ってます。
商業映画監督デビューも出来ていないのに他人のこと言えた立場ではないのは、充分理解しています。
ところがどっこい、映画に関しては偉そうに言い続けます、えぇ。

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