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詩・小説

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思いついた言葉の倉庫です。 たまに深夜のテンションで小説も書きます。
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#オリジナル歌詞

【短編小説】ブラックホール病

ねぇパパ 「ねぇパパ、私はいつまでここにいなくちゃいけなの?」 娘のシルビアが曇りガラスの向こうに何か絵を描きながら言った。 「そうだね、もう少し、かな」 「もう少し?もう少しってどのくらい?」 屈託のない目でこちらを見てきた娘を見て唇を噛み締めた。 「そうだな…」 考えるふりをして下を向いた。いろんな感情が私を襲ってきたのを娘に悟られたくなかった。 「ねぇパパ!」私に考えがあると言わんばかりにシルビアが声を上げた。 「パパのいた場所で一緒に暮らせばいいんじゃない?」 「パ

カフェオレ・カフェイン中毒

いつだって飲み物はカフェオレ カフェイン中毒のあたしは今日も頑張って生きていきます どんなに身を削って稼いだとしても最後は 残っているものなんてあるのでしょうか? 粉になっていくよ コップの底に沈んでは溶けるのを待つよ いつか消えるその日まで 本日の飲み物もカフェオレ カフェイン中毒のあたしは明日の朝まで夜を生きます どうやっても解決するには時間がないけど 残っているものをなんとかしないとね 混ざり合っていくよ コップから溢れるカフェオレ どうすればいいの? あたしの涙

君と僕

何が言いたいかなんてわかっているくせに 傷つくことも本当は嫌いなはずなのに 言って欲しいんだったら言っちゃうけど 僕はひとりになりたいんだって ほら 泣いてさ わかっているのに聞くから 僕は言っただけなのに 不安ならどっか行ってよ 僕じゃない誰かをあたってよ 優しさだけが欲しいんなら 僕じゃない誰かをあたってよ ほんのちょっとの出来事でいじけてみたり 曖昧勝手な噂で悲しんでみたり 憂鬱な雨の日に出かけてみたり 僕はひとりになりたいんだって もう 言ってんのに 前からず