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詩・小説

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思いついた言葉の倉庫です。 たまに深夜のテンションで小説も書きます。
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#オリジナル曲

【短編小説】ブラックホール病

ねぇパパ 「ねぇパパ、私はいつまでここにいなくちゃいけなの?」 娘のシルビアが曇りガラスの向こうに何か絵を描きながら言った。 「そうだね、もう少し、かな」 「もう少し?もう少しってどのくらい?」 屈託のない目でこちらを見てきた娘を見て唇を噛み締めた。 「そうだな…」 考えるふりをして下を向いた。いろんな感情が私を襲ってきたのを娘に悟られたくなかった。 「ねぇパパ!」私に考えがあると言わんばかりにシルビアが声を上げた。 「パパのいた場所で一緒に暮らせばいいんじゃない?」 「パ

最果てのパラレル

地球の裏側に行きたいんだ  まだ誰も知らない僕だけが知る世界に 幾日もの拷問をまた繰り返している日常から僕を救って (どうにか生きなくちゃ) 最果てでキミに会ったけれど 可哀想に感情が一切ない 言葉の残骸かき集めては口にするよ  不味くても吐き出さないでいて 誰かのせいにしたい 誰かの声にしがみつく 誰かのせいの死体 誰かの生にしがみつく   回って周って巡って行き着く先は 地球の裏側に行きたいんだ また 誰も知らないキミだけがいる世界に 幾日もの拷問をまだ繰り返してい

忘れんぼ

探しているのは誰でしょうか? ばあちゃん、あの子は誰でしょうか? 時報がお家に帰れって あの神社の道を通りましょう 夕立に追われて帰りましょう ばあちゃんの手を引いて帰りましょう 明かりの灯った窓の外 ねぇどうしてここから動けんの? 遊びましょう 遊びましょう 隠れたあの子を探しましょう? 帰っても 帰っても 居場所がないなら遊びましょう? 探しているのは誰でしょうか? ばあちゃん、私は誰でしょうか 湿った地面が吸い込んだ この涙はどうして悲しいの? 朝焼け綺麗に飲み込

♡が足りない!【オリジナル曲】

それなしじゃ生きれない 限界のpoison 憂鬱な月曜日にフラッシュライトを焚いて 合図を送るよSOS 君なしじゃ生きれない 既読のつかないLINE 暇なわけじゃないのにずっと画面をいじってる 放り出したいTuesday 部屋の隅に転がるイヤホン 無くしたはずのあのドアのkey one more time 転がって 有限の♡消費して ショーを見して 疲れた体に鞭打って 遊びつくすには時間が足りない! 夢なしじゃ生きれない 正解のanswer 来週の半ばくらいに語り合お

この時代

愛想笑いが上手でうまいこと人生を綱渡り って可哀想に承認欲求だけは満たされない 「あの子より私が可愛いのに」 綺麗事で感情のお掃除  その分のお金を稼いで 時間も愛情も物足りない あのカルト集団に貢ぎましょう クソが どうやったってドロ沼の人生 待って どうせみんなゴールは同じか 泣いてもいいでしょう? 笑ってもいいでしょう? 誰かのスマホの画面に収まったとしても 許せないでしょう? 許せないなら あなたの言葉を紡いだ あなたでいてよ そのお薬を飲んでも 痛みは最高潮のまま 弱音なんてみんな聞き飽きているの 「あなただけ辛いわけじゃないのよ」 地獄の道に先立って行くのは善いことを押し付けられる人 それで空っぽになった心に全体重をロープで括って 切な どうやってたらもがかなくて済むの? 待って どうやったって痛みは感じるの 泣いてもいいなら 笑ってもいいなら 誰かのスマホの画面に収まってもいいよ だって許せないでしょう? 許せないんだよ あなたの言葉を紡いだ あなたを返して あなたの言葉を紡いだ あなたがいいから 愛想笑いが下手になった理由は必要ないでしょ って自己肯定感を高めて嘘つく画面の向こう側

シーツを被ろう【オリジナル曲】

いつも最後は いつも最期は ダメって言う君は大人になってしまった それじゃ最後に それで最期に また 約束して さよなら ある日の朝 目が覚めたら気づいてしまったんだ  僕の被るシーツの汚れに 遊園地で会う 君を待った とりあえず今日は楽しくなりそうだ だって 忘れ物もないし チケットも買ったし 改札口の向こうを見た ポケットの中で繰り返す その着信で僕は現実に引き戻される いつか君との約束を 果たせるはずの明日になるまで あと少しの時間 まだシーツを被ろう ベアとシー

伝説のあの剣【オリジナル曲】

ほら 朝日が昇る  カーテンを開けて 眠れない夜にさよならをしようよ 窓の外に見える 散歩中の足跡を辿って 冒険しようよ 海沿い その先の橋を息を止めて走った 伝説のあの剣は君の家の庭にあるんだ 改札を足早に過ぎる人波の間で 伝説のあの剣を 手に持つ君があの日にいたんだ 4コマ漫画ベアとシーツのイメージで作りましたʕ•ᴥ•ʔ

月が綺麗でした【オリジナル曲】

その日 僕は そっと画面を閉じて 流れた涙と一緒に 夜の道を影と歩く 言ってないのに 聞いてないのに 流れ流れる声に溺れては もうムリかも どうせこのまま 誰も彼もいなくなる 月が綺麗だった    (今宵もそうでした) 向こう街の明かりの中 (迷う人生でした) 引き留めるその熱で  (我に返りました) 月が綺麗と見上げた  (だから泣きました) 曲も作って動画にしてみました。 300円で買ったマイクで一発どりしてやりましたよ!ガハハ!!楽しいな!!