【短編小説】その日には咲かない気持ちに水をやる。
随分前からこの気持ちに嫌気が差していた。
誰かと話していても、ひとりの時もモヤモヤとしはじめるのはどうしてなんだろうか?きっと長い間私の中に溜まってしまった結果だと思う。
「ミサキさんは少し自分の気持ちを伝えるのが苦手のようです」
そう通信簿に書かれていたのを見た母はどうしてかしらねぇ?と首を傾げていた。
私は素知らぬ顔をして絵を描き始める。
季節はまだ肌寒い春のことだった。
それからしばらくして学校で友達ができた。名前はミサトといい、私の席の後ろの子だった。名前の響きが同