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詩・小説

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思いついた言葉の倉庫です。 たまに深夜のテンションで小説も書きます。
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2023年4月の記事一覧

【短編小説】ブラックホール病【続】

↓前回の続きになります。コツコツ書いていこうと思いマッスル! 終わりの始まり 「でさー俺名前もつことにしたわ」 「は?マジで?なんで?」 驚くこいつの顔は意外と嫌いじゃないと思いながらあの時のことを思い出す。 片腕が無くなっているにも関わらず、あの警備員は先生とかいうやつをもう片方の腕で抱き締めていた。「まだ名前を聞いていません」と泣きながら。 先生が無線で事細かに今の状況を伝えてくれていたおかげで救急班やら警備班やら、特に何もできないけどと言いながら何か助けになりたい

「兄弟姉妹ってさ、絶対比べられるよね。  そう言った彼女は寂しそうに僕の顔を見た。  僕は一人っ子だから彼女の気持ちが分からない。  それでも寄り添いたいという一心で彼女の目を見た。  貴方は貴方だよ、僕は貴方だから好きになったんだ。  誰かと比べて恋に落ちたわけじゃないんだ。」

「私は成功しました。しかし沢山の失敗もしました。  メディアが取り上げるのは成功だけですが。」

「あなたから見れば僕は不幸なのでしょう。  しかし僕から見れば僕は幸せなのです。  あなたは見たいものを見ている。  だから僕も見たいものを見ているのです。」

「あなたの世界が狭すぎると、その中で起こる出来事全てにあなたは反応してしまう。  そうして心を痛めて、私の人生なんか…なんて呟き始める。  あなたは自分の世界が狭いことには気がつかない。  本当の世界はあなたを待っているのに。」

「じいちゃんは言った。死ねなかったと。  あの飛行機に乗って死ぬのが俺の役目だと信じていた。  お国のために自分の命を燃やすのが役目なのだと。  あぁでも。  じいちゃんの守りたかったお国は今、僕を殺しにかかっている。」